子どもには救靴が必要
成長期の子どもに窮屈な靴を履かせることは非常に問題です。今回は足に合わない靴を履いてのトラブル事例と大人の関わり方で子どもの足を守れることをお伝えします。
纏足から学ぶこと
纏足、中国の昔の奇習です。実の母親がその娘の将来を考え足を布で縛り形づくるのですが、始めるのは3歳になる前が良いとされていたそうです。大きくなればなるほど、既に骨格が出来ていて理想の纏足にはなりにくかったようです。
人は13ヶ月ぐらいで歩き始めます。13ヶ月の赤ちゃんの踵まわりの骨は軟骨状態で、大人の足の形態に近づくのは4歳頃とされています。纏足は3歳になる前が良いとされるのは未完成の骨格で柔軟だからこそ出来たので、大きくなれば痛みも強くなり難しかったのだと思います。
合わない上履きが足のトラブルに
幼稚園の上履きでトラブル、その事例を紹介します。
写真の3歳児が通う幼稚園では自主性を重んじて簡単に履けるスリッポンを指定していました。全国的にも幼稚園でのスリッポン履きは多いと思いますが、実は足に合わせるのが困難な履物です。
特に足の細い子にとっては甲の部分での抑えが効かず靴内部で足が滑ったり脱げたり、甲をピッタリ合わせればつま先の余裕が足りなくなります。靴内で足が滑ってあたれば足趾には大きなストレスがかかります。
纏足は3歳までに形づくるのですが、特にこの年代は合わない靴を履いていると足趾は簡単に変形します。しかも足が柔軟で足趾をすくめて履くことができるので痛みを訴えてくれません。
よく店頭で3歳児に「窮屈じゃない、痛くない」と問うてるママを散見しますが、それでOKは非常に危険です。
大人の気づきが子どもの足を守る
幼稚園によっては園で働く看護師さんが、子どもの足を診て靴に問題がないかを保護者に伝えているところもあります。
この2歳児の履いていた靴は明らかにオーバーサイズ、足も細いので靴内部で足が滑らないようダブルベルトタイプに変更、インソールを厚くしてフィットさせました。
このままオーバーサイズの靴を履き続けていたら前滑りで足趾へのストレスは大きくなっていたでしょう。園に勤務する看護師さんが未然に子どもの足を守った好事例です。
子どもに窮靴(窮屈な靴)は薦められません。子どもの足も個性があり千差万別、近くの大人が必要な知識を得て子どもの足と靴を正しく評価することが大事です。そして窮靴ではない救靴を履かせてあげて下さい。