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【読書感想】 レーン最後の事件
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【シリーズ】というものの醍醐味が初めて分かった気がします…(´;︵;`)
全てがあって完成品。
これはもう芸術です!
ドルリー・レーンシリーズ最終巻。
私立探偵となったサムの元に、カラフルな付け髭で変装した怪しい男がくる。
その男は、ある封筒を預かって欲しいと依頼。
一定期間自分から連絡がこなければドルリー・レーン立ち合いの元、封筒を開封しろと言う。
この奇妙な依頼を皮切りに事件に巻き込まれるサム元警視とペイシェンス。
レーン四部作の完結編。
「好きだから早く読みたい」気持ちと「好きだから最終回は読みたくない」気持ちが鬩ぎ合う。
昔ポワロ(私の読んでたシリーズはポアロではなくポワロだった)の最終巻「カーテン」を読むのが悲しくて、でも好きだから読みたいけどでも…と、未だに読めていない(^▽^;)
数年前に観ていた大好きな米ドラマも、最近ようやく最終回観たくらい。
話を元に戻して、
思えば「Xの悲劇」からこの完結編に向かう要素はあったのかもしれない。
「X」「Y」「Z」があっての「最後の事件」だ。
全てに共通しているが、細かく散りばめられた疑問点全てに意味がある。
その「意味」の傾向にとてもセンスがあり、もうすっかりエラリー・クイーンの虜になってしまった…(′;ω;`)
ミステリだけではなく、様々な観点から総合して最高傑作です。
私の目の奥にはハムレット荘の美しい光景と、庭園で日光浴をしているレーン。
傍に立つサム警視とクエイシー。
走り寄るペイシェンスの笑顔。
すごく愛おしい作品に出会えました。
私の好きな小説10選に入ります。
ネタバレしたくないから多くは語りません。
私が言いたいのはひと言。
「最初から全部読んで。絶対後悔しないから!」(>□<)
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うわぁぁぁ〜
面白かった!!!
本格ミステリーは頭使って注意深く読むから消耗するけど、読後感爽快!
電車内での殺人事件。
ニコチンの塗られた無数の針が刺さったコルク球をポケット内で握り毒がまわって死亡。
混雑する電車内で、目撃者もいない。
警視は、元シェイクスピア俳優のドルリー・レーンに捜査協力を依頼する。
私、エラリー・クイーン初挑戦なんです(当時)
もっと早くに手をつけても不思議ではなかったのでは?と自問w
十角館を読んだ時に、登場人物のあだ名に使われている全作家の作品読みたいって思っていた。
ひょっとして、各作家の作品の特徴やクセのようなものもヒントとしてあったのではないか?と疑ってもみた。
何にせよ、ミステリー好きと言うからには絶対読みたいなと、手始めにTwitterのフォロワーにお薦めされた『Xの悲劇』を手に取りました。
ドルリー・レーンがめっちゃカッコいい。
白髪の60歳のおじさんなのですが、若々しい体躯と明晰な頭脳の持ち主。
元俳優なので変幻自在。
惚れますな💕
フーダニット(Who done it?)と呼ばれる誰が犯人かを推理していく形式。
レーンシリーズは4部作あるそうなので、全部読みたい!
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ドルリー・レーンシリーズ第2弾!
レーンにとって、とても辛い事件…。
私はどちらかと言うと『X』より『Y』の方が好みです。どちらも面白いですが^ ^
裕福な一族の主人、ヨーク・ハッターの死体が発見される。遺書があったので自殺と思われる。
その後、聾唖の長女ルイーザを狙った毒殺未遂事件がおこり、ヨークの妻、エミリーが何者かに撲殺される。
変わり者ばかりの集まる一族で、誰もがあやしい。
行き詰まったサム警視は、ドルリー・レーンに捜査の協力を依頼する。
今回は風変わりな一族が特徴です。
自殺したヨークは化学者で引きこもり。
妻エミリーは横柄で傲慢。
先夫との子ルイーザは聾唖で盲目。
長女バーバラは奇才の詩人。
次女ジルは美人の不良娘。
長男コンラッドは遊んでばかり。
etc…
事件の真相が明らかになっていくうちに、レーンは己の推理力を過信していたこと、真実に対する恐れを抱いて葛藤していきます。
後半はすごく辛い。
レーンの気持ちが痛いです。
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バーナビー・ロス(=エラリー・クイーン)によるシリーズ3作目。
ドルリー・レーンによる推理が光る『Zの悲劇』
X・Yに比べ、とてもスラスラ読め、分かりやすい印象でした。
というのは、レーンのいつもの、シェイクスピア云々の引用が少なめだったのが原因のひとつ(私にとってはw)
もうひとつは、サム警視の娘のペイシェンス・サムが語り手となり、一人称で物語が進んでいくという所にあるようです。
舞台はアルゴンキン刑務所。
サムは警視引退後、私立探偵業に従事していた。
エリヒュー・クレイという実業家から、共同経営者の不正を暴いてほしいという依頼を受ける。
サムとサムの娘ペイシェンスは、彼の家に泊まり込み捜査をするが、捜査対象の悪徳議員ジョエル・フォーセットが何者かに殺害される。
残された手がかりから、刑期を終え釈放されたばかりのエアロン・ダウが容疑者に。
どうしても彼が犯人だと思えないサムとペイシェンスは、レーンに捜査の助言を依頼する。
『Yの悲劇』から10年後の話で、レーンは70歳の年齢で登場する。
以前のような若々しさは衰えて見るからに身体が弱ってしまっているが、洞察力は変わらない。
ペイシェンスはレーンを敬愛する、聡明で洞察力に優れた美しい探偵。
『レーン最後の事件』にも出てくるのかなぁ。
年老いたレーンも、魅力は変わらないです!
安定の面白さでした♪
読んだ当時のシリーズの感想をまとめてみました。
何度も書きますが、おすすめです💕
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