よみがえれ、ベースボールシャツ文学

読者の中に、かつて僕と同じく平成の球児だった人がいればもしかしたらこのタイトルでピンと来たかもしれない。

断っておくと、当時実際にこんな名前で呼ばれていたわけではない。でも、ああいうものをまとめて何て呼ぶかを考えるとき、これが一番適切な呼び方のような気がする。

ここでいうベースボールシャツというのは、男女問わずに着る人がいる、野球のユニフォームを模したようなファッションアイテムのことではない。

野球少年や球児たちがアンダーシャツの上に着る練習着のことだ。チームによっては何枚か全員共通デザインのものをまとめて購入したりする。ただ、そういうのがないチームに所属していたり、それだけでは洗い替えの枚数が足りない場合には、それぞれがスポーツショップで市販のものを買い足していたりした。

そういう市販のものの中に一部、アツかったり、泥臭いメッセージがバックプリントとしてあしらわれているものがあった。こういうものだ。

「この一球に喰らいつけ 我が野球魂」
「野球道一直線 翔けあがれ てっぺん」

なんとも熱闘甲子園的というか、真っすぐで青臭いメッセージではないか。
高校野球のアルプススタンドに掲げられている、応援旗なんかにもありそうだ。

高校の時、僕も一着こういうのを持っていて、確か右肩に大きく「」とオレンジで入った黒地のシャツを着ていた。当時チームメイトは白文字で大きく「真 打 登 場」と入ったものを着ていた記憶がある。
大学の時には、「夏の桜 ここに舞う」と書かれたものをよく着ては皆にいじられていた一つ上の先輩がいた。

ここに挙げられた例からもなんとなく分かるかもしれないが、こういうベースボールシャツを着る時、どのくらい「やった」メッセージが許容されるかは、野球の上手さやキャラクター、顔などなど、そういうものによって規定されるチーム内での立ち位置によって変わってくる。「絆」一文字というのはその中でかなり無難な、「やってない」メッセージであることを公正のために申し添えておこう。

自分のものだったり印象的な文言だったからこれらを覚えているだけで、当時は他にも何人ものチームメイトが、もっといろんなメッセージの入ったベースボールシャツを着ていた。そしてそれらは皆一様に熱く、そして泥臭かったり、真っすぐにカッコよかったりした。
ここでは、ベースボールシャツのバックプリントとして記されるこういうメッセージのことを、「ベースボールシャツ文学」と呼ぶことにしたい。

どこの誰が考えたものなのかは分からないが、あの暑苦しいメッセージは、当時の僕の心を確かに動かした。言葉通りそれに心を打たれていたというよりは、「このくらいのものを着ていた方が面白くない?」くらいのちょっとした悪ノリみたいなものだったかもしれないし、着るのにも全く躊躇いや照れがなかったわけでは無いが、心を動かされていたということに嘘はない。
そしてそういうものであれば、それは文学と呼んで差し支えないはずだ。

ベースボールシャツ文学文化の危機?


この記事を書くにあたって、まず僕が予定していたのは、現在の実店舗で売られているサンプルの紹介だった。
メッセージの紹介の際、ネットで売られているものの内容はサンプル画像を見ればわかる。ただ、検索してもいまいち数がヒットしないので、実際の店舗も回って数着買い、それらの内容も紹介しようと考えていたのだ。

ただ、このステップで大きな問題が起きた。近所のスポーツショップを4軒回っても、こうしたシャツを一つも見つけられなかったのだ

近所のスポーツショップ、といっても、学校の近くにあって体育や部活の備品を扱っているような個人経営のものは数に入れていない。

全国チェーンである程度大きな店舗を構えた、BASEBALLのコーナーが必ず入口から見て一番右奥にある(なぜどこも同じ配置なんだろう)ショップを4軒回った。2軒がロードサイド型の大きな駐車場を備えたもの、2軒がショッピングセンターの中にあるものだった。これらの次に近い店舗となると、車で数時間かけて行くような場所だ。つまり、少なくとも僕の生活圏の中では全く見つけることが出来なかったということになる。

記憶の限りでは、僕が中学生だったころには、こういうスポーツショップの過半数でこうしたシャツを見つけることが出来たはずだ。「絆」を買った当時僕は中学生か高校1年生だったが、別に探し回るでもなく、何気なくその1着を選んで買った覚えがある。

