終わり

高校1年生のとき自分はれっきとしたオタクだった。毎日のように学校帰りにゲームセンターにより音楽ゲームをやった。某有名アニメにハマりそこから声優にハマるというオタクの順路とも呼べるベタなルートでオタクになっていた。周りからなんと言われようが当時の自分にとってはそれが全てでありアイデンティティだったが、アイデンティティというものは入れ替わりが激しい。何か別のものに夢中になったわけでもないが音楽ゲームも声優も気づいたらあまり気に留めなくなっていた。

高校時代よく通っていたゲームセンターがあった。ゲームセンター→塾→ゲームセンターというような足取りで1日に2回行ったこともあるような場所だ。そんな場所が今日閉店となった。別に心の底から悲しかった訳では無いが、思い出の場所が無くなるというのはどこか寂しい。折角なので久しぶりにそこに赴いた。

何回見たか分からない最寄りの駅からゲームセンターまでの道、「閉店セール」とかかれたのぼりの横にはかつて自分がハマっていたアニメのポスターがあった。あの頃のように1000円札を100円玉に両替し、小銭でパンパンになった財布をポケットに入れ、ゲームを始める。選んだ曲は折角だからあの頃ハマったアニメのオープニングテーマにしてみた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?