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週刊文春vs.週刊新潮 60年を超える死闘!(No. 911)

考える人 メールマガジン
2021年4月22日号(No. 911)

週刊誌をめぐる骨太ノンフィクションを水道橋博士が徹底比較!
「文春vs.新潮 60年を超える死闘」

「週刊文春」と「週刊新潮」、ふたつの週刊誌をめぐる骨太のノンフィクションが、2020年の年末から2021年の年頭にかけて刊行された。前者は柳澤健『2016年の週刊文春』(光文社)、後者が森功『鬼才 伝説の編集人 齋藤十一』(幻冬舎)である。

この2冊のノンフィクションを書評しつつ、“紀尾井町”と“矢来町”(それぞれの出版社の住所から、業界内でそう呼ばれる)の社風を比較して論じるのは、芸人・水道橋博士氏。12歳から週刊誌に親しみ、今も欠かさず両誌を購読、さらに無類のノンフィクション作品好きでもある。60年以上の歴史を持つふたつの週刊誌、その“内幕”はいかに――。

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■第3位 水道橋博士「文春vs.新潮 60年を超える死闘」

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 2002年10月4日発売の「考える人」第2号特集は、予告通り「橋本治と考える『女って何だ?』」。橋本さんへのロング・インタビューをもとに構成したものです。そのリードをそのまま引用します。

「昭和が終わった頃から女について沈黙する橋本治氏は、しかし別の回路で女と出会っていた。経済至上主義の末路、紫式部の自意識の現代性、醜貌コンプレックス、身分差別と女性差別、色気の本質……人間がつくりだし、捻じれてゆく何かを鮮やかに解きほぐす、柔らかな知の冒険」

 「女について沈黙する橋本治氏」だとか、「経済至上主義の末路」だとか、気になるワードが散見します。このリードは松家仁之編集長によって書かれたもので、松家さんは「小説新潮」に所属していた1980年代から橋本さんと付き合いがあり、企画編集を担当したムック「大コラム」シリーズのVol.2(1985年)にも、橋本さんは寄稿しています。そのタイトルが「女の子が20歳になるまでに知っておかなければならない7つの常識」ですから、「橋本さんに女性を語ってもらう」という企画の種は、すでにこの頃からあったのでしょう。
 橋本さんの仕事場で行われたインタビューに同席したのは、松家さんとSさん、そして私。Sさんはその後、『巡礼』『リア家の人々』『草薙の剣』といった小説から、『いま私たちが考えるべきこと』『小林秀雄の恵み』『浄瑠璃を読もう』といったエッセイ・評論まで、多くの橋本作品を担当することになります。そこになぜか私もいたのですが、これはまあ賑やかしというか、「あいつも勉強になるだろう」という松家さんの配慮によるものでしょう。あるいは、同じく松家さんが立ち上げた「芸術新潮」の連載『ひらがな日本美術史』シリーズの担当を、私が第4巻(2002年11月刊行)から引き継ぐことがすでに決まっていたので、そのための顔合わせという目的があったかもしれません。
 インタビューは創刊号が発売される前、2002年の5月終わり頃に行われたと記憶しています。創刊号発売のちょうど1か月前ですから、すでに続々と原稿が編集部に届いていましたが、私の担当である坪内祐三さんの連載原稿はまだ届かず、少々焦っていました。インタビュー終了後、半地下にある橋本さんの仕事場から1階にあるマンションロビーに出て、入っていた携帯電話の留守メッセージを確認したところ、坪内さんから「原稿送りました」という連絡が入っていました。ホッとして、その場にいた松家さんと思わず握手――そんなシーンもありました。
 肝心の特集の内容に触れる前に、予定していた字数を費やしてしまいました。次週こそ……。(つづく)

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