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「市場価値」を越える、キャリアを磨く思考法

こんにちは!ミライフキャリアデザイナーの菅野です。

日々、ビジネスの世界で奮闘されている皆さんと、少し立ち止まって考えてみたいことがあります。

それが、「市場価値」という言葉。

私たちはよく、「市場価値を高めたい!」と思い、社内の異動や転職を考えます。

また、実際に日々面談をさせていただく中での「市場価値を高めるにはどうしたらよいか?」という話をすることがあります。

しかし、それは実は目的ではなく手段である、というのは、言われてみればなんとなく感じることかな、と思います。

では、本当の目的とは、いったい何でしょうか?

色々な答えがあると思いますが、私としてはそれを「意味と生きること」としたい、というのが、今回考えてみたいことです。

以下、この「市場価値は手段であり、意味と生きることが目的である」という思考法が、キャリアを磨くために重要であることを見ていきましょう。


①市場価値は重要だが、それでも手段である

まず、ビジネスパーソンとしての市場価値を高めることは、間違いなく重要です。

例えばプログラミングのスキルや技術を学ぶこと、これまでできなかった商談をまとめ上げられるようになること、マネジメントとして組織を通じて成果を出すことなどは、ビジネス環境で求められる期待に応えるという点で、価値があることです。

しかしこの「期待に応える」という考え方だけでは、どうしても抜け落ちてしまうものがあります。

それが「自分のキャリアや人生において、なぜその期待に応える必要があるか?」という観点です。

もちろん、この観点はある程度期待に応えられることが前提ですので、その実感が得られるまでは必要なスキルを学んだり、経験を積むことが目的になる場面もあるでしょう。

しかし、こうしたスキルや経験を単に市場価値の向上のために学ぶだけだと、いつまで経っても自分で自分のキャリアを築いていくことができません。

もっと言えば、市場価値を高めることはもちろん大変なのですが、ある側面では簡単で、外部や世の中の評価に自分を合わせ続けていくことに終始してしまい、本質的なチャレンジである「自分のキャリアと人生をどのように結びつけるか」という問いと向き合うことができなくなってしまうのです。

そして、この「自分のキャリアと人生を結びつける」ために必要なのが「意味と生きる」という言葉で表現される観点です。

それでは次に、この「意味と生きる」という言葉を、より詳しく考えていきましょう。

②「意味と生きる」ことのキャリアにおける重要性

現代社会において、AIや自動化技術の進化は、多くの仕事に影響を与えています。

よく言われるように、単純作業やルーチンワークは次第にAIによって代替されていく可能性が高くなっていますが、転じて言えばこれは「明確な期待に応えてくれるなら、それが人であれ機械であれAIであれ構わない」ということです。

実際、病気やケガをただ速く治すことが重要であるならば、その相手が医者であれAIであれ問題なく、とにかく「速く治してくれること」がその選択基準になるでしょう。

同じように、市場価値を高め続け、世の中にある期待に応え続けたとしても、その期待が明確であればあるほど、他者やAIなどがその期待を応えてしまう、経済合理性が働きやすくなります。

このような状況の中で私たちは、「価値を重視したキャリア」に注目するだけでなく、自分自身の仕事における「意味を重視したキャリア」の重要性を改めて考える必要があります。

ここでいう「意味」とは、ビジネスにおいて経済的なプラスを生み出すことだけではありません。

むしろ定量化しにくい、社会に対する貢献や周囲の人々の生活の向上、新しいアイデアやサービスの創出など、AIがそのままでは代替しにくい、自分なりの価値を外部に提供することが含まれます。

先ほど病気やケガの話をしましたが、当然私たちが期待することには、病気を治す速さだけではなく、不安や痛みといった感情の苦しさに寄り添い、共感してくれることも含まれるでしょう。

その場合、一人ひとりの患者に寄り添う医師や看護師の役割において、AIでは代替しにくい「人間らしさ」や「思いやり」の重要性が増すことは、十分想像できることだと思います。

(とはいえ、この「人間らしさ」という曖昧な概念についても、AIの補助があることでよりうまく行ったり、デジタル人格がコミュニケーションを取ることで人間よりも適切に対応できる可能性もまた、十分に想像できるのですが。。。)

いずれにせよ、こうした考え方の根底には、「いったい何を自分は世の中に提供したいのか?」という、市場価値=外部の期待に応えるベクトルとは逆方向の、内側から外側に向く矢印が必要です。

そしてこの矢印のもととなるのが「意味と生きる」ことであり、自分にとって大切にしたい物事から、キャリアを考える発想です。

仕事は当然「提供価値」によってつながる環境ですし、むしろそれ以外のつながりが想像できない、という方も居られるかもしれません。

しかし、色々な人や会社を見てみると、その会社に居る意味を多くの人が重視し、それに基づいて結びつくことで、ただ労働力と報酬を交換するのではなく、全人格的に会社や周囲の人と関わることで高い生産性を発揮している環境があることも事実です。

