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南直哉さんの修行道場に突如現れた「怪獣」の正体!?(No. 942)

考える人 メールマガジン
2021年12月16日号(No. 942)

「名探偵」竹内康浩と鴻巣友季子がサリンジャーの謎に迫る!
謎とき対談 風と共にサリンジャー

サリンジャーの名短篇「バナナフィッシュにうってつけの日」のラストについて、これまで誰も発したことのない問いを投げかけ、名うての読み手たちを仰天させた竹内康浩・朴舜起著『謎ときサリンジャー』(新潮選書)。

スカーレット・オハラとレット・バトラーという名キャラクターを擁し、めくるめく展開が心揺さぶる巨篇『風と共に去りぬ』の本質は恋愛小説ではない、として熱烈なファンたちを瞠目させた鴻巣友季子著『謎とき『風と共に去りぬ』』(新潮選書)。それぞれの著者が、文学作品を読む楽しみを思う存分、語り合います。

対談 三浦佑之×安藤礼二「海の民、まつろわぬ人々――。」

出雲と筑紫、そして若狭、能登、糸魚川から諏訪まで続く「海の道」――古代日本、「表通り」は日本海側だったことを、『古事記』等の文献はもちろん、考古学や人類学も含めた最新研究から丹念に追った『「海の民」の日本神話 古代ヤポネシア表通りをゆく』(新潮選書)。

著者の三浦佑之氏(千葉大学名誉教授)と安藤礼二氏(多摩美術大学教授)による、古今東西を自由に駆け巡る、刊行記念対談をお届けします。

前篇 旧石器時代からいた「海の遊牧民」

後篇 国家に対する違和感を持ち続けて

アクセスランキング

■第1位 三浦佑之×安藤礼二「海の民、まつろわぬ人々――。」
前篇 旧石器時代からいた「海の遊牧民」

先日『「海の民」の日本神話』の重版も決定! 好評です。

■2位 稲田俊輔「お客さん物語」
3. マイナージャンルのエスニック

■3位 鴻巣友季子×竹内康浩『謎ときサリンジャー 「自殺」したのは誰なのか』刊行記念対談
謎とき対談 風と共にサリンジャー

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■道草晴子「よりみち日記2」(12/3)
19.うでのケガ

よろけた時にとっさに出した右手を圧迫骨折! マンガ連載はどうなる!? 次々と起こるトラブルで泣きっ面に蜂。


■橋本陽介「ふしぎな中国語――日本語からその謎を解く」(12/6)
第11回 犬は「細長い」のか

今回は量詞(数える単位)の話。中国語で犬を数えるとき、なぜ道や川を数えるのと同じ「条」を使うのか?


■南直哉「お坊さんらしく、ない」(12/13)
八、修行道場の怪獣

修行道場では、何をするにも厳格な作法や手順が定められています。しかし、そんな場でも想像を絶する事件が。
「た、大変だあ! 来てくれえっ!!」と叫ぶ同僚の修行僧の元に駆け付けると、そこには「怪獣」が!? 抱腹絶倒ハプニング!

「考える人」と私(42) 金寿煥

2006年夏号は創刊4周年記念特集と銘打った、「戦後日本の『考える人』100人100冊」。雑誌の屋号でもある「考える人」について考えようという、やや壮大なテーマに挑んだ特集です。

 考える人とは、そもそもどういう人なのでしょうか。
 そのことをあらためて考え直しながら、この100人を選びました。
 考える人には、言葉では伝わりにくいものを何らかのかたちにして遺していった人もいるはずです(――100人は物故者から選びました)。
 生きてゆくことそのものが考えることだった、という人もいたでしょう。
 その考えを知るための、とっておきの1冊も同時に選びました。
 小誌の創刊以来、様々なかたちでかかわってきてくださった45人と編集部が選んだ100人100冊。そこには、今日すぐにでも受け取れるもの、10年後、20年後にこそ生きてくるものが含まれているはずです。

 そう特集のリード文にあるように、レギュラー執筆陣を含めた、「考える人」と縁の深い筆者45人にそれぞれ1~3人の「考える人」、代表する著作を選んでいただき、その「思考」の中身を論じてもらう。
「戦後日本の作家100人100冊」でも、「戦後日本の思想家100人100冊」でもないところがポイントで(あるいは「難しさ」と言ってもよいかもしれません)、そこには、「『考える人』とはどういう人のことを指すのか?」という論点も含まれてきます。当然、筆者によって「考える人」に対するイメージが違ってくるため、リストアップされた人物もバラエティ豊かなものとなりました。
 例えば、橋本治さんは歌舞伎役者の六世中村歌右衛門を、黒川創さんは映画評論家の淀川長治さんを、建築家の中村好文は俳優の芥川比呂志を、内田樹さんはマンガ家の手塚治虫や長谷川町子を、堀江敏幸さんがコラムニストのナンシー関さんを……といった具合に。
 かように名前の挙がった100人は、作家から研究者、思想家、マンガ家、俳優、数学者、芸術家とさまざまで、結果的に「考える人100人」という枠だからこその人選となりました。

 特集の最後には、坪内祐三さんと井上章一さんによる対談「『考える』ための”素振り”」が総論的に掲載されていますが、これが特集をやや批判的に振り返っているところが面白い。
 坪内さんいわく、「今回の特集テーマである『考える人』について考えはじめると、それが一体どういう人のことを指すのか、わからなくなっちゃうんですよね。『考える人』という連載をしていた私が言うもの何ですが」。
 対する井上さんは、「普段あまり考えることのないテーマですね」と受けつつ、「本気で考え抜こうとする人って、どこか滑稽だと思いませんか」と続けます。さらに二人は、

井上「私自身にある『頭が下がるなあ』という思いは……突き詰めて考える人よりは、書誌学者のような『調べる人』の方に向かいますね」
坪内「それは私もそうですね。『考える人』の本を読んでも、考えるきっかけにはならない。書誌学的な本を読んだほうが、自分が考えるきっかけにはなりますね。……『考える人』の著作の場合、読者は、その人より小さなレベルでしか考えられない。そのミニチュアができちゃうだけで」
井上「とにかく、その人の思考につきあわされるわけですからね。いやなのは、そこですよね。だいたいは『俺についてこい』というパターンになるわけだから」

 このコラムをまとめるにあたって、15年ぶりに二人の対談を読み返したわけですが、いかにも坪内さんと井上さんの対談だな、と懐かしく思う半面、「これは特集の意図を批判することになるのではないか」と対談に臨席する際に覚えた感覚――背中にスーッと冷たいものが流れるような――が蘇りました。もちろん、編集部としてもその「難しさ」は重々織り込み済みなわけでしたが……。
 この「100人100冊」「ベスト100」という形式の特集は以降も組まれました(2008年春号「海外の長篇小説ベスト100」、2009年夏号「日本の科学者100人100冊」)。15年が経った現在に「考える人100人100冊」を企画したらどうなるでしょうか。執筆陣も、選ばれる人も、大きく変化するのは当然のことでしょうが、はたして「考える」の意味まで変わってくるのか――気になるところです。

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