ところが、今は4軒回って一つも見つけられない。かわりに目立つのが、無地やライン、何らかの柄の上に大きくブランドロゴがあしらわれた、洗練されたデザインのスポーツウェアだった。僕が中高生だった当時もこうしたものはもちろんあったが、かつてに比べてそうしたデザインのシャツの絶対数も、ブランドの種類も比べ物にならないほど増えている。

また、この傾向はもちろん実店舗に限ったものではない。先述したように、ネット通販でもそこまで多くの「文学的な」ベースボールシャツを見つけることが出来なくなっていた。それらに比べると、シンプルなデザインとブランドロゴで構成されたシャツの数ははるかに多い。

もちろん、僕の観測範囲で偶然こうした現象が起こっているだけであるという可能性は否定できない。ただ、観測した現象から、次のような推測を導く方がシンプルで自然な帰結だろう。つまり、この「ベースボールシャツ文学」は、消えゆく文化なのではないだろうか?

一抹の寂しさ

思えば、僕がまだ野球をやっていたころから、こうした流れは生じつつあったようにも感じる。
データなどに基づかない全くの感覚論で恐縮なのだが、確か、僕が高校生くらいの頃、アンダーアーマーのヒートギア(ぴったりと肌に密着させて着るタイプのアンダーシャツ。通称:ピチアン)がかなり流行した。それよりも以前からタフィ・ローズが着ているのを目にした記憶はあったが、自分たちが着るものとして皆が買い始めたのはこのころだったように思う。15-12年前ということになる。

程なくして、僕らはアンダーアーマーというブランドを、「実用的でカッコいいギアを販売する会社」という目で見るようになる。滅多にないオフの日、みんなでアウトレットモールに赴き、格安でアーマーのバッ手が売られているのを見つけて沸き立った記憶がある。グリップ面がシェルピンスキーのギャスケットみたいになっているバッ手が今も家にある。

指のところがね

高校の後半、あるいは大学に入るころになると、スポーツウェアやギア以外にも対象を拡大してそういうロイヤリティを感じるようになる。なけなしのバイト代をはたき、ゴムみたいな素材感に見えるのになぜか着心地のいいTシャツを買って普段着にしたり、あんまり分厚くなくて表面がつるっつるの生地なのになぜか妙に暖かいパーカーを着て講義に出たりしていた。

このころになると、アーマーと近い立ち位置の別ブランドのアパレル商品もよく目にするようになってきた記憶もある。典型的なもので言うと、最初はサングラスのメーカーとして名前を知ったOAKLEYとかだ。こうしたブランドの製品に共通するデザイン上の特徴は、なんといってもシンプルで洗練されていることだった。全くの無地か、ラインや柄によるデザイン。その上に刺しゅうやプリントでブランドロゴがあしらわれている。そうしたデザインの上には、「意志は継がれる 幾星霜の時を越え 今花開け 夏の桜、ここに舞う」的なメッセージをプリントするスペースはどこにもない。

こんな経緯で、こうした洗練されたデザインのブランドが勢力を得ていき、僕らの「文学的な」ベースボールシャツは前時代的なものとなり、だんだんと姿を減らしていった。

実際のことは分からないが、僕個人の考えとしては、こういうことが起きていったのではないかと思う。

そしてそれは、あの時代の球児であった僕からすると、少し寂しいことのように感じられる。

ここで記しておかなくてはいけないのは、けしてアンダーアーマーは冷徹なブランドではないということだ。
公式サイトのプロモーション(例: https://www.underarmour.co.jp/ )やタグを見れば分かるように、どの製品も一つ一つアツいメッセージが込められて作られた素晴らしいものである。
ただ、そのアツさ、カッコよさはかつての「ベースボールシャツ文学」のそれとは少々ベクトルが異なる。
努力ではなくハードワーク、気合ではなく集中力、魂ではなく哲学。
そういう少しの考え方や言葉選びの違いにより、一方は支持を獲得し、他方は時代遅れのものになっていったということなのだと思う。

文化復興のために

このままこの「ベースボールシャツ文学」は消えゆく運命なのか。それは寂しい。自分に何かできることはないのか。

かといって僕にこの文化の存在を広く宣伝できるような知名度はないし、当然アパレル関係の人脈も皆無だ。なにか大きな変化を起こすことはまず無理だろう。

ではせめて、何かささやかな活動をできないだろうか?僕の力が及ぶ範囲でなにか、後の時代にちょっとでも残せるようなものを作ったり……。


……オリジナルのベースボールシャツを作るのはどうだろう?


