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今日の自分の気分に耳を傾けること

 江國香織さんのエッセイであることは確かなのだが、『泣く大人』だったように思うが、『いくつもの週末』だっただろうか。その中に、彼女は、普段の食事は主に果物などを食べ、小食である。しかし、誰かと外食に行く時には、その時に自分が食べたいものが何かを真剣に考える。たまに行く外食だから真剣に考えてしまう、というようなことが書いてあったと記憶している。

「野菜、野菜だ!」とか。そんなふうに体にきいて、今の自分が必要としているものを食べに行くのだという。だいぶ前に読んだから、記憶もあいまいになっている。本当のところ、誰のどの本であったのかも、今となってはあまり重要ではない。作者の方には申し訳ないが、その書いてあることに新鮮さを覚えた感覚が、今も私の中に残っていることが大事で、読書の醍醐味だと思うからだ。

 その時に自分が食べたいものが何かを真剣に考える、ということを読んでから、わたしも今のわたしが食べたいものはなんだろう? と考えるようになった。

 といっても、なんでも好き勝手に食べられる時ばかりではないから、できる範囲内で、である。一日の中で、何か一つは、自分の体に耳を傾け、真剣に探り出そうとする。

 たいていは、飲むものか、ちょっとしたおやつについて。

 マグボトルに入れるティーパックは、ミントティーかシナモンティーかとか。おやつは、チョコレートかクッキーかとか。他愛ないもの。

 でも、自分の欲しているものが何か真剣に考えると、その日の体調が何となくわかる。たんぱく質が足りてないだったり、少し食べ過ぎて胃が疲れてるだったり。シャキッとしたい気分だったり、気持ちにゆとりを取り戻したい気分だったり。

 どんな香りや風合いを求めているかで、自分の気持ちが透けて見える。自分の気持ちを言語化するのは、案外難しい。だからわたしは、求める香りや風合いから判断する。あとは、その日に好む色からも。

 何となく惰性でどれでもいい、と決めていると、自分の体や心のことも、だんだんわからなくなってくる。決めること自体面倒に感じる時は、要注意のサイン。疲れている、体も心も。

 さて、今日の気分は、ハーゲンダッツの抹茶アイスだった。たぶん、たんぱく質と糖分がものすごく必要だった。でも、抹茶の苦みで少し、すっきりもしたかった。曇り空でどんよりしてたから、エネルギー補給をして明るくなりたかったのだろうか。・・・などとまことしやかに書いているが、抹茶アイスは、私の一番好きなアイスクリームのフレーバーだ。きっと、休みでリラックスして、単に食べたくなっただけだ。



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