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鬼滅の刃こんなはずではなかった編

以前マンガ感想文タグ見て何かしら書くかと思ってたとこから放置してたんですけど久々にnote開いてお題タグ一覧見て「私の推しキャラ」タグに行き着いた時にもうこれは1回ちゃんとしたためとくか……という気持ちになって書いています

アイドル論書いた時に全巻読んだ経緯についてはサックリ書いたんですけど、ホント当初の予定では話題になってるから内容をさらえればそれで良しという感じだったんですよ 義妹がハチャメチャにドハマりしていて会う度に「かんなちゃん鬼滅知ってる?」「かんなちゃん鬼滅だと誰が好き?」「好きな柱誰?」と聞かれ続けていたので、いつまでもいや〜お姉ちゃん鬼滅読んでないからちょっと分からんよ……と答え続けるのもアレだし、義妹と話す話題も欲しいなと思ってたし、2020年末の爆発的無限列車ブームの中、映画もアニメも見たことだしこの先もまあとりあえず読んどくかみたいな、昨年末日本中にハチャメチャいた人間の一人なわけだし(煉獄さん400億マジでマジでマジでおめでとうございます🚂🔥🔥🔥)、世間的なブームの火が落ち着いてきたら私の気持ちも落ち着くはずだったんですけど(過去形)

おそらく2021年に入ってからというもの世間のジャンプ漫画の流行は呪術廻戦にシフトしてるだろうし、アニメ遊郭編が始まればまた盛り上がるかもしれないが劇場公開も終わり円盤も発売されまああまりにも爆発的ヒットすぎてちょっとお腹いっぱいだよね原作も完結しちゃったしね……みたいな空気感が緩く漂っている中、23冊一気読みして半年以上経っても未だに全然成仏(成仏とは?)出来ずにいるのであった  人生でもかなり上位にランクインするこんなはずではなかった状態です。

これという推しが定まらないしウーンやっぱり炭治郎くんかなあ☺️炭治郎見てると元気になるんよね☺️とにこやかに言ってた時期の私(1〜5巻くらい読んでた時)に戻してほしい(勿論炭治郎くんのことは超大好きです)(でももう好きとか推しとかの尺度で測るというよりちょっとその域から昇華されて神様とか崇拝の域に片足踏み入れてる感すらあるよな彼は……)
そりゃまあ前半時点でこの漫画めちゃくちゃ面白いけどこれという推しが定まらないナ〜〜と思ってたのも当然なんですよね 何せ前半見せ場がねえからまだ前半を読んでた頃のお前は人生狂わせ柱に出会ってないしね。 合掌。

ということで優に半年以上不死川実弥に狂っている計算になる。狂っているとしか言い様のない状態にある。

いや困る………………
半年ずっと困るしか言ってない。実際困っているので

なにせ夢中で読んでいて話を追うのに必死だったので21巻179話を読んでいる時点ではとにかく続きを読みたい一心だったのだが23巻ラストまで読んだのちにじわじわ心に刺さってきてベッドに突っ伏して小一時間泣き、その後1週間くらい寝ても覚めても状態になりしばらく地に足がつかなくなり、そのまま年が明け2月のファンブックで新情報を得て泣き(ファンブックで泣くことあるか?)、そんな感じで2021年上半期が終わろうとしていますが、何これ……?
私もオタク人生長いのでよく知ってるけど、好きになる予定がなかった奴のこと好きになった時が一番どうしようもないんですよね。そうだね……。

私は食生活まで左右されるタイプの女なので4月入社の後輩にゆずもとさんは抹茶が好きなんですよね!と言われたりしていますが(確かに昔から抹茶味は大好きだけれども)、それは好きな男の好物ですね
今年に入ってから結構な勢いで職場の机に緑色の何かが常備されているのでまあその印象も致し方ないかなと思う

現時点のアニメ範囲(〜8巻)では彼を擁護できるポイントが何一つと言っていいほどないので(敬語が綺麗なところくらいかな………………)、ゆるくアニメのみ見てる方に「なんでその男を……?」という不審な白い目を向けられることは織り込み済どころか大半の人から見たらそうだろうくらいの心構えでいるのに、あまりにジャンル規模がデカすぎて原作読んでる人・読んでないけど周りが好きだから何となく終盤の展開を知ってる人が多くて推しを表明した時大体の人はあ〜なるほどねという顔で聞いてくれることと(この作品において後半知ってると知らないとであそこまで印象変わる人もいないと思うので……)、あと刀鍛冶編から本編に絡んでくるものの本格的な見せ場と呼べるのは無限城編以降なことだけが救い(?)です  良かったよホント……今すぐアニメ化してたら消化しきれなかったので ハイカロリーすぎて…………。

