〖本好き欧州紀行〗シュトゥットガルト市立図書館|ドイツ
チェロ弾きだけど、三度の飯より本が好き!
そんな私がお送りする〖本好き欧州紀行〗
ヨーロッパ各地に散らばる本好き必見の素敵スポットを実際に訪問。レポートと詳しい解説を交え、ご紹介していきます。
今回のスポットは「世界で最も美しい公共図書館ベスト25」にも選ばれた
『シュトゥットガルト市立図書館』
ドイツはシュトゥットガルトに建つ「四角」と「白」をモチーフに造られた、スタイリッシュで清潔感漂う近代的な図書館です。
夜になると、青と白のライティングが灯り、外観が闇夜に美しく浮かび上がります。
施設内はまさに「白一色」
それによって、並ぶ背表紙の色が目立ち、まさに本が主役という雰囲気が漂います。
オープンは2011年10月。建築コンペティションが執り行われ、その勝者となった Eun Young Yi 氏 のデザインによってこの施設は建てられました。
(0階から3階に存在する、建物の最深部空間)
元々シュトゥットガルトの中央図書館は、1965年から2011年までヴュルテンブルク王の住居として中世に建てられた「ヴィルヘルム・パレ」にありましたが、この新しい施設の完成と共に現在の地に移りました。
2013年、国から与えられるドイツ唯一の図書館賞「Bibliothek des Jahres」を受賞。
また、その前年には Flavorwire というサイトで発表された「世界で最も美しい公共図書館ベスト25」にも選ばれ、一躍有名に。
現在に至ってもその知名度は衰えず、地元の利用者だけでなく、世界中から観光客の訪れる貴重な建造物となっています。
私がこの施設を訪れたのは、2018年1月のこと。
寒さ厳しいドイツの真冬、幾重にも重ねたインナーとダウンコートで、完全防寒しながらの旅行途中に立ち寄りました。
Stuttgart中央駅からU-Bahnに乗り「Stadtbibliothek」駅で下車。
地上に上がるとすぐに、建物が目に飛び込んできます。
入口横には、本を乗せレーンを走る台車たちが。
返却された本を一か所に運び集めるためのものなのか、もしくは返却処理された本を運ぶための機械なのか。目的はわかりませんが、どこか玩具じみていて目に楽しい。
外からもチラリとガラス越しに覗く、遊び心に溢れた装置です。
そして、メインとなる図書閲覧スペース。
そこに広がるのは、どこまでも真っ白な空間。
その圧巻のデザイン性には「一部の隙も無い完璧」という言葉が心に浮かぶほどですが
施設内に並ぶ蔵書の背表紙と、歩き動く人々の色とりどりな姿が、まるであつらえたかのように白い空間にコミカルさを与えており、スタイリッシュとポップが共存する美しい光景に。
普段なら真っ先に本の傍へ走る私も、手すりに腕乗せ、しばらくぼんやりと施設内を眺めていました。
建物は全8階建て。階ごとに蔵書がジャンル分けされています。
最上階の8階にはカフェテリアも併設。
1階では24時間レンタルと返却が可能となっており、地下には300人収容可能なホールも完備されています。
そしてなんと、施設内では結婚式を行うことも可能!
図書館で結婚式を挙げることができるなんて、本好きにとっては夢のような話ですね。
私が手に取って読んでいるのは大好きなカミュの戯曲集(ドイツ語新訳版)
施設内を歩き回りながら、気まぐれに本を抜き取って表紙を見るだけでも魅力的な本が多く、建物だけでなく蔵書にもこだわりが光る図書館という印象を受けました。
また、目当ての本が見つかれば、その目の前で椅子に腰掛け
美しい空間の中に身を置いて読書することができるのも、利用者が気持ちよく図書館を楽しめる一因となっているように思えました。
Stuttgartに住んでいれば、毎日でも訪れていただろうなと。
そんな思いを抱いてしまう図書館。
この街を訪れた際はぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか?
Stadtbibliothek Stuttgart
( Public Library Stuttgart )
Mailänder Platz 1, 70173 Stuttgart
Tel : 0711/216-91100
http://www.stuttgart.de/stadtbibliothek/mailaender_platz
月~土 9:00 ~ 21:00
( 屋上テラス ) 9:00 ~ 18:00
日・祝 休館
最後までお読みいただきありがとうございます! 自分の文章や演奏に反応いただけることは最上の喜びです。 気に入っていただけましたら、ぜひ『サポート』を宜しくお願い致します。頂いたサポートは、今後の活動費用に使わせていただきたいと思っております。 フォローやコメントも大歓迎です!