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『良いお米』の一口目をどのように食べるか、を考え抜いた末のバッドエンド。

今から2年ほど前の話です。僕は当時、普段『そのスーパーで一番安いお米』を買って食べていたのですが、 たまにはちょっといいお米を買ってみようかなと思い、『魚沼産のコシヒカリ』を予約注文して購入しました。

いつもより、倍の値段するお米です。緊張です。お米の銘柄なぞろくに知らないので、聞いたことのある名前だけで選ぶ『お米ミーハー』ですが、仕方ありません。良いものは、良いのですから。

さて、ここで問題となるのが『最初の一口目をいかにして食べるか』です。
せっかくの良いお米ですから、最高の形で一口目を迎えたいわけです。
そこで思いつくのはやっぱり、お米のそのままの味をしっかりと味わえそうな「塩おにぎり」ではないでしょうか。ここでもイメージだけで選んでいくお米ミーハーっぷりを発揮しましたが、良いものは良いのです。

塩おにぎりに焼いたウインナー、これですよね。これに決めました。
ツイッターとかで流れてくる『これで良いんだよ』的な食事画像として流れてくるアレです。

早速僕は、普段は早炊きにする炊飯も、良いお米を早炊きにするなぞ勿体無いので、通常モードで設定し、お米を炊き始めました。良い食事をするのに、急いでも仕方がありませんからね。

さて数十分後、なんとも良い白米の香りが部屋に広がり始めます。
その間にウインナーを焼き上げ(しかもウインナーも良いものを買っています。ぬかりなし。)、炊き上がるのを待ちました。

お米が炊き上がりました。お米の粒が立ち、キラキラと光っています。
(良いお米のヤツだ…!)と、ミーハー喜びを見せます。
早速、塩おにぎりにしようと、しゃもじを使って手に白米を乗せたその瞬間、
ある疑問が僕の中によぎりました。

(あれ…?おにぎりってどうやって握るの…?え、てか熱くね…?)

そうなんです。経験がないことはないのですが、おにぎりを握ったのは遙か昔。「にぎにぎすればできるっしょ!」と軽い気持ちで始めたおにぎりですが、戸惑ってしまいました。 そして、炊きたてのお米です。めちゃくちゃ熱かったです。

1.7回くらいにぎにぎした白米を、反射的に一旦お皿に避難させます。
手には、ご飯粒が付きまくってしまいました。ご飯粒がつかないように、おにぎりをにぎにぎする前には、手を水で濡らしておくのだそうです。これぞ素晴らしき先哲の教え。極上のライフハック。しかし、美味しい食事を前にした人間には、そのような高度な思考は働きません。

ご飯粒が大量に手に付いたままでは次の行動が何もできません。
手についたお米を必死にかき集め、無意識に口に運びました。

そうです。これが僕の、魚沼産コシヒカリの最初の一口目でした。
完全なバッドエンドですが、かき集めたお米でさえもちもちしていて美味しかったです。

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