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不思議な行動には理由がある。


わたくし、もやしの自己紹介

もやしの勤めるオルタナティブスクールは子どもがやりたいことをやる珍しい学校。3歳から12歳の子どもが毎日通っている。
・自ら考え行動できる人間に育つ
・全ての人が認め合う社会
・大人も子ども共に学び合う
を大切に記事を書いていきます。

ちょーおすすめ。
著書『スウェーデンに学ぶ「幸せな子育て」聴き方伝え方』


この記事の続き


3章 「子どものメガネ」をかけてみよう

前回は、子どもの性格のもととなる「気質」について書きました。
変えることのできない子どもの特性のようなもの。

今回は、子どもの発達段階ごとの特性を知りましょう。
「困った」現象は、子どもの発達段階の特性として「まだ難しいだけ」であることが少なくない。発達段階の特性と前章で紹介した「気質」を組み合わせれば、「困った」場面の対処法が見えてくる。

「異星人のメガネ」誕生〜6カ月ごろ

生まれたばかりにの赤ちゃんを
突然別の星からやってきて、不安でいっぱいの異星人と考えてみたください。
この時期の赤ちゃんは喜びや悲しみなどの「感情」を理解していません。
赤ちゃんのたった一つの方法が「泣く」というコミュニケーション。
泣くのは、世界は安心できるところだ、と知るためです。
「応えてあげること」自体がとても大切。

「ハートのメガネ」 生後6カ月〜12カ月

心が成長する時期。喜び、悲しみ、怒り、驚きなど基本的な感情が身に付く。
自由に支配する喜びを知り、さまざまな行動に出る。
ティッシュをいっぱい出したり、大人のものバラバラにしたり。
行動を制御されて怒る時もある。
この時期は、不安になった赤ちゃんを抱きしめることで安心してもらう。
そのような、行動で愛着が育つ。誕生から2.3歳ごろまでに育つ。
うまく育たないと、将来自分をコントロールできなかったり、衝動的な行動に現れたり、人間関係に困難を抱かせる恐れがある。

「探検家のメガネ」 1歳〜2歳

愛着が育ってくると安心できる「安全基地」を起点に世界を広げるようになる。
周りのものを叩いたり、食べたり、投げたり、落としたりすることで感覚や思考が育つ。
感情を言葉で表現するのはまだ難しい。わがままも言葉を使えないから。
お友達と遊ぶこともまだ難しい場合が多いので、大人が一緒に遊んであげましょう。

「自分のメガネ」 2歳から3歳ごろ

自分でやってみたいという意思が強くなる時期。
自分の気持ちを言葉でうまく表現できないので、「いや!」の一言も拒絶ではなく。色々な思いが込められています。
自分でやりたい。あっちがよかった。など
自分の行動を評価し始める。誇らしい、恥ずかしい、罪悪感。
自我の芽生え、自己評価する感情の育ち、うまく言葉を操れない。
この時期特有の、子どもの事情がありそうですね。

「社交家のメガネ」 3歳〜5歳

他人の気持ちをだんだんと理解するようになります。
ケンカを通して学んでいきます。また言葉で自分の感情を表現できるようになってきます。
親御さんは「おもちゃを取られて悔しかったんだね」などと言葉で表してあげると、次第に自分の感情をコントロールできるようになります。
「リアリストメガネ」もかけ始めます。
自分は「大人のようになんでもできるわけではない」と認識し始める。
この時期にお手伝いを始めることが多いころ。失敗をとがめるのではなく。
チャレンジしたことを認めてあげましょう。

「博士のメガネ」 6歳〜9歳ごろ

様々な視点で物事を捉えられるようになってきます。
ですが、架空の出来事や抽象的なことを、論理的に考えることはまだ難しい。
お友達と自分を比べて劣等感を抱え始める時期でもある。
そのため、結果が伴わなくても、自分で努力したことを認める言葉掛けが自己肯定感を高めます。
お友達とのケンカも幼い頃とは違って、「ルールを守らないのが悪い」など心理的な衝突が増えます。意見が合わない時に、自分でどのように対処するかを学んでいきます。

もやしのかんがえ

あくまでも子ども理解をするための一つの考え方。
この考え方を知ることによって「だから子どもは泣くのか。」「だから子どもはわがままを言うのか」と大人が納得して安心するためのものである。
そう言った大人の安心が子どもと関わる上で、大切な要素になってくる。

逆に言えば、これを知ったからといって目の前の子どもは何も変わっていない。
子どもは泣くし、わがままも言う。
だからこそ、どんな状況においても「学術的にどう」と言うことではなく、
目の前の子どもを捉え直して、大人と子どもの「困った」を少なくする方法を考えることが大切。
そのような関わりが、未来の子どもがどう成長するかが変わってくる。

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