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2022年03月に読んだ本

『線は、僕を描く』

おもしろかった! 両親を交通事故で亡くし、死んだように生きている主人公が、水墨画と出会って生きることを取り戻していく。人生の大きな喪失がうみだした空白の心あってのものだとは思うけど、こんなに無邪気に何かを始められるのって羨ましい。

著者が水墨画家とのことで、水墨画の世界を深く覗いた気持ちになれる作品。随所に出てくる墨の香りの描写が瑞々しくて、懐かしくなる。


『対岸の家事』

ワンオペ育児や仕事と育児の両立、専業主婦がテーマの小説は、心に埋まった地雷にふれるからまり読めないのだけど、この本はよかった。癒された。

人生の穴に落ちかけたときに手を差し伸べられた体験をペイフォワードしていく。誰もが穴に落ちうることを忘れずに、自分で選びとって人生を主体的に生きる主人公のしなやかさが素敵。


『わたしのいないテーブルで』

「デフ・ヴォイス」シリーズ・4作目。

聴覚障害のある女性がコロナ禍で自宅に戻り、母親を包丁で刺してしまった事件を題材にした話。そこにいるけど、いない。家族同士のコミュニケーションから阻害されるとはどういことか、身に迫る思い。コロナ禍のドキュメンタリー的小説になっていて、LINEで手話を送りあう場面が興味深い。



『PIXER』

PIXER作品が大好きなので読んでみた。トイストーリーのコンセプトができたばかりでジョブズの懐資金でなんとか事業を維持していた時代から始まる、財務責任者の視点から見たPIXERの歴史。PIXERの強みである企業文化を維持しつつ、ディズニーとの関係性を再構築して、どうやって収益を上げていくか、苦難の過程が描かれている。


『入門 米中経済戦争』

コロナ禍やウクライナ情勢の影響で、世界に目が向くようになってきた今日この頃。経済や世界史に疎い私でも読めそうな本を読みたくて手に取ってみた。

米中経済戦争は単なる貿易収支の問題にとどまらず、今後の世界経済の覇権をどちらがとるかで争っている。その鍵となるのがハイテク産業。現段階では国の体制面で中国が有利に見えるけど、長期的に見ると自由経済のメリットのほうが産業の成長に有意に働くのではないかとの予想だった。


『弱者の戦術』

アウトドアなどのレジャーアクティビティをマッチングする企業・アソビューが、コロナ禍をどう乗り越えてきたかが書かれている。「遊び」をテーマにする企業の話や、平時の常識は有事の非常識だという話が興味深かった。

文字のみのシンプルな表紙が目に飛びこんできて、目次を見たら「キングダム」があったから読んでみたのだけど、なかなかおもしろかった。


『読書のバリアフリー』

目が見えない人は文字を読めない。手が不自由な人はページをめくれない。ディスレクシアだと文字を読むのに困難がある。

このパンフレットでは、すべての本を障害の有無に関わらず読めるようにしていくために、使えるバリアフリー図書が紹介されている。本の話にとどまらず、自治体や出版社、各図書館に期待されることも書かれてあっていい。サイトからダウンロードして読めるので、ぜひご一読あれ。

どんな人でも読書を楽しめる世界になっていくといいな。


『クジラのおなかに入ったら』

生き物系のライトなノンフィクション、もっと読んでみたい。


『月曜断食』

この1年、引っ越しからの自粛、骨折を経て体重が増えてしまったので、手に取ってみた。3回目の月曜断食を経て、体重が−3.5kg。

月曜日は水のみ、火〜金曜は健康的な食事、土日は好きなものを食べるスケジュール。胃腸が疲れていたのか、1回目の断食からすごく体が軽くなって心地よかった。多少ルールを破っても、量さえ意識しておけば体重が減っていくのがすごい。


『月曜断食やってみたらスルッとやせました。』

ここ1年で増えてしまった分が減らせて、月曜断食へのモチベーションもしぼんできてしまい……。まだ自分のベスト体重には届いてないので、やる気を出したくて読んでみた1冊。

同じような状況で挫折しそうになって、それを乗り越えている人のエピソードを読めるは心強い。焦らず粛々と取り組んでいこうという気持ちになれた。


『カバーいらないですよね』

先月読んだ『本屋の堀ちゃん』の前作。

クレーマーの話すら読んでいてほっこりしてしまう絵柄の癒し力がとてつもない。本屋さんって大変なのねと思う一方、読むほど本屋さんに行きたくなる。そして、エプロンの色の塗り方がとっても好み。


『生理中です』

娘が保健の宿題で第二次性徴を学んでいたので、読んでみたらいいかなと図書館で借りてみた。分厚いけど、コミックエッセイっぽいライトな読み口で絵柄も可愛く、内容も濃い。女子はもちろん、男子や娘がいる父にもオススメしたい良書。

「授業では習わない詳細が書かれてあって、家に置いておきたい」と言うので、買うことにする。


『合本版 スーパーリアル色鉛筆』

1つの絵が完成するまでの過程が細かく説明されていて、各段階のBefore→Afterを見比べていくだけで感動する。実用書としてなかなかいい作りの本。第4章で作品がまとめられていて、うっとり眺めていられるのもいい。



▼ 先月読んだ本

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