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暇すぎて短歌を詠みまくっていた話②

という経緯で、短歌を4月下旬~6月あたりまでバカスカ詠んでいたので、とりあえず記録してきます。

・あの頃の記憶.zipをひらくとき、すべて展開できずに終わる

・イヤフォンをちぎるように外しても鳴り止むことのない音楽は

・バスタブのお湯に涙が落ちるまで涙の形はたしかに丸い

・国産のアジが意外と不味いのでマグロの赤を守り抜く夜

・母親の匂いを噛んで笑ってる赤ちゃんがいる総武本線

・夢の中ニットを着てる熊に遭う死んだフリして毛玉見つめる

・ああ寿司を肺の中まで詰めこんで球体になり死んでいきたい

・「かわいい」を煮詰めたジャムのようなもの触れたらたぶん火傷するもの

・たらちねの母に連れられ教室に《ソナチネ》を弾く 変ロ長調

・しあわせに死んでほしくてアリの巣にファンタグレープ丸ごとそそぐ

・浴槽の深さに比例していると噂に聞いたことがある 愛

・包丁と鉈と金属バットなら迷わず鉈を選んでしまう

・アイライン失敗した日はいつもより「好き?」と多めに尋ねてしまう

・藤子・F・不二雄の描いた未来にも存在しない斬新な猫

・「おっぱいはいかがですか」と客を呼ぶおじさんのいる最寄りへ帰る

・ほんものの白石麻衣だ(眼球の白目の部分がすんごく白い)

・おっちゃんが競馬新聞広げては歯の無い隙間ですするベローチェ

・アウン=サン=スーチーよりも義理堅い君が毎年くれる義理チョコ

・得意げに「ルワンダ愛国戦線」と言ったあなたが負けるしりとり

・砂以上小石未満のかたまりが靴先のとこくすぐっている

・駄菓子屋で悪ぶりたがる良い子たち「ラムネ」のことを「大麻」って呼ぶ

・した後の余韻の海を泳いでる愛しい温度で死んでしまいたい

・炬燵から出れなくなった3人のうちの誰かが犯人の回

・日本語と英語字幕を切り替えてバイリンガルの気分味わう

・6月へ「さよなら」を言うべきなのか迷ってしまうくらいに太陽

・期限切れ三年過ぎたコーヒーのどこかの遺跡みたいな香り

・断面のかっこいいのを見せるには痛い思いをするしかないか

・こんなものアイスモナカに挟まれたチョコの美味さに比べたら無味

・目の下にメンソレータム塗る癖をキモいよやめなと言えないでいる

・バンクシーに生まれたかったと呟いた老婆の前世は鳥であった。

・タオル地に糸くずたちが発芽する 春を感じて目覚めたのか

・神っぽい風体をしたあのひとを地元の人はみんな無視する

・割れている爪を悲しむときだけは私は私のことが好きです

・新宿の、珈琲西部の、ビロードの、ソファーの赤と、溶け合うわたし

・適切な表現により殺された感情たちの墓場に向かう

・ラリアットロメロ・スペシャル地獄突き君と本気で殺し合いたい

・むすんでもひらいてみても何もないぼくの手のひら太陽に透けろ

・ぴかぴかのデコメが腐り、肉となり血となりやがて死んでいくこと。

・廊下から渡り廊下へ移るときわたし季節をたしかめている

・しわしわの豆をすぐさま捨てられぬメンデルさんは優しいひとだ

・手が二つだけしかなくて私まだ君の不幸を掬えずにいる

・歩道橋 自分が使っていいものじゃないと思っている小学生

・動脈と静脈のようグルグルと絡まりおどるテツandトモ

・関節をペキペキ鳴らし威嚇して暗い夜道を1人で帰る

・眼球にミラーボールが映ってる君に味噌汁作ってあげたい

・ぬるぬるのカウンター席に突っ伏して覚悟を持って眠る日もある

・《均等に三角食べをしてもなお余ったご飯》に似ている僕ら

・確信が近づいてくる。これたぶん、『おしりかじり虫』のイントロじゃない?

・バーミヤンジョナサンガストしゃぶ葉がある街にしか住んだことない

・照るひとがいるのだこんな私にも コートの下がダサくても、いい。

・ほしいとか なりたいじゃなく永遠を 冷蔵室の桃にあげたい

・羊羹をザクリと切った母親を夕陽が吸いこむ指先がひかる

・不審者にパンツの色を聞かれたらどう答えれば?という色味の

・3時間かけて作ったフィナンシェを君が咀嚼する3.5秒

・ヘソだって綺麗な形じゃないか 自分を褒める最後の方法

・下り坂ゆずの「夏色」思い出し真似して走るひとりぽっちで

・パンに塗る(かつては虎でその虎はかつて李朝で)みたいなバター

・実はこれ反町隆史モデルだとあなたが自慢するサングラス

・第一種運転免許とりたてでいきなりそんなサングラス買う?

・魚釣り手持ち無沙汰でそれとなく隣のジジイの寿命予想す

・プリンセス気質な生徒が「がっこうでやっていますの」と言う割り算

・一昨日のLINEの既読とスタンプに見るあなたの非実在性

・ひび割れたクリーム色の団地から滲むささやかな暴力の香り

・青色でこの地球はできている たとえば君の指先のブルー

・山折りでつくったハートの裏面にばらぐみの子のよだれが光る

・星を背に始発電車を待っている アイスクリームを分け合いながら

・クーラーを浴びてひんやり横たわり気づけば味のですぎた麦茶

・可食部はパリコレスーパーモデルより私のほうが多いはずです。

・好きすぎてつらいのだから花びらの終わりが「きらい」でありますように

・ペガサスはわたしにとても優しくて、翼のなかで殺してくれる

・「ヤンマガ」を毎週買ってる君が読むわたしのあげたノルウェイの森

・玉葱が形なくしていくさまをじっと見つめる 今日は仏滅

・うめぼしになって真っ赤な幸せのなかにどっぷり漬かってみたい

・原付の後ろの荷台で様々な軋轢とかを持ってってくれた

・西友で大きくあくびをしたひとと目が合う恋に落ちることはない

・あいうえお順に並んだ印鑑のなかに浮き立つ君の名字が

・いい人と言われてばかりいる君は生きるのが少し不器用なだけ


以上です!!
これでも全てではないので、意外と数があったな〜って感じです。質より量ですね。だんだん、「愛」とか「死」とかいう単語いれると、調味料みたいな感じで味がキマりやすいことに気づいて意図的に用いている時期とかがあり、自分でもズルっぽいなって思いました。
7月23日現時点ではバイトが再開して少し忙しくなったのと若干飽きたので、そこまで毎日は詠んでませんが、普通に楽しかったし、趣味として良いものだったのでやってよかったという気持ちだけがありました。

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