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手のひらにある物に気づいた時

今日、私の大好きな北原さんのツイートを呼んで”ハッ”とした。

「新しい知識を選る事よりも、手持ちのカードで結果に結びつける能力の方がよっほど大切です....材料がそろわないと調理できない料理人。冷蔵庫の中身でやりくりするお母さん。優秀なのは当然後者です。」


元記事はこちら ↓

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 https://twitter.com/kitahara64/status/1430636326907355136?s=21


そう、この事に気が付くまで私は何年も前者の料理人だった。

手持ちにいくらでも料理できるものがあるのに、これだけじゃ足りないと、材料を探し歩いた料理人...

そんな私も、やっと自分の冷蔵庫の中身を見られるようになった。

目の前に、こんな材料があったか!おぉ!!こんな材料もあったね...っと

これは振り返ると、捜し歩いた分材料が増えていたということだ。

最初は冷蔵庫を準備しただけだったけど、その冷蔵庫にひとつひとつ材料が揃えられていた。作りたいおかずはこれっ!っと決められなかったから、過去の私はカレーが作りたいのか、シチューが作りたいのか微妙なところで材料探しをしていたのだと感じている。

そして、今はどうだろうか...

これを作りたい!という志し高い料理ではない。

ただ『白いシャツと素肌にリップが似合う人を作りたい』と言う料理だ。この料理がおいしいと言ってくれる人がいるかもしれないし、美味しくないという人もいるかもしれない。

以前の私だったら、”美味しい”と言われる料理を完璧に作らないといけない!と意気込んで力んで、結果 ”どちらでもない” で凹んでいただろう。

今の私は ”美味しくなるようにエッセンスとスパイスをプレゼントすればいい” 私が作るのではなく、目の前の方が自分の冷蔵庫の中身に気づきそれを美味しく料理できるようにスパイスをプレゼントする料理人でいたい。そう思えるようになったのは、過ぎた時間が私の栄養素になってくれたからだろう。

過去は失敗作を何度も生み出した。それを一人で”この料理マズイな...”と思いながら食べた日のことは忘れない。

そして、これからも想像したようには味が出ないかもしれない。しかし、いかに美味しい料理が作れるかにチャレンジすることは何度だってできるものだ。

過ぎた時間を栄養として、今ある冷蔵庫の中身で

”目の前の人を喜ばせる料理を作ることをする”

という気持ちへと変われた。


冷蔵庫の中身は少しづつ増えている。

”これしかできない...”だった私が、『たまご』という材料が手元にあるので、目玉焼きも出来るし、厚焼き玉子も出来るし、茶わん蒸しも出来るし、ケイランチムも出来るし、煮卵も出来るし、シフォンケーキだって焼ける。

結局はそういう事なんだと、今更気が付いた。様々な料理教室で高い授業料を払ってきたことで、手にしたものは自分のリソースへの気づきだった。

そして、幼かったころパティシエを夢みて毎日 『たまご』 から様々なお菓子をつくっていたことと重なった。人生は科学だ。

キレイな目玉焼きを焼くつもりが、ひっくりかえしたら黄身がつぶれて、スクランブルエッグになっちゃった!っで案外美味しいね。と言われるものを提供していきたいと思っている。

これに気づけたここ3カ月の歩みは、私に新しい材料を運んできてくれた大切な時間だったのだ...


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