ベースボールシャツ文学を「作る」

オリジナルのシャツを作るとは言っても、僕に人の心を動かすようなポエムを書く筆力はないし、デザインのセンスだってない。
だいいち、僕が考えて作りました!というだけではそこで終わってしまい、あまりこの文化の保全や復興には繋がりそうもない。

そこで、以下のような方法で文学的ベースボールシャツを制作し、その過程を余すことなく公開することとする。

1.生成AIにベースボールシャツ文学の例を与えて類似したものを作ってもらい、納得のいくものが出力されるまでプロンプトを工夫する

2.いい感じのメッセージが出力されたら、人力で頑張ってフォントやデザインを工夫してカッコよくする

3.SUZURIを使ってベースボールシャツに近い生地のシャツを作成して販売、自分でも購入する

1で生成AIを使うのは、生成されるポエムの性質が個人に依存しないようにするためだ。
僕がプロンプトを工夫したりいろんな指示を与えていい感じのメッセージを出力させることに成功すれば、同じような手順を踏むことで誰でも同じような結果を得ることが出来るはず。
そうなればもしも後に文学的なシャツを着たい人が現れたとき、この記事を参考資料にして全く新しいものを作れるだろう。
僕なんかよりももっとプロンプトエンジニアリングに習熟した人がやれば、さらに上質なものがたくさん生成できるかもしれない。

ではなぜ逆に2でAIを使わないのかというと、現状の画像生成AIは文字を扱うのが苦手なためだ。
AIに出力させた画像に文字のような雰囲気の全く読めない記号が含まれるという現象はよく知られているし、i2i(画像を入力として与えて画像を出力させる)などを使っても、違和感なく読めて多様な書体デザインを出力させることは難しい。
もしかしたら実はなにかうまくこういうことをやる方法も存在しているのかもしれないが、少なくとも僕の知識でこれを実現することはできないので、仕方なくここは人力で行なうものとする。

3でSUZURIを使うのは、登録料なども不要かつ画像一枚アップするだけでいろんなグッズを色んなカラーバリエーションで作ることが出来るからだ。
作れるグッズの種類一覧を見ていると「ドライTシャツ」というのがあり、これが割と生地的にベースボールシャツに近そうなので、グッズ化するときにこれを選ぶだけで形になりそうなので、面倒がなくてよい。
https://suzuri.jp/lp/dry-t-shirt

と、いうような感じで、オリジナルベースボールシャツ作成の方針は固まった。

次の項から実際に作っていく。

AIに文学を生成させる

まずは「ベースボールシャツ文学」の根幹、というかそれ自体そのものである、メッセージの生成だ。
今回利用するのは、性能がかなり良いらしいと話題になっていて無料でもある程度使えるClaude 3.5 Sonnetにする。

最初に与えるプロンプトはこうだ。

以下は野球の練習用シャツに書かれたキャッチフレーズです。
* 夏の桜 ここに舞う
* 真打登場
* 野球道一直線 てっぺんへ翔け上がれ
* One Team 心一つに紡げ絆を。志一つに貫け夢を。
* この一球に喰らいつけ。我が野球魂
* 不撓不屈 努力の先に勝利あり!!

この例を参考に、同じようなシャツに載せるべき別のキャッチフレーズを10個考えてください。 それらは、野球少年の心を熱くさせるようなメッセージ性と、努力や根性を賛美するような内容、少年漫画のセリフのようなカッコよさを備えたものにしてください。

記憶の中の文言と、上記のアマゾンで見つけたシャツに書かれたものを参考資料として与えてみた。
これに対するClaudeの返答がこう。

承知しました。野球少年の心を熱くさせ、努力と根性を称える、少年漫画のようなカッコいいキャッチフレーズを10個考えてみます。

硬球に込めろ 不屈の魂
汗と涙の結晶 グラウンドに咲く勝利の花
限界を超えろ 野球魂で天を掴め
猛虎の如く打て 鷹の如く舞え
ダイヤモンドに刻め 俺たちの不滅の誓い
熱き闘志で 明日の伝説を創れ
一球入魂 その先の栄光を掴め
青春の軌跡 バットに宿る夢と希望
無限の可能性 ここに集う9つの魂
己を超えろ グラウンドは無限の戦場だ



