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大臺 序乃壱

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此のお話は日本が嫌いな日本人へ…。  日本を愚かと思う日本人へ…。  日本が貧しい国であったと思う日本人へ…。  日本人として誇りを持てぬ日本人へ届ける物語。  此れは我等が…
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2021年9月の記事一覧

大臺神楽闇夜 1章 倭 3高天原の惨劇1

大臺神楽闇夜 1章 倭 3高天原の惨劇1

三佳貞が迂駕耶に到着したのは倭人襲来から二月目の事である。小舟に乗ってエッチラホッホ…。何とか生き延びた三佳貞はボロボロである。海岸に着き、砂浜に足を踏み入れるやそのまま倒れ込んでしまった。其れを見つけたのは八重の兵であり、看病をしたのは陰三子の樹寐恵(きぬえ)だった。三佳貞は三日三晩眠り続け四日目の朝に目を覚ました。
 見慣れぬ天井に三佳貞は戸惑った。自分が何をしていたのか、此処が何処なのか分か

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大臺神楽闇夜 1章 倭 2襲来6

大臺神楽闇夜 1章 倭 2襲来6

 時は少し戻り倭族の船が進路を高天原に向ける少し前…。三佳貞達は無事帥升が乗船している船に辿り着いていた。
「ちょ…。ちょっと休憩じゃぁ。」
 外板に鉤爪を引っ掛け音義姉はグッタリである。
「分かっておる…。我も限界じゃか。」
 外板にしがみつきながら眞姫那が言う。
「二人ともだら…。 うげ !」
 波がドンブラコッコと三佳貞の口に入る。
「これこれ、既に力尽きておるんは三佳貞じゃか。」
 ゲンナ

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