見出し画像

【プレイリスト】私が最近6月に聴いている曲


6月半ば、関東はもう梅雨入りしたそうですね。ジメジメとした空気が少し苦手なのですが梅雨をテーマにした曲は多いい!アーティスト梅雨好きがちという偏見を持っているのは私だけでしょうか。........こうして雨の中聴く曲を書こうと編集していたら、ライブ準備でバタバタしていてもはや梅雨があけてしまいました。最初の文章とか月初めに書いてたのに......。2週間たってます...。嘘でしょ...。ですが構わずに私が6月に聴いていたプレイリストについて語ります。梅雨を思い返しながらでも聞いてみてください。ご覧遊ばせ。


1.NOMELON NOLEMON / INAZMA

1曲目は梅雨に訪れる雨嵐にふさわしい楽曲にしようかと。NOMELON NOLEMON ことノーメロは、音楽家のツミキとシンガーソングライターのみきまりあによる音楽ユニット。美しい凶器と化した耳をつんざく音の嵐の中で叫び歌うみきまりちゃんの歌声が堪らない。空気みたいに漂う歌声も大好きなんですが、人間味を感じる様な、女と書いてメスと読む感じの歌声も好きでして....。これが一度ハマると癖になる。もちろん癖になるのは楽曲も。ツミキさん曲は兎にも角にも音数が多くて、脳内で鳴り続ける騒音感が大好きで圧倒的に中毒症状必至。それもそのはず、爆撃のような人知を超えたドラムフレーズや鳴り響くリリースカットのピアノラインが何よりの特徴。まさに雨嵐、イナズマに打たれた衝撃が走る曲、大好き。好きポイントは、"稲妻は悲しい雨の日 静寂を照らすために有るのさ"、"それを掻き鳴らすこと 歪さを叫ぶことこそがロックンロールの正体"です。

2.おいしくるメロンパン / 紫陽花

2曲目は6月ならではの楽曲、おいしくるメロンパンから「紫陽花」。毎月おいしくるメロンパンとKEYTALKを紹介している気がしますが、毎月聴いてるし大好きなのでもうそういうものです。逃れられません。逃げるな。「紫陽花」は1st EP の『thirsty』に収録されています。音作りが大好きすぎるギターから始まるイントロ、続くドラムのフィルインからライブだと聴こえる「ワンツー」の掛け声で始まる曲。はぁ、、、、好きだが。Aメロの淑やかにじめつくような空気感から一転、Bメロサビに連れてはねていくベースライン...!峯岸さん...!ありがとう...!曲最後の物語が終わるみたいなキメフレーズ好きです。あとこの曲やっぱりドラムが堪らなく"良い"ですよね。ちょっと高めのスネアとライドとずっしりしたタム。ちょいちょい挟む的確すぎるスネアロール。好きドラム詰め込みセットすぎる。あとシンプルにおいしくるの曲達はどの楽器も声もごりごりに音圧があるのが好きです。助かる命がここにあります。好きポイントは、"炭酸も抜けきったし"、"気の遠くなるような思い出ばかり"、"せめて綺麗に散らしてよ"です。

3.ももすももす / 桜の刺繍

3曲目は、ただただ私が6月に聴いていた曲を。ももすももすで「桜の刺繍」。5月末にももすちゃんのライブに足を運んでから、長年抑え込んでいたももすちゃんロスが止まらなくなってしまいまして...。この曲が入っているフルアルバム『彗星吟遊』を永遠にリピートしています。中でも「隕石」と同じくらいに大好きなこの曲。タイトルで見ると春の曲だ、と思うじゃないですか。でも個人的には、春が過ぎ去り夏が訪れるこの季節の空白のような今に聴くのがいいのかなと思ったり。"桜が散る"とかいう表現じゃなくて、"桜を踏む"という表現なのが大好き。歌詞の言葉選びが好きなのはもとより、イントロのギターリフが最高に好き。疾走感というか爽やかに流れていくのに心臓の奥をぎゅっと掴まれる感覚が止まないそんな曲に感じます。MVも最高に良い。見ると寿命が若干伸びて肌ツヤがよくなります。好きポイントは、"桜を踏み町へと駆け出した"、"ひたすらに言葉を帆布に刺繍した"、"砂の舞う思い出になりました"、"背丈の誤差も"です。

4.ART-SCHOOL / 水の中のナイフ 

4曲目は、ART-SCHOOLで「水の中のナイフ」を。ももすちゃんがインスタか何かでART-SCHOOLの楽曲をカバーしてたところから興味を持ちまして。アルバムを色々入れて聴いてみたんだけどこれが刺さりました。私自身低くて人間らしい声よりも高くて漂う歌声が好きヲタクなのですが、木下さんの声が低くも少し斜に構えた感じがして好きでした。全て偏見です。歪みきったギターと野太いベースに衝動を感じます。バンドはバランスだなと思っていますが、その方向性にバランスのエイムが完全に合っている。石ころを蹴飛ばして校舎裏で鳴るような音楽。好きポイントは、"あの日から僕は誰よりも上手に あざむけるようになっていた"、気づいたよ僕たちは永遠に一人だと"です。