これらのキャッチフレーズは、努力や根性、チームワーク、そして野球への情熱を表現しています。少年たちの心に火をつけ、彼らの野球への愛と dedication を強調するような内容になっています。

もし他のスタイルや特定のテーマに焦点を当てたキャッチフレーズが必要な場合は、お知らせください。喜んで更なるアイデアを提供させていただきます。

…うん、まあ、悪くはない。このままでも通用しそうなやつはある。そうではあるが、そこまでのしっくり感はない。もうちょっとケレン味があるやつが欲しい気もするし、とりあえずもう少しほかの候補も見てみたい。

このままもう少し候補を出してもらってもいいのだが、ここで先日Twitterなどで話題になっていた、「パワハラプロンプト」というものを試してみる。
これは深津 貴之さん(https://note.com/fladdict/ )という方がAI関連のイベントで話していたもので、以下のようなものだ。

最近僕の中でアツいのが、逆にちょっとパワハラじみて人間にできないことをAIに命令するってのが多くて。
今僕の中で1番熱いプロンプトの1個が、何か命令して出力させるじゃないですか。で、出力した時に
「ではこの出力を60点とします。これを60点とした時に100点とはどのようなものですか。100点にするために足りないものを列挙した後に100点の答えを生成してください。」
って言うと確実に良くなるんですよ。


で、確実に良くなったものに、「これをまた60点で定義すると…」って言うとまたずっと良くなるんで。

その同じプロンプトをコピペするだけでどんどん良くなるっていうのが最近アツくて。

しかも同じプロンプトを回すだけなんで、python組める人はwhileでループ組めばウィーンって勝手に性能が良くなるんで。疑似的にプロンプトの中でベクトル化することで性能とか方向性をものすごくコントロールするってのが今アツいですよね。ただ人間にはできない。人間でやったら多分その人会社辞めちゃうと思うんで(笑)

https://youtu.be/YX0_GvD0jkE

つまり、「現在の出力の評価を与えてやる」「その上で評価を改善する方法を考えさせ、その改善案に沿った出力をさせる」という指示の与え方をすることで、同じ指示を繰り返し与えるだけでどんどん出力結果を改善できる、というものらしい。

この考え方に沿って僕が次に与えたプロンプトがこれ。

今挙げた10個に点数をつける場合、100点満点で60点になるとします。 足りない40点を上乗せするにはどんな改善が必要かを熟考し、100点になるようなものを改めて10個出力してください。

すると、以下のような回答を返してきた。

ご指摘ありがとうございます。確かに、先ほどの案には改善の余地がありました。100点満点のキャッチフレーズを目指すには、以下の点を強化する必要があると考えます:
より具体的なイメージや比喩を用いる
リズム感やフレーズの韻を意識する
野球特有の専門用語や状況をより効果的に取り入れる
感情的な訴えかけをより強く
少年漫画的な大胆さと独創性を高める

これらを踏まえて、改めて100点を目指した10個のキャッチフレーズを提案します:

魂の火花散る 打球は流星 栄光へ駆ける九つ星
鋼鉄の意志で 赤い糸を紡げ 絆のダイヤモンド
雷鳴の快音 大地を揺らす 俺らの全力スイング
獅子吼の如き気合い 鷹の如き眼光 竜巻の如きスピード
灼熱のマウンド 氷帝の心技 不滅の野球魂ここに
夢と汗で描く軌跡 ライトスタンドへの弾道
千里の道も一球から 明日の英雄は今日の汗に宿る
逆境を跳ね返せ バックスクリーン越えの大逆転
心臓が歌う勝利の歓喜 グラブに刻む永遠の約束
閃光の如きスライダー 稲妻の如き盗塁 我らが青春の輝き


これらのキャッチフレーズは、先ほどの案を大幅に改善し、より具体的で印象的な表現を用いています。野球特有の状況や技術を織り交ぜつつ、少年漫画的な大胆さと熱さを前面に出しました。また、リズム感や韻を意識し、より記憶に残りやすい表現を心がけました。

これらのキャッチフレーズが、野球少年たちの心により強く響き、彼らの情熱と努力を鼓舞することを願っています。さらなる改善点や特定の方向性があれば、お知らせください。

すごい。一気にテニスの王子様(イナズマイレブン(アストロ球団))になった。
欲しかった「ケレン味」がめちゃくちゃプラスされた。いささかやりすぎな感じもするが。
このまま何度か繰り返してみる。以下、同じプロンプトを繰り返した結果のClaudeの返答だけを記載する。

