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雑記(20240122、怪談/カクヨムコン/逆噴射小説大賞)

寒中お見舞い申し上げます。

某ビジネスホテルにて

年明け早々、とある地方へ出張で赴いた時のこと。
午前中に新幹線で移動。午後からリモートでの仕事や現地での会議への参加などそれなりに忙しい時間を過ごし、ホテルへ着いたのは夜も更けた頃だった。
出先でせっかくいただいたものの冷めてしまった弁当を胃へ押し込み、ベッドに転がり一息ついてスマートフォンをいじっていた時。

「ねぇねぇ」

窓の外から声をかけられた。
自分と同年代か、それより若い男の声。初対面の相手ではなく、少し馴れ馴れしい感じがする。

問題は、泊まった部屋が8階だったということ。
恐怖よりも先に混乱が先に立ち、頭は冷静に事態を飲み込もうとする。
壁が薄くて隣室の声が聞こえたか。何かの聞き違いか。

声からしばらくしてカーテンを開けてみたが、外は隣接するビルの壁面が見えるだけだった。(了)

●補記
宿泊したのはI県の県庁所在地、駅から徒歩2分の某ビジネスホテル。朝食ビュッフェの海鮮丼(イクラ、ホタテ、マグロの漬けが取り放題)が最高だった。機会があればまた宿泊したい。
しかしホテルの竣工は調べたところ2021年と新しく、曰く因縁とは無関係に思える。とすればあれは土地ではなく、人に憑いてきた可能性の方が高いのではないだろうか。
それと自分は怪談を熏して出た煙を鼻からキメるくらいそのテの話が好きなのだが、実際にああいう状況へ置かれると恐怖や喜びよりも先に混乱するのだなぁ、というのが新たな発見である。

カクヨムコン

「やはり男として生まれたからには人生一度はカドカワの横っ面を叩かねばなるまい」という妄執により応募した。いや俺が愛憎分かち難い念を抱いているのはカドカワではなく正確には富士見ファンタジアですが。

タイトルでお分かりになる方もおられるかもしれないが、以前逆噴射小説大賞に投稿したヤツである。正確には
・逆噴射小説大賞に投稿した出だし800字
・↑を元にした長編
・↑をさらに叩き台にしたリメイク
である。こんな紆余曲折を経たのはリメイク元をプロットも立てず勢いで書いた結果物語がほとんど瓦解し、その結果モチベーションが出たり引っ込んだりして章と章の間が年単位で空いたりしたためだ。なおリメイク元は現在非公開としている。
カクヨム版は話の流れのほとんどをリメイク元から換骨奪胎しているため意外とすんなり書けたが、しかしほとんど本編とも言っていいプロットがあっても物語に収拾を付けるのがこんなに大変だとは思わなかった。こればかりは実際に長編を書いてみなければ分からない、世に出ている物語というのは全て尊敬に値すると実感する。
なおカクヨム版の続きについてはコンテストの結果に関係なく書きたいとは思っている、思っているが。投稿してからルビの付け方が間違っていたり(タイラダでんさん、ご指摘ありがとうございます)、なぜかコピペされた文章が丸ごと残っていたりと落丁乱丁どころではないことになっており頭を抱えた。

逆噴射小説大賞2023

今回は2次に残ったものの最終選考には落ちていることが先に知らされ、「よっしゃ次行こう次!」と思っていたら「二次選考ピックアップ・コメンタリー」で取り上げられて講評を頂いた。

“選考コメント:冒頭は相当壮大であり、語り口はかっこよく、読ませた。そのうえで後半に始まったのがテンプレ的な「空から降ってきた言葉足らずの少女」ものになっていたのは、いかにも薄味で肩透かし感があった。そうなるとむしろ冒頭の文章のトーンは装飾過多にも思える。文章力自体はしっかりあるので、あとはどう面白い話を提示することができるかだ。”

自分としては前半のクドさが不安だったのだがそこは評価され、後半のフックになるところで落とされた様子。今後は自分の得手不得手を正確に把握していきたい。

今回はここまでです。

甲冑積立金にします。