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自分が色々な事に手を出し続ける理由


・前書き

自分は一人の人間に過ぎませんが、自分を人に説明するときには多くの肩書があります。
WONKのベーシスト、ミキシングエンジニア、ゲームサウンドデザイナー、作曲家、編曲家、音楽家、音楽レーベル経営者、会社役員、会社員、ギタリスト、レコーディングエンジニアなどなど。
趣味もかなり多岐にわたっており、ゲーム、アニメ、映画、料理、3Dプリンターでのものづくり、鋳造でアクセサリー作り、3DCG、最近ではインスタのフィルターを作ってみたり、YouTubeも始め、長年遠ざけていたカメラの沼にもはまりかけ、そしてnoteに文章も書いています。

周囲からも「一体何を目指しているのか」と多々言われるのですが、これは自分のどうにも変われない性格と向き合った結果考え出したライフハックの一つなのです。

飽き性でそそっかしく、平常は注意力散漫のくせに何かに集中し始めると周りが見えなくなりがちで凝り性、そして物作りが好きな自分の人生を、ストレスなくいい感じにするために考えていることについて、今日は書いてみます。


・注意力散漫な自分と楽器の練習

自分は、幼い頃から授業中に席に座ってられずに教室内をうろちょろするような落ち着きのない子供でした。小学校の通信簿にもはっきりと「落ち着きがない」と書かれていたことを覚えています。集中力がないわけではないが、瞬間的にしか集中できず、普段は注意力散漫と評価されていました。そんな性格は今の今まで全く変わっていないという実感があります。実際に今でも財布や携帯、その他色々なものをすぐ無くしたり、色々な締め切りや予定を忘れるなど注意力のなさを実感しながら何とか生きてます。
そんな性格からか、意識的に一つのことに集中し続けるということが苦手で、様々な場面で壁にぶつかってきました。例えば楽器の練習。気分が乗らないと十分も練習していられないわけです。それはモチベーションが低かったりベースや音楽が嫌いだからではなく、ずっと同じ場所に座っていられないとか、次々と別のことが頭に浮かんで集中できないという感じなのです。一方で、周りの素晴らしいミュージシャンは毎日のように何時間も楽器に触れる人も多く、そういう人たちのような技術を獲得するためには、自分を何とか矯正して練習しなければいけないと考えた時期もありました。しかし、自分の集中力をコントロールしようとするとストレスを感じ、結局は何も手につかなくなるわけです。


・発想の転換

自分の中では、注意が散漫になるというのは言い換えれば他のことに興味が移るということでした。つまり気持ちが乗っていない状態でベースを弾いていると、ギターを弾きたい、音楽を聴きたい、ゲームをしたい、映画を見たい、今日のご飯何作ろうなどなど、次第に他のことを考え始めるのです。その気持ちを矯正しようとすることがストレスになるなら、一旦その散漫になった注意に付き合ってみようと、ある時から考え始めました。ベースの練習を始めて1分とたたないうちでもギターが弾きたくなったらギターにもちかえ、料理がしたくなったら料理をし、本を読みたくなったら読む。ベースが上手くなるわけではないけど、いやいやベースと向き合うよりは気持ちが乗る方に集中して、ストレスなく有意義な時間を過ごすようにしました。そうしていくうちに、手前味噌ですが、興味の移り変わりに従ったときの集中力は、周りが見えなくなるほど深いという自分の性質にも気付くようになりました。


・物事の関連性と熟練度のベクトル

おおよそ10年弱くらいそんな風に自分の気持ちが赴くままに色んなことをしているなかで身につけた知識やスキルが、音楽関連で言えばギターやキーボード、作曲や編曲、ミックスやレコーディングエンジニアリングだったわけですが、色々な知識や経験が増えるたびに自分のベースプレイにも影響が出ているなということを実感していました。
ギターを弾くときに覚えたコードの知識、編曲で覚えた対位法や様々な楽器の特徴やフレージング、ミックスするにおいてのベースの立ち位置など、全てが自分のベースの音質やフレーズの発想に役立っていると思います。ベースが上手くなるというのは、継続的な鍛錬によって生み出されるスポーティーな上手さだけではなく(勿論それもとても重要な要素ですが)、アンサンブルの中でのベースの立ち位置が分かっている事や色んな楽曲に触れている事、手癖だけに終始せずフレーズを発想する事など色んなベクトルでの上手さがあるわけで、それは自分にとってはベースを弾くだけでは得れなかったものだなと感じます。
音楽以外のことであっても、ゲームをやり込めばゲームの中での効果音やBGMの役割に気づくこともあるし、大きな視点で見れば先日のWONKの3DCGライブも、色々な事をやってきた自分の経験が色々生きた結果だと思っています。

つまり、自分の散漫な興味をコントロールするよりも、それに従ったほうがストレスがなく集中力も出る。興味が四方八方に散っていたとしても、物事の関連性を考えたり共通項を見出すことを忘れなければ、全体としてはいい方向に向かうのではないか。というのが自分の性格と向き合った結果のライフハックなのです。


・器用貧乏と周囲からの評価

勿論この生き方には幾つか難しい点があります。まずは、仕事としてやらなければならないことに対して興味が湧かない場合、周囲に多大な迷惑をかけてしまう可能性があります。これは極力興味のないことを仕事にしないようにして回避しています。(かなり恵まれている環境にいる事に毎日感謝して生きています。)仕事は仕事でやりたくないこともやり、趣味で発散するということがなかなか難しいです。
次の問題として周囲からの評価があります。「器用貧乏」という言葉が示すように、色々なことに広く手を出している人よりも、一つのことをずっと続けている人の方が評価されるというのが一般的かと思います。ベースのレコーディングをお願いする場合はあくまでベーシストに、ミックスの仕事を依頼する相手はあくまでミキシングエンジニアに、となるのが普通で、色々なことに手を出しているという事は一つ一つが浅くなっているのではないかという推測をされても仕方ないわけです。(実際は、色々なことをやってないと持てない視点や発想も沢山あるというのが自分のポリシーなわけですが)
それは自分ではどうしようもないことなので、自分の実力は自分が作る成果物でしか示して行けないと割り切って、音楽を作って世にだし、動画を撮って世にだし、インスタのフィルターを作って世にだし、と自分の興味のアウトプットを絶やさないようにしていくしかないかなと、現時点ではそう思って行動しています。

さて、これからはどうなることやら。(カメラ沼の浅瀬より)


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