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青春

僕は昔、青色とか水色が好きだった。
空の色だったり、海の色が好きだった。
中学に入学した時、ジャージの色が水色だったのもすごくお気に入りだった。

でも、中学二年生の冬、青や水色よりも好きな色ができた。
その時の出来事を書こうと思う。とっても短い話だけど。

中学生の僕は、ファッションにとても疎かったと思う。だから、服の色とかはだいたい好きな色、青か水色が入っていればそれでいいと思っていた。

体育祭や合唱コンクールが終われば、みんなと一緒に打ち上げをするんだけど、みんなの服装はいつもおしゃれで、その人の特徴に合った色で構成されていた。いつも、羨ましいと思っていた。

自分の服装を見てみる。青や水色は好きだけど、自分に合っているかといえば、全然合ってはいなかった。いや、正確には、合ってるのかすらわからなかった。

そこで僕はクラスの友達に、自分に合う色を聞いて回った。

だいたいの人は、
「わからないなぁ」って言う人が多かった。
僕が「青とか好きなんだよね〜」というと
「たしかに、合ってると思う!」と、言うけれどいまいち納得できない。

ある程度、友達に聞いたあと、
当時、好きだった女の子に「何色が合うと思う?」と、聞いてみた。
この子がもし『青』と答えれば、今まで納得しなかったものに納得し、自分は青色が似合うと、自信が持てたと思う。だから、心のどこかで、『青』と答えて欲しかったんだと、今思う。

「うーん…緑かな?」

え…緑?

自分には、到底似合わない色だと思っていた。
その子がそう答えると、みんなは
「あー!たしかに緑だ!」
「青より緑の方が合うと思う!」
と言っていた。
雷に打たれた気分だった。衝撃だった。

その後、母に服や靴などを買ってもらう時、緑色が入っているものを選んで、身につけてみた。

自分でもびっくりするくらい似合ってると思った。ファッションなんて全然わからないけど。

さすが、僕の好きな子。

その後、現在は大学も卒業し、就職したが
今でも、何かしら緑色のものがそばにある。
服、靴、筆箱、ネックレス、などなど…。

その子とは、中学の頃に付き合って、すぐ別れてしまったけど、
今でも緑色を見ると、その子を思い出してしまう。



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