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水泳ってできた方がいいのかな?そんな疑問が確信に変わる!『子どもに必要な能力はすべて水泳で身につく』

学校のプールの老朽化や教員の負担などから、「水泳って授業で必要?」という問題提起を、ちょくちょく耳にするようになりました。
学校で必要かどうかはおいておいて、子どもに水泳は必要!と明言している書籍があります。

著者の菅原優氏は、水泳選手と水泳指導者の顔を持つ、水泳のプロ。
そんな菅原氏が、「水泳の教育的価値」に気づいてほしいという願いを込めて書いたのが、本書です。

CHAPTER1で菅原氏は、水泳は子どもの身体ばかりか、精神も成長させると書いています。

身体的には、インナーマッスル・心肺機能・免疫力・体力など。
精神的には、忍耐力・メタ認知能力・自己肯定感・集中力・自己責任で考える力など。

本当?と疑いたくなるほどいろんな力が列挙されていますが、菅原氏はこれらに全部、はっきりとした根拠を示しています。

例えば集中力を伸ばせる理由は、次の通り。

水泳で「集中力」が伸ばせる理由は、水中という特殊な環境が大きく関係しています。
外からの情報が遮断されている水の中では、自然と意識が自分の身体に向いていき、マインドフルネスや瞑想状態に近くなり、集中力が研ぎ澄まされます。このような集中の状態を感覚で掴んでおくと、日常でも集中モードに切り替えるのが容易になります。

25ページより

こんなふうに、紹介される内容は菅原氏の経験と知識に裏打ちされているので、納得感をもって学べます。

お子さんがうまく泳げないとか、水を怖がるといったお悩みにも本書は対応。
泳ぎ方は、呼吸法からクロールまで。
水を怖がる子には、水慣れをするところから、水に浮いて体を前進させるけのびまで。
対象年齢やレベルを踏まえながら、ステップバイステップに説明されています。

素人が読んでも、○○だから××すると書かれているので、理論的に理解できるうえ、豊富に添えられたイラストのおかげでイメージしやすく、子どもにも教えやすい構成です。
チェックポイントが細かく示されているのも嬉しいですね。

水泳そのもの以外にも、子どもの褒め方、習い事への向き合い方、水難事故の対処法、海や河川で遊ぶときの注意点などなどなど、「なんの本を読んでいるんだっけ?」と思ってしまうほど、もりだくさんの本書。
読み終えたときには、まるで水泳の指南書と育児書を並行して読んでいたかのような充足感があります。

本書のもう一つのテーマは、「お父さんとお母さんに、子どもと一緒にプールに行ってもらうこと」なのだそうです。
幼児でもできるような親子遊びも紹介されています。
夏本番、レジャーと教育を兼ねて、親子でプールを楽しんでくださいね!

(文=安岐はづき)


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