もちろん、仕事で100%の自分を出す必要はないでしょうが、それでも自分を「求められた期待に応え続ける存在」と捉えるか、「意味と生き、その環境で意味を実現している存在」と捉えるかは、人生とキャリアを統合して生きていく上で大きな違いとなります。

(ちなみに前者のように振る舞う場合でも「求められた期待に応え続けることが自分の生きる上で重要な意味を持つ」と捉えている人であれば、後者に属すると考えてよいでしょう。)

そして、人生とキャリアが統合している人、つまり「意味と生きる」ことを実現している人の方が、自身のキャリアの主導権を握り、仕事においても生活においても自発性を持ち、創意工夫を重ねながら、周囲の人や顧客に対して価値を提供する存在であり続けることができます。

このことは、人生の半分以上の時間を占めるキャリアという事象に向き合うにあたって、重要な道標になると思うのです。

③キャリアデザイナーとしての私の提案

ここまでで「市場価値」と「意味と生きる」という言葉を比較しつつ、キャリアを磨くことへの影響について考えてきました。

こうした話を通じて私がキャリアデザイナーとして提案したいのが、「市場価値を高める続けることに疑問を持ったら、その道のプロに相談してみませんか?」ということです。

なぜなら、この「市場価値から意味と生きるへ」という転換は、自分自身の価値観や仕事観の変化にもつながる、大変さを伴うものだからです。

仮に5年間「市場価値を高めよう!」と思ってキャリアを磨いてきた人がいたとして、当然その人の周囲には「市場価値を高めることが重要だ」という考え方の人が多いはずです。

その場合、そもそも「キャリアにおいては様々なスキルや経験を積み重ね、期待に応えられる幅を広げることが大切だ」という前提から物事を考えることになり、その枠外に出ていくことができません。

そして実は、いわゆる「人材エージェント」の中でも、その前提で物事を考えるために、あなたのことを「特定のスキルと経験を持った人」という、抽象的な存在として捉えてしまい、「目の前の〇〇さん」という風に接するという考え方が薄い人も居ます。

(これはその人の問題というよりも、人材紹介というビジネスモデルや成果の出し方といった構造上の問題といえるかもしれません。)

ですので、今回の記事を読んでいただき「市場価値を越えていきたい」と少しでも感じた方は、キャリアコンサルタントや人に向き合うことを強みとしたエージェントの方に、ぜひ自分の今の状況や抱えているもやもやを伝えてみていただきたいのです。

その結果見えてきた方向性が、もしかすると人生を変えるぐらい、大きな意味のある変化につながるかもしれません。

まとめ:意味を大切にすることの真の価値

いかがでしたでしょうか。

言うまでもなく、ビジネス環境は常に変化しています。

かつては高い市場価値を誇った職業やスキルも、時代の流れと共にその重要性を失っていくことがあります。

よく言われる例として、かつてはタイピストや電話交換手といった職業が高いスキルや専門性を持つ仕事として評価されていましたが、現在ではテクノロジーの進化により、これらの仕事はほぼ姿を消しました。

このような事例から学ぶべきことは、「市場価値は一時的なものであり、時代の変化とともに移り変わる」ということです。

だからこそ、私たちは単に市場価値の高いスキルを追求するだけでなく、自分の仕事と生きる意味を接続する方法を考えることが重要です。

それは、技術やトレンドといった外部環境に左右されない、持続可能で充実したキャリアを、より主体的に築くための鍵となるのです。

例えば、あなたがマーケティングの専門家だとしたら、単に集客の増加や売上を上げるための手段を追求するのではなく、どのようにして顧客の生活を豊かにし、社会に貢献できるかを考えることが大切です。

それ自体が、顧客理解の解像度の高さやメッセージングのシャープさ・ユニークさにつながり、結果的に提供価値の向上にもつながるでしょう。

ぜひ、今後の自分のキャリアにおいて何から考える必要があるのかを、考えてみませんか?

そして、その考えをアクションに移すことで、キャリアとライフが共に充実した、「意味と生きる」人生につなげていきましょう!

あなたのキャリアが、単なる市場価値を越えた、深い充実感と満足感をもたらすものであることを願っています。

アクションに迷ったら

さて、ここからは宣伝です!

私が働いているミライフは、人材エージェントではありつつ、キャリアカウンセリングとコンサルティングの両方を重視したアプローチをとっています。

もし「何となく言いたいことは分かったけれど、何からアクションして良いか分からない」という場合は、ぜひ私達と話しましょう。

最後までご覧いただき、本当に有難うございました。

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