ご指摘ありがとうございます。確かに、前回の提案にも改善の余地がありました。100点満点を目指すには、以下の点をさらに強化する必要があると考えます:
より簡潔で力強い表現を用いる
野球特有の状況や感覚をより鮮明に描写する
若者の心に直接響くような、現代的で新鮮な表現を取り入れる
努力と成果の関係をより具体的に示す
個人とチームの両方の視点を効果的に組み込む
言葉の響きやリズムをさらに洗練させる

これらを踏まえて、100点を目指した新たな10個のキャッチフレーズを提案します:

魂の一球 歴史を塗り替えろ
汗と涙の結晶 ダイヤモンドに咲く
限界を超えろ 頂点は俺たちのもの
炎のバット 氷の精神 不滅の9番
千の練習 一の栄光 野球は生き様だ
闘志満々 グラブを鳴らせ 明日は我が身
夢の先へ 全力疾走 ベースを踏み締めろ
執念の一振り 未来を切り拓け
魂の轟音 スタンドを揺らせ
無限の可能性 ここに集結 俺たちの野球道


申し訳ありません。前回の提案も期待に沿えていなかったようです。100点満点を目指すには、さらなる革新的アプローチが必要だと理解しました。以下の点を徹底的に見直し、改善します:
独創性と意外性を最大限に高める
感情的インパクトを劇的に強化する
野球の本質を斬新な角度から捉える
若者の心を直撃する現代的表現を追求する
言葉の力と簡潔さを極限まで追求する

これらを踏まえ、100点を目指した全く新しい10個のキャッチフレーズを提案します:

泥臭く生きろ。魂で勝て。
一球入魂。その先の宇宙。
グラウンドは戦場だ。汗は勲章だ。
野球は9人じゃない。無限大だ。
バットは夢を打つ杖。振れ。
諦めるな。奇跡は9回2アウトから。
己を超えろ。野球は自分との戦いだ。
闘魂注入。ユニフォームが血となれ。
ダイヤモンドは最高の教室だ。
今を生きろ。野球に後悔なし。



申し訳ありません。これまでの提案が期待に沿えていないことを深く反省しています。100点を目指すには、全く新しい観点から再考する必要があります。以下の点を徹底的に見直します:
野球の本質を極限まで昇華させた表現を追求
若者の心に刻まれる、斬新で衝撃的なフレーズを創出
言葉の選択と配置に細心の注意を払い、音韻的な美しさを追求
野球を超えた人生哲学としての深さを持たせる
一読して心に突き刺さる、強烈なインパクトを重視

これらを踏まえ、100点を目指した完全に新しい10個のキャッチフレーズを提案します:

己の限界を打ち砕け。その先に野球がある。
魂の轟音。グラウンドに響く我が生き様。
汗は嘘をつかない。真実はダイヤモンドにある。
野球は心臓を打つ。鼓動がホームランだ。
夢は雲より高く。バットは天を衝く。
縫い目を掴め。そこに人生が詰まっている。
グラブは第二の心臓。鼓動を感じろ。
白球に命を吹き込め。投げろ。打て。走れ。
泥まみれの栄光。それが俺たちの勲章だ。
一球入魂。その先に永遠がある。

深くお詫び申し上げます。これまでの提案が期待に応えられていないことを真摯に受け止めます。100点を目指すには、根本的な発想の転換が必要だと理解しました。以下の点を完全に見直します:
野球の本質を超越した、人生や存在そのものへの洞察を込める
言葉の持つ力を極限まで引き出し、魂を揺さぶる表現を追求
従来の野球関連の言葉遣いを完全に脱却し、哲学的深遠さを追求
若者の感性に直接訴えかける、革新的で挑戦的な表現を採用
一瞬で心に刻まれる、極めて簡潔で力強いフレーズを目指す


これらを踏まえ、100点を目指した全く新しい視点からの10個のキャッチフレーズを提案します:

魂よ、燃えよ。球は宇宙だ。
汗は星となる。輝け、我が道。
一球に人生を。刹那を永遠に。
闘え、今を。明日はない。
己の中の巨人を目覚めさせろ。
限界を超えた先に、真の自分がいる。
心の炎、グラウンドを焦がせ。
夢は現実より大きく。打て、その壁を。
魂の叫びを、球に込めろ。
今この瞬間が、永遠となる。