推しの出番が楽しみ☺️🎶よりも「勿論最後の最後までアニメ化はしてほしいが本格的にスポットライトが当たる日が怖い(※受け止められない勢いで物凄い大きい感情の波が来るから)」が勝ってる辺りにどうしようもなさが漂っている  こちとら本当にかなりの心の準備が要るのでゆっくりアニメ作ってもらって大丈夫です。急がないでくれ。

何なんだろう本当に どこから……? 何がきっかけだったのか どの段階で陥落していたのか そもそも声がハチャメチャ好きというか10年前にも同様に銀髪の関智一に人生を狂わされているので(※BASARAの三成)、声…………というのも勿論あるんですけどアニメきっかけでハマってない(※柱合会議は原作読んだ後に見た)ということは、声の情報はただ私にブーストをかけたのみなんですよね。全巻読んで読み終わったらいつの間にか脳ジャックされていたような気もする 
いや怖〜〜〜〜…………

10年で一周して原点に戻ってくるの怖い やめたい 半年間狂ってたらどう考えてももう今更後戻りがきかん 
あらゆる属性がオタク人生の集大成な感じがあって本当に頭を抱えています。困る(再)

(※原作後半ネタバレ👇🏻)


オタクの話を聞いていると推し必ず死ぬ芸人たち(死神の皆さん)の話をよく耳にするけれども、私はその逆というか、言ってみれば推し生き残る芸人なのである。推しが死なないというか「自分だけ生き残ってしまう」ポジションに弱いというか、大事な人を失って苦しみながらもぼろぼろになりながらも立ち上がって足引きずってでも歯を食いしばって前に踏み出してそこから歩き出す人が好きなのだが、卵が先か鶏が先かみたいな話で推しが生き残ってるから好き加算がつくのかそういう性格の奴を推しているとなんか生き残ってしまうのか、とにかく「華々しい散り際」を与えてもらえない子に滅法弱い。好きな子の死に目は勿論ショッキングなものだけど、(特にこの作品においては)死=絶望なのかと言われるとそうではないよなという感想が初期からあって、基本的に鬼滅の刃という作品における天国とはめちゃくちゃ幸せで安らかな場所だし(キツい漫画だから幸せな天国に行ってないとマジで報われんみたいなところはあるんですが……。)  早くに亡くした家族と再会して笑顔で手を取り合って歩いていくとかあるいは泣きながら抱き合うとかそういうシーンが各所に入ってくるので(鬼ですら)(鬼ですら……)人が死んでも天国の描写が優しいので心底絶望することがないみたいなところはあるんですけど、だからこそ遺されること、置いていかれることの重みがとんでもない作品だなと思う まあ遺される痛みみたいな点においては不死川に限ったことではなく冨岡もそうなんですが…………。

冨岡しかり不死川然り、ワニ先生(原作者)にものっそい愛されていることはハチャメチャ伝わってくるけれども、お気に入りを贔屓していい思いをさせるどころか  どう考えても可愛い子ほど千尋の谷から突き落として不幸属性を盛っちゃうタイプの作風なので「一体何がどうしたらここまで立て続けにありとあらゆる不幸が?」みたいなえげつねえ属性がどんどん増し増しに積み上がっていったわけだが、かくいう私も不幸属性に弱いので「不幸属性盛り盛りだから好きなのか好きな奴が次々と不幸を盛り盛りにされているのか」という卵が先か鶏が先かムーブがまた発生している……。いや〜〜しかし率直に申し上げるともし途中で死んでたらここまで好きになってなかったかもしれないですね……………………業………………。

結局彼の何がここまで深く刺さっているかって、初めの印象がハチャメチャ極悪だったからこそ(言い方)、実際蓋を開けて内面を見てみれば普通に21歳の青年だったんだよなという点なんだよなと思う。家族想いで甘いものと動物が好きで、ぶっきらぼうで素直に感情表現する方ではないけど年下の女の子にも優しくできて、運動神経が良くて、辛い時は素直に涙を流すし人並みに笑顔も見せるし、一見一匹狼っぽいというか刺々しくて人当たりが悪そうに見えるけど実際蓋を開けたら思ったより周囲に馴染んでるというか、仲のいい友人も頼れる先輩も憧れの女の子も近くにいたわけで、もし環境さえ違えば全然違う人生があったんだろうな……と思わせてくれる普通の男の子だったんだよな、という点が猛烈に心に来ている。あの環境でさえなければ  家族を失うこともなく親友を失うこともなく普通の人生を歩めていれば……でも自分の人生が不幸だとは思ってないんでしょ……(布団の中で頭を抱える絵文字)

