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子どもには救靴が必要

成長期の子どもに窮屈な靴を履かせることは非常に問題です。今回は足に合わない靴を履いてのトラブル事例と大人の関わり方で子どもの足を守れることをお伝えします。

纏足から学ぶこと

纏足、中国の昔の奇習です。実の母親がその娘の将来を考え足を布で縛り形づくるのですが、始めるのは3歳になる前が良いとされていたそうです。大きくなればなるほど、既に骨格が出来ていて理想の纏足にはなりにくかったようです。

人は13ヶ月ぐらいで歩き始めます。13ヶ月の赤ちゃんの踵まわりの骨は軟骨状態で、大人の足の形態に近づくのは4歳頃とされています。纏足は3歳になる前が良いとされるのは未完成の骨格で柔軟だからこそ出来たので、大きくなれば痛みも強くなり難しかったのだと思います。

1歳児の足のレントゲン写真 中山彰吾@元スポーツ選手の医者:Twitterより

子供の足と靴のこと 大谷知子
連載⑭ 纏足が教えてくれる、子供の足の柔らかさ

バン産商株式会社 リコスタ サイトより

靴をめぐる、女性たちのしたたかな抵抗――纏足から現代のパンプスまで(齋藤あおい)

fashion tech newsより

纏足(てんそく)は、幼児期より足に布を巻かせ、足が大きくならないようにするという、かつて中国で女性に対して行われていた風習をいう。より具体的には、足の親指以外の指を足の裏側へ折り曲げ、布で強く縛ることで足の整形(変形)を行うことを指す。

Wikipediaより

合わない上履きが足のトラブルに

幼稚園の上履きでトラブル、その事例を紹介します。

3歳児:母趾の変形

写真の3歳児が通う幼稚園では自主性を重んじて簡単に履けるスリッポンを指定していました。全国的にも幼稚園でのスリッポン履きは多いと思いますが、実は足に合わせるのが困難な履物です。

特に足の細い子にとっては甲の部分での抑えが効かず靴内部で足が滑ったり脱げたり、甲をピッタリ合わせればつま先の余裕が足りなくなります。靴内で足が滑ってあたれば足趾には大きなストレスがかかります。

スリッポン
この状態で足が前に滑れば足趾に大きなストレス

纏足は3歳までに形づくるのですが、特にこの年代は合わない靴を履いていると足趾は簡単に変形します。しかも足が柔軟で足趾をすくめて履くことができるので痛みを訴えてくれません。

よく店頭で3歳児に「窮屈じゃない、痛くない」と問うてるママを散見しますが、それでOKは非常に危険です。

大人の気づきが子どもの足を守る

幼稚園によっては園で働く看護師さんが、子どもの足を診て靴に問題がないかを保護者に伝えているところもあります。

2歳児の履いていた靴

この2歳児の履いていた靴は明らかにオーバーサイズ、足も細いので靴内部で足が滑らないようダブルベルトタイプに変更、インソールを厚くしてフィットさせました。

このままオーバーサイズの靴を履き続けていたら前滑りで足趾へのストレスは大きくなっていたでしょう。園に勤務する看護師さんが未然に子どもの足を守った好事例です。

子どもに窮靴(窮屈な靴)は薦められません。子どもの足も個性があり千差万別、近くの大人が必要な知識を得て子どもの足と靴を正しく評価することが大事です。そして窮靴ではない救靴を履かせてあげて下さい。

つま先の理想的な隙間

中敷きでのサイズ確認
・ファーストシューズ      つま先の隙間は12㎜ 非荷重(座って)
・14.5㎝以下   3歳位まで  つま先の隙間は10㎜ 荷重(立って)
・15.0㎝~20.5㎝ 7歳位まで  つま先の隙間は12㎜ 荷重(立って)
・21.0㎝以上   7歳以上 つま先の隙間は12~15㎜ 荷重(立って)

【かんのシューズ公式】https://linktr.ee/kent8192

【足と靴と健康協議会】https://fha.gr.jp/search
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