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写真で見る物語の現場「狩野岑信」編

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連載中。投稿した小説の副読本「物語の現場」の内、「狩野岑信 元禄二刀流絵巻」に関する記事をまとめたマガジンです。作中に登場する場所、ゆかりの史跡や絵画作品などを写真と短い文章で紹…
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#狩野岑信

【物語の現場041】嵐子の偵察報告、甲府城周辺~釜無川(写真)

「狩野岑信」の第四十七章で、典膳と厳四郎は、甲府藩用人・間部詮房を討ち取る相談をします。…

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【物語の現場040】甲府城天守台から四方を眺める(写真)

「狩野岑信」の第四十八章で、吉之助は、竜之進と甲府城天守台の階段で月を見ながら酒を酌み交…

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【物語の現場039】門前に表具屋はないけれど、甲斐善光寺(写真)

「狩野岑信」の第四十六章で、吉之助と竜之進は、甲斐善光寺門前の表具店で隠し金山の重要な手…

仁獅寺永雪
13日前

【物語の現場038】天橋立、吉之助は雪舟の名画を見ていたか(写真)

「狩野岑信」の第四十五章で、吉之助が覚隆の居室に掛かる富士図の不自然さについて竜之進に説…

仁獅寺永雪
2週間前

【物語の現場037】本当は登場させたかった恵林寺庭園(写真)

「狩野岑信」の第四十五章で、吉之助と竜之進が向かった崖の上の恵光院。その前に登場した恵春…

仁獅寺永雪
2週間前
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【物語の現場036】吉之助と赤沢が見ていた笛吹川と野生の藤(写真)

「狩野岑信」の第四十四章で、坂を下って来る敵を待ちながら、吉之助と中年剣士の赤沢が見てい…

仁獅寺永雪
3週間前

【物語の現場035】本当にある塩山の甘草屋敷(写真)

「狩野岑信」の第四十三章で、主人公・狩野吉之助と旧知の間柄である塩山地域の大庄屋・高木治兵衛が再登場します。彼は薬草である甘草の研究家でもあるため、その屋敷は甘草屋敷と呼ばれているという設定。  実は本物があります。JR塩山駅の北口を出るとほぼ正面に見える立派な古民家(右上の写真)。これが本物の「甘草屋敷」で、現在は歴史公園として公開されています(山梨県甲州市塩山、2022.4.22撮影)。  この屋敷、元は地域の有力農家・高野家の住居で、高野家はこの地で代々甘草を栽培し

【物語の現場033】厳四郎と嵐子の故郷・柳生の里(写真)

「狩野岑信」の第三十七章で、新見典膳の助っ人が登場します。新陰流の剣士・青柳厳四郎(本名…

仁獅寺永雪
1か月前
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【物語の現場032】不忍池の向こうは火の海、勅額火事の現場(写真)

「狩野岑信」の第三十一章では、浜屋敷に帰還した吉之助が間部に報告する形で勅額火事の様子が…

仁獅寺永雪
2か月前

【物語の現場031】キービジュアル・狩野隨川岑信筆「菊慈童図」(絵画紹介)

「狩野岑信」の第二十九章で、主人公・狩野吉之助が「隨川岑信」という筆名を使うに至る経緯を…

仁獅寺永雪
2か月前

【物語の現場029】八百屋の若夫婦と共に見た隅田川沿いの景色(写真)

「狩野岑信」の第二十四章で、吉之助と竜之進は大久保家の奥様の魔手から守るため、おつると夫…

仁獅寺永雪
3か月前

【物語の現場028】吉之助が工夫した掛け軸の「中回し」とは?

「狩野岑信」の第二十二章で、吉之助が自作の富士図に施した表装について書きました。掛け軸に…

仁獅寺永雪
3か月前

【物語の現場027】志乃の機嫌も直す美しさ、浜屋敷「潮入の池」(写真)

「狩野岑信」の第二十章で、甲府浜屋敷(現代の浜離宮恩賜庭園)の「潮入の池」を紹介しました…

仁獅寺永雪
4か月前
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【物語の現場025】御成書院の床の間を飾っていた狩野安信の三幅対(絵画紹介)

「狩野岑信」の第十三章で浜屋敷の御成書院の設えについて書きました。その際、床の間に掛けられていた作品のモデルがこちら。  狩野安信筆「観音・梅雀・柳燕図」  絹本・水墨淡彩の三幅対。この作品を入手したのは狩野派に興味を持ち始めて比較的早い時期でした。その頃、当たり前のように探幽と尚信という二人の兄の方にしか目が行っていませんでした。  安信は晩年、「学画は質画に優る(凡人の努力は天才に勝つ)」という言葉を遺しています。それ、わざわざ言うか、という感じ。  彼は、前半生は