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「社員を幸せにする会社」で経営者やマネージャーはどう幸せになるか?-『性格のいい会社』を社員視点から考える

ミライフ代表のスケさん(佐藤雄佑さん)が書いた『性格のいい会社』という書籍が発売されました!

「採れる・辞めない・成果出る」という三大メリットがある「性格のいい会社」というコンセプトの組織について、その考え方や実務面で必要な要素が盛り込まれた、とても視野が広がる本です。

ミライフ社員として、初稿の段階から読ませていただいたのですが、実はずっと気になっていたことがあります。

それがこのnoteのタイトルの

性格のいい会社=社員を幸せにする会社だとして、その会社で経営者やマネージャーはどうやって幸せになるの?

ということです。

実際「そんな内容も盛り込んでほしいです!」と無邪気に伝えてみたりもしたのですが、全体の筋から外れるからか、そこについては書籍ではあまり触れられておりません。

また、もちろんマネージャーは社員なのですが、この本では「上司が社員の幸せを願う」という方向性があり、「性格のいい会社」をつくるキーマンとして位置づけられています。

一方で、こちらもミライフ役員のみほさんがツイートしていた通りなのですが、幸せの土台を作るどころか「割に合わない」と思って辞めてしまう人も多いわけです。

では、上司(マネージャー)や経営者の幸せは、会社の中でどのように育まれるのか?

そもそも、「社員を幸せにする会社」で「幸せにする側」になるとはどういうことなのか?

そんなテーマを、「性格のいい会社」で働く社員の視点から勝手に考えてみよう!というのか今回のnoteです。

「性格のいい会社」の経営者は大変そう

まず真っ先に思うのがこれです笑。

書籍にも随所に出てくるのですが、「性格のいい会社」の経営者には色々なことが求められます。

・「信じて待つ」姿勢
・業務だけでなく生活(プライベート)まで好影響を与える組織作り
・会社の長期ビジョンと短期ビジョンの接続
・同じ想いで組織運営できるマネージャーの育成
・結果の質より関係の質を優先すること

もちろん、書籍に出ないことでも、沢山のことを実行されています。

・会社の経営(資金面・制度面)
・一プレイヤーとしての利益貢献(しかもトップクラス)
・社員との定期目標設定
・新規事業の創造・推進
・本を出す(めっちゃ大変らしい)
・大学での講師
・その他、会社で起こるあらゆる課題の対応・・・

その上で、スケさん自身の生活ももちろん大切なので、お子さんの習い事の送迎や、晩ご飯づくりまで行われているのですが、正直に言って「この人、本当に同じ1日24時間で生きてるのか!?」「5人ぐらいいるんじゃないか!?」と思うことがあります。

こうした感覚は、優秀なビジネスパーソンに対して感じたことがある人も多いと思うのですが、まさにその「優秀なビジネスパーソンが優秀な経営者」をやっておられる、という感じで、かつそれが「社員の幸せを実現すべく経営してくれている」わけです。

社員からしたら有難いことこの上ないものの、「性格のいい会社」がそんな一握りの人にしかできないコンセプトだとしたら、「偶然いい会社に出会えてよかったね」としかならないですよね。

「性格のいい会社」を必然にするためには?

『性格のいい会社』というコンセプトは、成果が出る組織作りをヒトの観点から構造的に説明するものです。

そうであれば、たまたま「性格のいい会社ができた」とか、「志と実行力を兼ね備えた経営者だけがそのような会社を作れる」だと、説得力が欠けてしまいます。

もっと言えば、仮に経営者やマネージャーが「性格のいい会社をつくろう!」と思い立ったとしても、その思いが薄れてしまい「やっぱりしっかり管理しないとダメだな」となってしまっては元も子もないですよね。

そうだとすれば、「性格のいい会社」作りは上から下に流れていくだけのものではなく、社員の側からマネージャーや経営者に対して

この会社を「性格のいい会社」にし続けてやろう!
自分が会社を立ち上げるなら/マネージャーになるなら、社員や部下を幸せにするような場所にしなくては!

と思い続けられるような働きかけが必要なのだと思うのです。

もちろん働きかけといっても、直接何かを言ったりしたりする場面は少ないかもしれません。

どちらかと言えば道徳や倫理の面で、人として気持ちがいいとか、一緒にいて楽しいとか、やりたいことを応援したくなるとか、そういった感覚的な部分も重要になるでしょう。

また、きちんと求める成果を出したり、お客様への価値提供を通じて売上を出すことも、もちろん重要です。

どれだけ経営者としてのスケさんが「社員を幸せにする」という強固な想いを持っていたとしても、実際にいる社員があまりにも非道徳的な人物だったり、一切お客様への価値提供をしようとしない(「できない」なら成長できますが、「しようとしない」だと根本的な変化が必要です)人物ばかりであれば、さすがにその思いを持ち続けるのも難しいと思います。

その意味では、「性格のいい会社」づくりの第一歩は経営者が踏み出すものかもしれませんが、「性格のいい会社」であり続けるためには、社員の側からも組織作りに積極的に関わる必要がありそうです。

「性格のいい会社」は、構造的に「誰もが幸せになる会社」

社員が組織作りに積極的に関わる、というと何だか負担が増えるような話に聞こえますが、ミライフで働いている実感としてはそんなことはありません。

むしろ「こんなに素敵な環境を維持し続けるために、自分にできることをしたい」という気持ちが、自然に湧いてきます。

それは自分だけではなく、いっしょに働くメンバーみんなが同じように話すので、ある程度の一般性があると思われます。

とはいえ、その前提には

・個々人が利他的であり、他の人の幸せや成功をピュアに喜べる
・ネガティブな感情にとらわれすぎず、でも感情的なつながりも大事にする
・自分自身を大事にすることもしっかりと分かっている

といった、幸せに対する感度や自律性の高さが備わっている必要がありそうです。

というのも、周囲の人の幸せを自分ごとにできないと「組織全体が幸せに方向づけられている」ことに意味を見出せませんし、自分を大事にできないと「滅私奉公で気づけば自分だけが無理をしている」という状況に陥ってしまうかもしれません。

つまり、「性格のいい会社」は「社員を幸せにする会社」なのですが、その会社では社員は「性格のいい会社」を存続させようと努力するし、その努力によって幸せな人が増えることにより、他の人の幸せを通じて自分の幸せが強固になり、経営者やマネージャーも幸せであり続ける、という好循環が生まれる環境だ、と言えそうです。

これは「幸せは結局個人の問題だ」という考え方からはなかなか導き出せず、「人は周囲の影響において幸せにも不幸せにもなる」という前提があってこそ、生まれてくるものだと思います。

ちなみに自分自身は、どちらかというと「幸せは個人の問題」派の人間でした。

結局自分の責任は自分にしか取れないのだから、他人を当てにするより自分で何とかした方が良い、とか考えてしまうタイプです。

そんな自分が、家族ができたり周囲の人から支えてもらったりすることで少しずつ変化し、ミライフという「性格のいい会社」に入ったことで、その変化が加速した気さえします。

その意味では、「性格のいい会社」に居ること自体が、他者に開かれた自分になっていく、自己変容につながる体験にもなりそうです。

そして、そんな環境で経営者やマネージャーを務めるということは、幸せの連鎖の起点となり、それを継続する要にもなり、まわりまわってそれが自分の幸せも強固にするという、そんな繋がりの中に身を置くことかもしれません。

そんなことを考えながら、幸せの連鎖が一つの会社の中で完結してしまうのではなく、世の中に「いい会社」を増やしてもっと多くの幸せの連鎖が生まれるように、これからも頑張ろう!と思うのでした。

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