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事故っても意外と死なない 自動車の運転とパラグライダーの共通点

7年前に、車の全損事故を起こした。

山道のカーブで曲がりきれなかった

山道で起こした単独の自損事故で、車は全損レベルのダメージを受けたものの運転手である自分は無傷だった。最近の車は安全性能がすごい・・・という言葉を身をもって感じた。

私は大学生のころに自動車免許を取得したものの、三十代半ばになるまで数えるほどしか運転してことがなかった。「自動車なんてお金がかかるし、事故を起こしたら死んじゃう。死にたくないし、痛いのもイヤ。だから運転なんてしたくない」と思っていた。

ところがパラグライダーなんてアウトドアな趣味を始めると、さらに家が郊外にあると、車は移動手段として欠かせない。それで運転するようになった矢先に起こした事故だった。

事故の後始末は大変だったけど、自分はまったくの無傷だった。不幸中の幸いとはまさにこのことで「事故っても意外と死なないんだなー」と、翌日ふつうに出勤して仕事しながらちょっと感動した。

事故に遭った話をすると、知人友人も自身の事故の話を語ってくれることがある。ニュースを通しても交通事故の話に関心が向くようになる。

あれこれ見聞きして思うのは「大きな事故は派手で目立つけど、それよりも小さな事故やヒヤリ・ハット事例のほうが件数としてはずっと多い」ということ。当たり前かもしれない、でも、そういう小さな事故で踏みとどまるというか、小さな事故の経験を生かして安全に運転するスキルを学ぶことが大切なのかな…と思う。

細い道を運転しているときに側溝にハマりそうになったり、跡が残らなくても何かの障害物に軽くぶつかったり、交差点で他の車にぶつけられそうになったり、そんなこんな色々なヒヤリハットを通して、身の回りにあるリスクや危険に気づく力を高めたり、自分の苦手なシチュエーションを把握する。「小さな事故」に遭遇した経験を活かして、危険を回避するスキルや工夫を身につけていく、そういうことが大切なのだろう。

趣味で空を飛んでいる話をすると「パラグライダーなんて事故ったら死ぬじゃん。よくやるね」と言われることがある。けど、パラグライダーの事故も「大きな事故は派手で目立つけど、それよりも小さな事故やヒヤリハットのほうが件数としてはずっと多い」。

地上練習中に腕や足にアザができたり、テイクオフに向かう山道を歩いてて捻挫したり、荷物を持ち上げようとして腰を痛めたり、ランディング直前に風向きが変わって着地するときにころんだり…。うっかりミスや不注意もあるし、天候の変化など外的な要素によるアンラッキーな事故もある。

事故っても意外と死なない。でも、小さな事故の経験を生かして、ヒヤリハットを減らす仕組みを作ったり、自分の苦手な動きや弱い部分をカバーする工夫をしたり、経験を無駄にせずスキルに繋げていくことが、自動車運転やパラグライダーのようなリスクのある活動を楽しみ、続けていくためには大切なんじゃないかな。

事故の写真を見返すたびに、そんなふうに思う。
事故は怖い。死にたくないし、痛いのもイヤ。
安全第一!

レッカー車の業者さん、ありがとうございました

おまけ:パラグライダー死亡事故で最も多い原因は「ベルトのつけ忘れ」


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