My Hair is Bad『告白』の良さについて
最近聴いた曲で特に良かったなと思ったものを書き残すだけの思い出note、始めます。ちなみにただの夏休みを持て余した男大学生です。
記念すべき初回はMy Hair is Badさんの、『告白』。実は私マイヘアは全然しらず…まだ5曲くらいしか聴いたことがありません。このあいだのひたちなかのロッキンで見て、素朴でかっこいいバンドだなと思って、何曲か食指の伸びたものを聴いてみました。ビーバーとエルレとフォーリミオーラルと、好きなバンド沢山いて楽しいロッキンだったんですが、一番衝撃に残ったのはマイヘアかもしれません笑。なんとなくクリープハイプとかSaucy Dogとかと似たようなバンドなのかな〜ってそこら辺のバンドを一括りにみて避けてきたフシがあるのですが(クリープもサウシーも全然しらんのに)、とりあえずマイヘアはかっこいい!ってのはわかりましたね。そしていくつか聞いたそのうちの一曲がこちら、ファーストアルバム収録の『告白』になります。
興味を持った訳
もう完全にジャケットですよね…笑。なんだこれ、エロいっ!って。中学生みたいな反応しちゃいました。よく行く南船橋のタワレコにおいてあったり、配信サイトでみても強烈ですよね…これ。ただ、女性の裸体という題材ひとつにおいても、切り取り方に美学を感じさせますね。
実はこのアルバムの曲ですら全部聴いてなくて…、有名だって知ってた『真赤』と曲名がなんとなく気になったこの『告白』だけ聴いたって感じなんです。
他には『鳩かもめ』とか『時代』とか最近の曲も聴いてみたんですが本当に外れがないバンドですね。ライブでいろいろ聴いてみたい…。
詳しくはないんですがこの『告白』も、昔の曲なのにロッキンでやってたし、おそらくファンなら知ってる大切な曲なんでしょう。(唯一知ってた『真赤』がリハでびっくりした。)
良いと思うところ
恋愛詞を主な武器としている?マイヘアさんですので、告白、なんてタイトルのつけた曲からはどんな歌詞が飛び出すのかと思ったらあらびっくり、なんだか全然男女の恋愛詞に聴こえないんですね。これがなんだか興味をもったポイントなんです。いくつか歌詞を見ていきますね。
のっけから痛いくらい酷い恋したいといっちゃってますが、この「恋」って、一般的な男が女に、女が男にの恋だけではなくて、なにかに強く憧れる、強く志す気持ちを広く包含した「恋」なんじゃないかなって思うんです。例えば、バレーボールという競技に魅せられて、バレー選手を志すのも恋、みたいな。あくまで普通の恋も含めた、凄く広い表現だと思ってます。
その証左に1番の歌詞だと、なんか将来を決意するときみたいな言葉が出てくるんですよね。十代を決断が迫られないモラトリアムだとするなら、延滞した十代=モラトリアムからの脱却を思わせますね。
繰り返される"若者はなぜか悩んでいる"という歌詞、2回目では"明日を見てる"と付け加えられるのが凄く良いですね。明日を見るから悩む、不安になる、心配になる。それに対して、明日よりもずっと遠くのいつかの"終わり"を引き合いに出して、不安を鎮めているのが不思議な構図です。でも、いつか人生が終わるから、思い切って挑戦できることってありますよね、好きだったあの子に卒業式で想いを伝えるとか。
一番好きな歌詞はここ。自分が"どうしたい"か、それを"バックグラウンド"といい放ち、"我を裏切れ"とまで決意を促す強烈なフレーズ。これって、本当に自分の弱さみたいなものに向き合ってる人からしかでないフレーズですよね。やりたいことがある、でも面倒くさい、なんとなく投げ出してしまう、簡単な事ばかりで毎日を満たしてしまう、みたいな。自分っていう人間の、いかに意思の弱いかを知ってるからこそ、"やるかやらないか"、自分を"裏切れ"っていう風にナイフを刺してくるんだと思います…。正直最近何もせずなあなあで日々を生きてるので、手厳しい歌詞だ…とくらっています(笑)。なんか率直で、婉曲とかもなく真っ直ぐ心にくる歌詞です。
全体を通してなんですが、やるぞ!やるぞ!みたいな決意の歌に聴こえるんですよね。それは、女の子に告白する的な「恋」の決意かもしれないし、自分のやるべきことに打ち込むぞ的な「恋」かもしれないんですが。
自分、中学生のときに、好きだった女の子に告白して、振られて、なんかすっごく悲しくて、人生で初めてごはんが一口も食べられなかったことがあるんですよ。拒食?みたいな。なんかそれも悲しくて、当時は悲しんだ記憶があるんですけど、今の自分はそんな恋ができるのかなって、思うときがあります。(現在彼女なしの童貞大学生ですが)
今の自分なら、女の子に振られたとして、拒食になるかな、そんな辛いかなって考えると、実はそんなことないかもしれないという説があります。それは、友達がいて、家族がいて、バイト先があって、なんか自分の「生活」があって「居場所」があって、安定してるから、彼女を失っても、一人友達が減ったみたいな、その程度のショックしか受けないかもしれなくて、そういう冷めた自分が、凄く哀しくなるときがあります。
もう女の子でも、打ち込みたい夢でも目標でもいいから、なにか激情を生むような、人生というドラマの一つのピークになるようなことが欲しい、代わり映えのないつまらない日常を、吹き飛ばしたいみたいな欲求があって、つまり、「恋」したいってことなんでしょうね。
恋愛詞の多い?マイヘアの中で、この『告白』が恋愛詞から少し距離をおいているのは、「告白」という行為の持つ自己中心的な側面、なんの前触れもなく想いをぶちまけるという意味で利己的な行為である「告白」という行為の性質そのもののようで、とても興味深いです。つまり「告白」という行為においては「君と僕」の関係性よりも、「僕」の内面の激動が重視されるのでは、ということです。なんだか少し異質な曲という印象を抱きますね。
あとがき
初めてnoteを書きましたが、いかがだったでしょうか。これからもちまちま書いていこうと思いますが、作法とか、改善はしていきたいと思うので、拙いながら読んでいただけたら幸いです。
では。