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3月6日、やっぱり大谷

8日に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けた強化試合。今日は阪神が相手だ。ついに大谷が出場する。あまり大きな声では言えないが、大谷の試合はほぼ全試合観ている。そんなに暇なのか!? と思われそうだが、もちろん暇ではない。しかし、大谷という存在を見ないなんて、この時代に生まれた意味がないのだ。そのくらい、本当に私は大谷にゾッコンLOVEである。

今日の試合で大谷は日本にやってきて初のスタメンに。打順は3番で初回は三振、第2打席はなんと、ホームラン! 皆さんご存じの通り、膝をついて、体勢を崩しながらのホームランだ。まるで家の中がスタジアムかと思うほど、部屋の中は私の「ぎゃーーーーーー!」という奇声に包まれた。まさか、ヒットよりも先にホームランを打つなんて、さすが日本の希望・大谷。

第3打席は、さすがにヒットだろうと予想した。いくらなんでも、2打席続けてホームランを打てるほど日本のピッチャーは弱くない。そう思っていたのに、ホームラン!!!!!!! 今度はつまりながらのフルスイングだ。2本のホームランとも、いわゆる“正統派”の打ち方ではないはずなのに、それなのに大谷はホームランにしてしまった。またもや、部屋の中は私の奇声に包まれた。

ふと思うのだ。大谷という人間について。大谷はピッチャーをやれば三振をたくさん奪い、勝利投手になってくれる。打者ではホームランをたくさん打ち、メジャーリーグでホームラン王争いをしたりする。いわば、豪快でわかりやすいのだ。漫画の中の世界が現実になったようで、観ていて気持ちが良い。野球好きはきっと一度は想像したことがある、「もし自分が最強バッター(ピッチャー)なら」という夢を、大谷は叶えているのだ。だからこそ、みんなは大谷にハマる。私はどハマりだ。大谷のために生きていると言っても過言ではない。

しかも、大谷は性格も良い。みんなから愛される。世の母親は皆「大谷くんみたいな子が息子だったら……」と口々に言う。しかし私は疑問に思う。大谷は「性格の良い自分」をつくりあげて、楽しいのだろうか。人は誰しも、人に言えないことや悪いところがある。それなのに、私たちが見ている大谷はそういったところがないように思う。もちろん、気の置けない人に対しては自身の弱みや悪いところを見せるのかもしれない。それでも、だ。それでも、大谷はあまりにも完璧すぎるように思う。私は完璧な人間の完璧でないところを見てみたいと思うし、とても気になる。さらに誤解を恐れずにいえば、完璧であることがたまに気持ち悪いと感じる。

自分の良くないところを直そうと努力すれば、人はより良い人間へと近づいていく。大谷は幼い頃からそれを繰り返し、今の大谷になったのだろうか。そういう作業は彼にとってつらくないのだろうか。どこかで「やっぱり、私はこういう人間だから」と受け入れて、前向き(あるいは後ろ向き)になるのが多くの人間に当てはまるのではないかと思う。自分をより良い方向へ変え続けることは、ポジティブさの追求になり、私みたいなネガティブな人間にとっては耐えられない苦痛になる。やはり、野球というチームスポーツはポジティブさの集まりなのかもしれない。そうであれば、私がソフトボールやサッカーといったチームスポーツがことごとく合わなかったのもうなずける(個人としては能力があったが、周りとうまくやることは少し難しかった)。

そう考えると、私が大谷LOVEなのは、微妙なライン上に成り立っているのかもしれない。彼のダイナミックなプレーに惹かれる一方、完璧すぎる性格を「気持ち悪い」と思ってしまう。そのバランスが今のところはいい感じだからこそ、ゾッコン大谷LOVEなのだろう。きっとしばらくは(あるいはずっと?)、大谷LOVEであるためWBCはもちろん全試合観て、エンゼルスもなるべく全試合観られるよう、今年も精進したい。

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