玄弥くんは兄ちゃんと離れてる期間が長かったのでその間積もり積もった想いの結果玄弥くんにお兄ちゃんフィルターが結構強めにかかっていたことは否めませんけど、玄弥くんの兄ちゃん評が私はすごく好きで(自分の推しでの話しながらいやそんなにも褒めるか!?そこまで言う!?みたいな気持ちはありますが)、全てを乗り越えてようやく肩の力が抜けて表情が柔らかくなって、だんだん本来の彼に戻りつつあるのかな、これが本来の彼なのかなみたいな穏やかな顔が見え隠れする終盤の展開、あ〜〜玄弥くんの評する誰よりも優しいお兄ちゃんってこれのことか〜〜という納得もあり、一夜にして大事にしていたものを片っ端から全部無くした彼はもうそこで心がバキバキに折れて立ち直れなくなってしまっても仕方ないくらいのショックは受けただろうに  そこからもう一度立ち上がってしっかりと生きる道を選んでくれたことが私は大変に尊いことだなと思いながら23巻204話をいつも読み返しているわけです  

思えば彼はものすごく泥臭い生き方をしていて、壁にぶつかって一度折れてそこからまた立ち上がって歩き出してまた壁にぶつかって折れてまた立ち上がって壁にぶつかって……という(※前述の不幸属性盛り盛り案件) 、「挫折」くらいならまだ良いんですけど「壁」のターンが来る度に毎回毎回毎回彼の周りの大事な人が一人また一人とどんどんいなくなっていく中生き延びてどんどん立場が上になって、という本当にいつ折れても致し方ないような人生歩んできて(そりゃあ心も荒みますよ)、それでも何度でも立ち上がって前に向かって歩いている姿が好き。おそらく私はこの「泥臭さ」というものがやたら好き。
そりゃあ実弥の生き方が最善だったか、正しかったか、と言われるとそれは違うと思うんですけど、彼なりにひたすらに頑張って、守りたいものを守るために色んなものを犠牲にして、自分のことも犠牲にしながら、誰にどう思われてもいいと嫌われ役を買って出て必死に生きてきたこと、そうしてストイックに積み重ねていった努力があの夜明けの勝利を導いたわけで 辛勝ではあったけれども あのストイックさがなければ勝てるわけがなかった 
どんなに辛いことがあっても生きることだけは手放さなかった姿が私はどうしようもなく好きだ……

漫画だとよく 強いキャラクターがみんなの心の支柱になってしまいすぎるせいで、ヒロアカのお茶子ちゃんが言う「ヒーローが辛い時は誰がヒーローを助けるんだろう」状態を生みがちなんですが、私にとっていちばん嬉しかったのは年長組の悲鳴嶼宇髄が後輩たちの危なっかしさだったり子供っぽかったり、年相応の顔とか普通の男の子としての素の顔をちゃんと見抜いていてくれたところなんだよね 優しいお兄さんに囲まれてやってけてたんやなあ
本編途中までは彼を突き動かしていた原動力が怒りとか憎しみとか殺意とかそっちだったんだろうけど最終決戦が終わったあとはどこにも斬るものはないから今までみたいに怒りを原動力にすることはできないのにいくつもの喪失を抱えたわけで、それでも生きていくんだね……という そのしたたかさが本当に好きだ……。

感情が重い

ちなみにですがいわゆる鬱漫画みたいなやつを読むと気持ちが落ち込むんじゃないか、辛い日常の中でさらに辛い創作物を摂取するのは社会人的にエネルギー消費が大きすぎるんじゃないかみたいな話はよく聞きますが、私の場合は23冊一気読みのあとしばらくはどんなに仕事が立て込んで大変だろうが世界にフィルターがかかってる感じで自分の辛さが半分くらいになっていた気がするし、ファンブック発売後は丁度PMS時期の落ち込みと重なって電子書籍を開いては部屋で泣き風呂でまた不死川くんのことを考えて浴槽で泣きみたいな生活を送っていたけど、その間自分の仕事や人間関係の辛さとか自分ってダメだみたいなところに意識を向けることなくひたすら他人(※非実在)のことを考えたらいつの間にか時が経っていて実世界の辛さについて深く考えることなく過ぎ去っていたのでめちゃくちゃ精神によかったです 人生救われとるやん よかったね

正直好きになりたくなかったけどここまで夢中になれるってんなら好きになって良かったんだと思います。アンビバレント。


それはそれとしてこれだけの熱量をもって不死川実弥の人生について考えている時に関智一の演技(絶大な信頼)でアレをぶつけられると消化不良を起こしそうなので無限城編がアニメになるのが怖い  ゆっくり作ってもらったのでいいです。何卒よろしくお願いします。草草。








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