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『三体』読了

『三体』読了しました。

※以下よりネタバレを含む可能性があります。


出だしは「文化大革命」

近代歴史はあまり分からないので出だしでビックリ。「文化大革命」という文字を見たこと聞いたことはあっても詳細な内容を知らない私は、その具体的描写に「この話、この本はどこに辿り着くのだろうか?」と若干おろおろしながら読みはじめました。

でも、読み進めると出だしで文化大革命が出てきた意味がわかります。


現実と非現実の境界線がよく分からないのもこの本の特徴だと感じます。もちろん「現在の科学から見えてくる未来の科学」も大いに生かされていると思いますが、今の科学から予想される「ありえる未来の科学」だからこそ「ありえる」と「ありえない」の境界線があいまいになるのでしょう。

正直、分かるような分からないような科学用語?も出てきます。なんせ、2巻に入ると宇宙とその宇宙で戦うための宇宙艦隊を作る、という話が出てきます。

スターウォーズを思い出してもらうと分かりますが、スターウォーズは最初から宇宙船・宇宙艦隊が出てきていました。

『三体』では、宇宙で戦うための船を作る。そのための推進器・エンジンはどうする?など、そのために必要な科学や技術を発展させる、というところも描かれています。そして、殺人も起こります。


殺人といえばこの本では人為的殺人はほとんど起こりません。環境によるものは起こりますが、それは地球ではなく「ヴァーチャルな三体世界」で起こります。

また、宇宙に行くための科学や技術以外に、冬眠技術や地下で地上と同じような生活を送るための技術なども出てきます。

この『三体』、特に2巻上・下の中で一番おもしろい考えだなと思ったのが「面壁者」。この「面壁者」がどんな役割を演じるのか。それぞれの「面壁者」がどうなっていくのか。科学技術と同様に読み応えがあるところです。

「面壁者」とはある人たちのことです。その「面壁者」一人一人が頭の中と心の中がそれぞれのタイミングで晒されていきます。晒されたその内容は面壁者以外には大変ショックなことです。ですが「面壁者」という言葉が示すように「心の中を見通すことはできない」ということを上手く使っていると思います。

今回読了した『三体』。実はまだ終わっていません。地球由来の宇宙艦隊のうち数隻が地球から遠く離れた宇宙空間にいます。もちろん、人を乗せたまま。地球から遠く離れた宇宙空間にいる宇宙艦隊のその後は今年5月に発売予定の『三体3 上・下巻』に描かれると思われます。

最後に、途中で引き合いに出しました「スターウォーズ」が好きな方。映像だけでなく文庫も読んだことがあれば一読してみる価値は大いにあるかと思います。スターウォーズは「遠い銀河のどこか」設定のお話しですが、『三体』は地球とそこに住む人と、そこにある・これから見ることができるかもしれない科学技術などが舞台です。SF好きな方はワクワクしながら読んでいただけると思います。





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