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読了『バウルを探して』

久方ぶりです、ヒノカンです。

自身の将来決めで忙しくて、心もズタボロだったので、久々に、本を読みました。
ずっと前に読んでいた『渋イケメンの旅』同様、インドに行きたい欲が、
いまだに健在なので、インドの本を。

 私の心の中で「インドに行きたい」という気持ちが前に出て、実際にインドに行きたい理由がよくわからない状態になっていました。まず、私のインドの印象は、乗車率200%の列車、ごっちゃごちゃしたストリート、右手で食べる、そんくらい。ただ、箸を用いて食べて、コンクリート舗装された道、ルール常識に当たり前のように従う人々たちの日本の国の雰囲気と正反対に思える”ごっちゃ感”が私にとってインドが魅力的に思えるんだと思います。日本と正反対の環境に立ったとき、私はどう思えるか、それが感じたら、きっと、私はどうして生きたいのかがわかるような、そんな気がする。

ただ、今インドは絶対に行けないんですけどね〜〜!コロナ患者が200万人超えたそうで、入国すら難しい。ああ、私のインドトラベルの夢いつぞや実現できるのやら。

インドに行けないならば、インドを日本で感じればいいじゃない。

ということで、今回は、

『バウルを探して』

を読みました。
「バウル」とは、ベンガル地方の吟遊詩人修行者、という意味らしい。「バウル」という語呂の魅力に惹かれた筆者が、何も知らない「バウル」とは何か、実際に会ってみたいと旅をする、紀行文。
川内有緒さんが紀行文を書き、中川彰さんが写真をかく。二人の2週間のバングラデシュの旅。(インドも若干入っているのか)

「バウル」の存在の意味、難しい、一言では言い表せない何か。
そして旅の終着は、「私」の存在意義にたどり着く。
バウルを探して、様々な人と未知の文化と出会って、もう一人の自分と向き合えた。
なんと素敵な旅なんだろう。

インドに行きたくてたまらない私にはひたすら憧れてしまう。

バウルソングの歌詞は、悲しみを全て受け入れ、全てを許容して、抱きしめてくれる、感じだ。何も知らない籠の中で巣食う若輩の私がいうのもなんなのだか。

辛い過去も、納得できない事実も全て逃げずに、立ち向かい、全てを乗り越えた先の悟りに近いものを感じた。

自分が何故行きているのか、をまっすぐに見つめ、その為に魂を燃やし続けている熱量がビシビシに伝わってくる。文章による言葉選び、バウルの歌の歌詞、そして写真のバウル達の渋い表情。命を燃やし続け他人に影響を与える力がある人の尊さを感じた。同時に読みながら、私には今何ができるのか問い続けていた。

バウル達を始め、通訳者のアラムさん、旅をする川内さん、中川さんもそれぞれ何をやりたいか、何を求めて生き進めているのか、軸を確かに進んでいた、だからこそ、旅に起承転結がしっかりあり、「バウルとは何か」の答えが見つかっている。そして私たちに、その旅の熱量を教えてくれた。チャが飲みたくなった。

今の若者・・私をはじめとする悟り世代と言われる日本の若者にはない精神を感じた。何をして生きたいのか、ナアナアでやり過ごして適当に人生を低燃費で過ごしたい若者がとても多い。大学で履修する授業も、「先生がちょろそうだから」「テストが簡単だから」「授業中内職がしやすいから」そういう基準で決めている学生が大半だ。私もそうだったりする。大学という高等教育が受けられ、恵まれた環境の日本人の若者は、その恵みを当たり前だと思いすぎている。胡座をかいている。何を学びたく、どんなことを社会でしたくて学んでいるのか、一本の軸があれば、こんな適当な理由で授業を選択しないだろう。難しい授業でも、自分のやりたいことであれば、苦労もやりがいに感じられる。その挑戦が失われている気がする。(論拠はないかもだけど)

話がずれたので、戻りましょう。

最初に、中川さんの写真を見て、バングラデシュの雰囲気、世界を頭の中に巡らし、川内さんの文章を読みながら、想像し、日本以外の世界に触れた事ない私の狭い世界を広げるためにもう一度中川さんの写真を見て、最後に川内さんの解説を読み、中川さんが既に亡くなっている方だと知り、中川さんの見つめたバウルを探す旅の目線をもう一度知りたく、写真を見る。

旅の文章と写真が一緒でよかったな。。。と思った。
この、好奇心で満ち溢れた旅が私もしたくなった。(今はできないけど)

 ああ、旅がしたい、旅ができるときに旅がしたい、

自分の凝り固まった心を放つように大きな、発見と出会いにあふれた旅がしたい。

旅ができなくても、何か自分に挑戦する気力を湧きだしてくれる本だった。

この本を読んでいる間に「タゴール・ソングス」という映画を見に行った。

偶然ではあるが、バウルとタゴールは近しいもので、同時期に両方が知れてよかったと思う。別の記事で「タゴール・ソングス」の感想は書きます。

*2020/8/16追記
映画「タゴール・ソングス」の感想を書きました!
宜しければ、こちらも読んでください!


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『バウルを探して』完全版
文章:川内有緒 写真:中川彰
三輪舎  ¥2300+tax
公式サイト

追記
装丁が素晴らしく、ページをめくるたびに見え隠れするカラフルな糸が心を踊らせました。真っ赤なインドの柄の装丁が綺麗。手に取ってよかったなぁ、と思わせるなんども開きたくなる素敵な本でした。矢萩多聞さんですと!みなさんインドに関わりある方々じゃないですか!素敵!最高!


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