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「煽る」「うざい」「バカ」そんなことを言っている子どもの話を聴く。

わたくし、もやしの自己紹介

わたくし、もやしの勤めるオルタナティブスクールは子どもがやりたいことをやる珍しい学校。3歳から12歳の子どもが毎日通っている。
・自ら考え行動できる人間に育つ
・全ての人が認め合う社会
・大人も子ども共に学び合う
を大切に記事を書いていきます。

本気の勝負

子ども達の日常は常に本気の連続である。
悲しい時は体いっぱいを使って泣く。
楽しい時は大きな声で笑ったり。
怒る時は大きな声を出したり、睨みつけたり。
本気で暮らしているからこそ、感情が動いくし、工夫が生まれる。
本気でなければ、そこそこ楽しんで、それで満足してそれでおしまい。

本気で勝ちたいスポーツ。
大人が遊びでやるスポーツは、「勝っても負けても楽しかったらいいよね」
といったゆるい感じ。
子ども達のスポーツは勝つ時は本気で喜ぶし、負けたら本気で悔しがる。

煽るを具体的に

野球をしていた子ども達。もちろん本気で勝負をしている。
そのため、勝つととても喜ぶ。負けるととても悔しがる。
そんな中、Aくんが「お前ら煽ってくんな!」と言っていた。
負けたチームの子どもだ。

煽るとは抽象的で、子どもは特にその場のノリで使っていることが多い。
「煽るってどういう意味?」と聞いても言葉で表現できない。
私の解釈は、「相手を怒れせようとする言動」を煽ると思っている。
しかし、それでもまだ抽象的。もっと具体的に子どもの話を聞くことが大切。

「お前ら煽ってくんな!」具体的にいうと
「Bくんが勝った時に目の前で踊ってきた」である。

「お前ら」とは、実際は相手チームのBくんのみに対して。
「煽る」とは、言葉ではなく動き。踊って見せていたこと。

「お前ら」と言うだけだと
Bくん以外の子が「煽ってないし、喜んでただけだし」と怒り出していた。
「煽ってくんな」だと
Bくんは「おれ煽ってないし」と言っていた。

それを、「目の前で踊っていたことを煽っていると表現して、
それが嫌だったんだって」と言うとBくんに伝わりやすい。

「うざい」「キモい」も同じように、
誰のどんな言動が「うざいのか」「キモいのか」を具体的に聴いていく。

煽る気持ちを理解しよう。

Aくんは「Bくんがなぜ煽ったのかを聞きたい」といってきた。
Bくんは「勝てないと思っていたけど、勝てたことが嬉しかったから」と答えた。

それを横で聞いていた、Cくんが「それ分かる。俺もそういうことある」と共感した。
Aくんはそれで満足したのか、「もうこの話いい!」と遊びを再開させた。
切り替えが早い。
AくんはCくんの言葉で、自分にもそんな時があったことを思い出したのではないだろうか。(私が見ている時に、Aくんのそんな場面を見ていたから)

そうやって、相互に理解していくことがケンカの大切さなのではないだろうか。
そのためには、言葉の具体化が大切である。

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