5.the cabs / 地図

"5月が終われば顔を忘れる"。5曲目は、the cabsから「地図」を。5月が終わればという歌詞から6月らしいなと思って選曲しました。the cabsについて語り出したら地球が一周自転するくらいの時間はかかるので簡単にだけ。いつか機会があればベラベラとお話ししたいなと思ったり。シンプルにキャブスの亡霊の方々とお話したいですね。対戦よろしくお願いします。まあ、とにかく平成の世にはthe cabsというジャンルでいえばオルタナ、ポストロック系列の伝説のバンドがいたわけですよ。特有の文学的な幻想的世界の詩と誰も触れられないように漂う歌声、痛々しく尖り交わるシャウト、爆撃機に例えられる手数の多いドラムと繊細なアルペジオ、変拍子を太く支える歪んだベース。形のバラバラな積み木を積み上げたのに何故か崩れずに立っているような、どうやってバランスを保っているのか分からないほど消えそうで不安定なのに上手く成り立っていたバンドだったわけですね。そして、いつの日かギタリストが失踪したことにてその積み木は崩れてしまった。彼らが残した作品は、デモCDを含めずにすれば世に流通しているものは3つだけ。それでも亡霊が生まれるほどに人々に未だ大きな影響を与える存在です。その中でも一番最後に発表したアルバム『再生の風景』に収録されているのが本楽曲です。クリーンなアルペジオから始まるイントロが優しいのにどうしようもなく切なくて心が少し痛くなります。何処か殺伐とした空気感や乾いた情景が浮かぶのに、透明に響く歌声が痛みや傷、嘘や間違いも包みこんで優しく溶かしてくれるような曲に心が救われたりします。綺麗なんだけど、潔白ではなくて人間らしく汚れていてそれでもなお美しいという感じです。日本語が難しいわね。とにかく一聴してみてはいかがでしょう。好きポイントは、"革命が始まり娼婦は母になった"、"地図にこの体が溶け出して街になる"です。

6.ツミキ / スイサイ/ アンブレラ/ロクガツ/ドライフラワ

6曲目はツミキさんの楽曲から「スイサイ/ アンブレラ/ロクガツ/ドライフラワ」を。ツミキ楽曲の中で今のところ一番好きです。開始早々左右から流れ出す高速アルペジオと暴走ドラムと変拍子が堪らなく刺さる。5曲目に選曲したキャブスに対する文章を読んだ人なら、私がなぜこんなにもこの曲にハマるのかは絶対にいとも簡単にわかります。ギターの音作りもベースの音作りもどストライク、ど真ん中だな。Aメロの人知を超えてそうなハイハットと仄暗いノイズ大好き。Bメロからのキャッチーな盛り上げ方とサビで叫ぶように開けていく感じが滾ります。間奏、怒涛のスネアロールをMV中で"豪雨"と称しているところに果てしないセンスと拘りが感じられて好き。拘りといえばMVも凄い。見てもらうとわかるんだけど歌詞が原稿用紙に囲われたように表示されていて、一曲通してワンフレーズが20字縛りで書かれているんですよね。その縛りの中この歌詞書いてるんだ...。随所に散りばめられた作者の思考を読み解きながら見るのも楽しくてお薦めです。好きポイントは、"小説に閉じた花が咲く 朝食を残した君は何処?"、"悲しみは傘の中"です。

7.文藝天国 / プールサイドに花束を。

7曲目に選ぶのは文藝天国の楽曲です。毎年6月になると近所の学校が夏に向けてプール開きをするんですよね。その時に、一年間藻が張り続けた緑に濁った水面から水がひいてプールの底が見えて、青く澄んだ新しい水がはられるんですよ。個人的にその瞬間が好きで、年に一度しかないんですけど。そんな光景を先日一年ぶりに見たのでこの曲を選びました。文藝天国の曲は空気を漂って水みたいに心に流れ込んできて綺麗。本当に水中にいるみたい。AメロBメロのクリーンなギターとサビや間奏の歪んだギターの使い分けが好き。ミドルテンポでゆったりと流れていく音楽に身を任せて眠りたいかもしれない。好きポイントは、"煩いよ、あなたのいない世界で、"、"魚にはなれないから、僕らは僕らを満たすために溺れているのだ。"です。

