三日月鬼雷舞~第五章~(松山一族物語)
3人は越後と陸奥の境となる御神楽岳より漂う異様な瘴気、
猛烈な血生臭さを感知した事を受け、
この越後山脈に連なる豊かな山へと向かった。
異界に在って現世を観る松山家では、
人間には見通せぬ気や波動と言ったものも感じ取る事が出来た。
そしてこの鬼の潜む御神楽岳から漂っていたのは、
この上のない憎悪・この世の全てを忌み嫌い続ける呪詛。
もはや留まるところを知らぬ殺意そのものであったと言う。
それは道の鋭い第六感にも大いに訴えてきた。
「篁殿、河内殿……この戦、拙僧の命に代えても勝