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【物語の現場035】本当にある塩山の甘草屋敷(写真)

「狩野岑信」の第四十三章で、主人公・狩野吉之助と旧知の間柄である塩山地域の大庄屋・高木治兵衛が再登場します。彼は薬草である甘草の研究家でもあるため、その屋敷は甘草屋敷と呼ばれているという設定。

 実は本物があります。JR塩山駅の北口を出るとほぼ正面に見える立派な古民家(右上の写真)。これが本物の「甘草屋敷」で、現在は歴史公園として公開されています(山梨県甲州市塩山、2022.4.22撮影)。

 この屋敷、元は地域の有力農家・高野家の住居で、高野家はこの地で代々甘草を栽培し、幕府に納めていました。残っている建造物はいずれも江戸後期以降のものですが、甘草の栽培自体は、江戸中期(享保年間)にはすでに行われていた、とのこと。今も屋敷の前庭に甘草が植えられています。

 恵林寺やその周辺を散々歩き回った後、帰りしな、休憩を兼ねて立ち寄ったところ、とても素敵な場所だったので参考にした次第。なお、物語では、もう数百メートル北西に行った位置にある設定にしています。

 右下の写真は、吉之助たちが休息した母屋の座敷(イメージ)
 左上の写真は、新見美咲が身を寄せている離れ(イメージ)
 そして左下が、前でおりんが子犬とじゃれていた馬小屋(イメージ)

 さて、物語いよいよ佳境。次章、吉之助と竜之進は、遂に新見典膳との直接対決に臨むことになるのです。


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