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読書感想文・読書備忘録003:『 成熟スイッチ 』 著:林真理子

読書感想文・読書備忘録003

『 成熟スイッチ 』

著:林真理子


ここでは、ざっくりと「概要」をご案内して、私なりの「感想」をラフにご案内しておこうと思います。
 
ここで紹介する本は、本来ならは、ご自分で買って読んでいただくだけの価値がある。そう思うからです。


概略

この本は、著者の豊富な人生経験と洞察に基づいた、成熟世代に向けた人生論です。

本書は、著者が日本大学の理事長に就任したことや、「老い」との見方など、自分自身の現状を真摯に受け止めながら、人生の成熟について四つのテーマで語っています。

  1. 人間関係の心得

  2. 世間を切る作法

  3. 顔を白くして生きる

  4. 人生を俯瞰する

林氏特有の率直で軽妙な語り口は、読者を引き込み、時には笑いを誘いながらも、深い人生の知恵を伝えています。


例えば、「背伸びなくて成長なし」という言葉は、年齢を重ねても挑戦し続けることの大切さを端的に表現しています。

著者は自身の経験を赤裸々に語りながら、読者に寄り添うような形で成熟のヒントを提供しています。

例えば、若い頃の「ブスすぎる卒業写真」や就職試験不採用通知を将来のネタにとしようと思っていたエピソードは、困難を前向きに捉えた姿勢を示しています。

また、本書は一連の成功体験の羅列ではなく、著者の自虐的な面も含めて描かれており、より親近感を思い出させます。


ミーハーで常識的、自信家で見栄っ張り、ポジティブで才能がある、前述の著者の多面的な性格が垣間見え、読者は自分の人生と重ね合わせながら読み進めることができます。

特に印象的なのは、著者が年齢を上のことを肯定的に捉えている点です。

一方で、歳を重ねることの楽しさや可能性を示唆しています。本書は、人間関係の前向きな方、社会との付き合い方、人生を楽しむコツ、そして人生を大局的に見る視点など、幅広いテーマを含んでいます。

自分の評価を上げる「お礼」の方法、会話を面白くする「毒」の入れ方など、具体的で実践的なアドバイスも含まれています。


林氏の文章は、読みやすいもの、その中に鋭い洞察と深い人生の知恵が詰まっています。

読者は、著者の経験と思索、自分の人生を振り返って、これからの生き方を考えるきっかけを得ることができるでしょう。

『成熟スイッチ』は、孤独な自己啓発本ではなく、著者の人生哲学が決意された一冊と言えます。

林真理子氏の独特の視点と表現力が存分に発揮された本書は、多くの読者の心に響き、自身の「成熟スイッチ」を起こすきっかけとなることでしょう。



感想

この本は、社会人の成長と自己実現をテーマにした作品です。

人生の新たなステージへの移行「成熟」という概念で表現し、キャリアの転換期にある人々に貴重なポイントを提供しています。

まず、著者は「成熟」の本質を、経験と知恵が熟成され、自分らしさが発揮される状態としています。

この状態に到達するためには、意識的に「スイッチ」を切り替える必要があると述べています。


成熟のプロセスにおいて最も重要なのは、自己認識を深めることです。

自分の強みや弱み、価値観を客観的に理解することで、より真正性のある生き方が可能になります。

この自己認識は、社会で活躍する上でも重要なスキルです。

また、林氏は、過去の経験を単なる思い出として捉えるのではなく、未来への資源として再評価することの大切さを強調しています。


失敗や挫折も含めた人生経験新たな挑戦の糧とする姿勢が、成熟への道を開く鍵となります。

この本は、社会人が直面する課題にも触れています。

例えば、人間関係の整理や再構築について、林氏は、長年の経験を活かし、時間の経過とともに適切な人間関係を築くことが成熟の一部であると指摘しています。

特に、若い社会人にはこの過程を意識的に加速させることが重要であると述べています。


さらに、著者は感謝の気持ちを持ち続けることや、相手の気持ちを常に考えることの大切さを強調しており、これはビジネスの場面でも活用できる重要なスキルです。

特に、時間を守ることや早めに行動する価値についても説いています。

林氏は、人生を楽しむことが現代社会におけるメンタルヘルスの維持や創造性の発揮に繋がるとし、これがストレスの多い時代において重要な心構えだとしています。

加えて、長期的な視点で人生を見つめ直すことが、キャリア形成の初期段階にある若者にとっても重要な教訓になると強調しています。


この本は、個人の成長だけでなく、組織のマネジメントにも適用できるポイントを多くを提供しています。

特に、変化の激しい現代社会において柔軟に適応する力や、多様な価値観を持つ人々との協働の重要性が述べられています。

これらは、グローバル化が進むビジネス環境で特に必要とされるスキルです。

さらに、著者は自分のキャパシティを超える挑戦を続けることが、自己成長やリーダーシップの発揮に繋がると説いており、若い世代に対しても有益なアドバイスを提供しています。


結論として、この本は自己啓発書を超え、現代社会における個人と組織の成長の在り方を問う作品です。

林氏の洞察は、若い世代や社会人にとって、キャリアと人生を改めて俯瞰し、成熟へ向けた行動を促す一冊であると言えます。

この本を通じて、私たちは自分の能力を最大限に引き出し、より充実した人生を送るようになることができるのです。


これが「マーケティング&マネジメント セミナー講師の視点」で読み解いた「この本」に関する感想です。


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