8.KEYTALK / 夜の蝶

8曲目は、今月もまたしてもKEYTALKの曲です。許してくれ。先月末日に発表されたこのEP「KTEP4」。義勝さん曲、結局なんだかんだ言っても聴いてしまう...。中毒性があるのだもの...。5曲目に選んだ「地図」歌ってた人と同じ人だなんて一発じゃ信じられませんよね。面影というか本人なので特色はバチバチにあるのですが。それは置いといて、私が和メロに弱いのがよく分かる曲でした。サビで使われている琴のようなシンセ、イントロアウトロのギターリフが刺さる。Aメロのベースラインのルートの感じに義勝さんを勝手に感じています。Bメロの下駄の音みたいな小太鼓みたいなカランコロンとしたタムの音も好きです。それから間奏のタム回し、タイプです。2番Aメロの閉め切ったようなキック(?)も好きです。どう音作りしているのか教えてください。ギターは何をどうしても小野武正で優勝です。内容に関して「夜の蝶」という題名然り、水商売及び人の目に触れ続け翻弄されながら生活していく人間の視点なのかなという所感。一人称的には女性が合うのかなとも思うんですけど、義勝さんが書く詩において男性目線の歌詞はそこはかとなく"少年"を感じるのに女性目線の歌詞は必ず"女"なのが良いですよね。また、これは勝手に感じていることですが人の目に触れるという点でバンドマンのようなステージ側で振る舞う人間としての自虐も込みなのかなと思っていて。"半端なセリフ受け流して"や"色は変われど偽物じゃない"等、今まで散々昔が良かっただの変わっちゃっただの言われてきた彼だから生まれる言葉なのかなとか思いました。本質的な意味など書いた本人にしか分からないのだけどね。とにかく巨匠がレコーディングで苦戦していた間奏のキメが早くライブで見たいです。好きポイントは"せわしかぐわし夜の街 あなたとあなたと誰かしら"、"色は変われど偽物じゃない"、"鵜の目鷹の目くぐり抜け"です。

9.ハンブレッダーズ / STILL DREAMING

9曲目に選んだのは、ハンブレッダーズから「STILL DREAMING」。特別MVがあるわけでもないしアルバムの中の一曲ですが、自分を支えてくれる大好きな曲です。自分の中で6月はいろんな選択と決断と実行をする月で、何も実績がないまま何も力がないままで前に進むことがすごく怖くて。今まで描いてた未来を初めて書き換えて、高いだけのプライドをぐしゃぐしゃに踏み潰して、信じられるもののないまま足を踏み出して、先の見えない責任を抱えて自分の好きなことをするのがこんなに怖いとは思わなかった。今も全然怖い。それでも好きだから、自分がきっとやりたいことだから、出来が悪くてどうしようもないやるせなさと不安に襲われた時にずっと聴いてました。軽やかなギターリフ、その中で芯の通った説得力のある言葉に何度も励まされて、マイナスをゼロに戻してくれるだけでなくて新しい好奇心やキラキラとした物をくれて気持ちをプラスにしてくれる曲。ただ明るいだけじゃない全てを受け止めているからこその強さと前向きさがあるから心に響く曲だなと思っています。好きポイントは"きっと間違いないと蹴っ飛ばすアスファルト"、"知らなくてもいいことを一つ残らず知りたい"、"お利口で堅苦しい君のその口実に俺がなってやるよ"です。

10.椎名もた / 怪盗・窪園チヨコは絶対ミスらない

10曲目に選んだのは椎名もたの「怪盗・窪園チヨコは絶対ミスらない」です。おいしくるナカシマさんの歌ってみたから聴いた身ではあるのですが、疾走感と気持ち良いシンセとストリングスの虜になってしまいました。最初のタム回し最高に好きすぎて、それ聞くだけで全身が沸き立ちます。Aメロのハイハットの嵐とスラップチックなベース、好きです(告白)。アコギ調のギターにシンセ・ストリングス入ってるのがこうなんか掴みきれないというかいい味な気がする。鏡音リンちゃんの一音一音がはっきりとした淡々とした歌声が歌詞ともにさらに曲の雰囲気を引き立てていて、サビ後や間奏のエコーがかかっているところとかさらに好き。引き算より足し算詰め込みパックな感じが堪らなく好きです。耳に残る。好きポイントは、"依頼先フジ印刷 眠気まなこで私は向かうよ"、"頭に響くメロディ 確かこんな感じのメロディ"、"絶対零度お見舞いするぞ"です。

おまけ ナカシマ / K - 5 YOSHINO Birthday Funkbeat Danceable Night Dream Party

おまけです。Apple Musicや他所サブスクには載っていないのですが、どうしても私が好きすぎるので聴いてほしい曲をここに載せておきます。ナカシマさん作の「K - 5 YOSHINO Birthday Funkbeat Danceable Night Dream Party」です。タイトルが長すぎる。詳細は分かりかねますが、吉野くんのお誕生日ソングというところです。吉野くんとは誰や....というところではありますが、歌い出しで"紫陽花の咲く 淑やかなこの季節に 産声上げた吉野くん 22年前の今日のこと"とあるので6月のいつか、何処かの吉野さんが22歳を迎えられた時に作られた曲なのでしょう。おめでとうございます。このように完全に身内ソングではあるのですが、なんせ曲が良すぎる。そのギターの音作りが大好きすぎるともう一億回くらい言っております。カッティングが生むファンクのグルーブ然り、リードのフレーズが堪らなく好きです。あの三連符が!好きです!2周目のアウトロからドラムが刻んでライド入れてくるのも好きです。歌い方も淡々とではなく地声で高いとこまで張っているのが最高に好きなので一生SoundCloudに残しておいてください。何卒よろしくお願い致します。

今月も新しい曲に触れて好きを増やすことができてよかったなと思いながらも、人間一生で聴ける音楽が限られていることをもどかしく思います。知らないだけで好きな曲が地球の裏側に転がっているかもしれないのに。この文章が誰かにとっての好きと繋がることができたらと思います。では。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?