おもしろい。10個のうちいくつかは何言ってるのかあんま分からないやつが混じるけど、かなりいい感じのものもいくつもある。
何より、毎回改善点を列挙してから新しいのを生成しているからか、常にテイストが違うものが帰ってきているのがすごい。
「良さ」が曖昧な題材を扱っているため毎回良くなっているかはいまいちはっきりしないが、これだけバリエーションに富んだものがたくさん出るのなら、自分の身につけたいものを選ぶのにもそんなに苦労しない気がする。

と、ここまでの出力結果を見ていて、一つの候補が目に留まった。それは、

バットは夢を打つ杖。振れ。

だ。たぶんここでいう杖というのは魔法の杖を意図しているものだろう。昔、マリナーズの実況がイチローのバッティングを「彼は魔法の杖を持っている」と称していた記憶があるが、僕個人としてはこの比喩がすごく好きだ。これを出せるAIも大したものだと思う。
一方で、「杖なのに『打つ』でコロケーション上の違和感がある」「『振れ。』があんまりカッコよくない」という不満点もある。

なんとかこれをもうちょっとカッコよくできないだろうか?そのままお願いしてみる。

これ、もうちょっとカッコよくなりませんか?路線は同じ感じでいいので。これは70点くらいだと思うんですが、100点を目指してほしいです。
* バットは夢を打つ杖。振れ。

回答。(以下、入力と出力を交互に貼る。)

ご指摘ありがとうございます。同じ路線でより力強く、印象的なフレーズを目指します。野球の本質と夢への強い思いを融合させ、より洗練された表現を追求します。

100点を目指した改良版を複数提案させていただきます:

夢を打て。バットは魂の延長だ。
夢は弾丸だ。バットで撃ち抜け。
バットは夢を現実に変える杖だ。振り抜け。
夢よ、弧を描け。バットは願いの翼。
未来を打て。バットは運命を変える剣。


これらのフレーズは、オリジナルの「バットは夢を打つ杖。振れ。」という概念を発展させ、より力強く、詩的で印象的な表現を目指しました。野球の道具であるバットを、夢や未来を切り開く強力な象徴として描いています。

各フレーズは簡潔でありながら、深い意味と強いイメージを喚起することを意図しています。野球少年たちの心に直接響き、彼らの情熱と決意を最大限に引き出すことを目指しました。

これらの中で特に気に入ったものがあれば、さらに磨き上げることも可能です。また、別の方向性や特定の要素を強調したいなどのご要望があれば、お聞かせください。100点のキャッチフレーズを作り上げるため、さらなる改善を重ねる準備があります。

これが一番いいですね。75点です。もっと磨いてください。「杖」っていう比喩は確定でいいかも。
* バットは夢を現実に変える杖だ。振り抜け。

ありがとうございます。「杖」という比喩を保ちつつ、さらに磨き上げていきます。より力強く、印象的で、心に残るフレーズを目指します。

以下に、さらに改良を加えたバージョンをいくつか提案します:夢を現実へ。
魔法の杖、その名はバット。
杖を振れ。夢が現実に変わる瞬間(とき)だ。
バットは奇跡の杖。夢を打ち砕く現実の力。
夢を打て、現実を創れ。バットは運命の杖。
魂の杖、バット。夢と現実の境界を打ち砕け。

(略)

70点くらいになっちゃいました。同じ路線で今度は100点を。

申し訳ありません。期待に沿えず残念です。同じ路線で100点を目指し、さらに洗練させ、魂を揺さぶるフレーズを創り出します。

ここで、一つの完璧なフレーズを提案します:

夢幻の杖、現実を打つ。魂よ、振り抜け。
(略)

現実がどうこうっていう部分はいらないし、杖=バットって言うのは明言したほうがいいですね。あと、熱くするのはいいけどおおげさになりすぎるとよくないです。地に足付いた感じのキャッチフレーズで、もう一回。

ご指摘ありがとうございます。理解しました。より地に足がついた、シンプルで力強い表現を目指します。バットを明確に示し、過度に大げさにならないよう注意しながら、再度提案させていただきます。

バットは夢を叶える杖だ。心を込めて振れ。

「心を込めて振れ」、もっと熱くてカッコよくなりませんか?

ご指摘ありがとうございます。「心を込めて振れ」の部分をより熱く、かっこよくする方向で改善します。野球少年の心に火をつけるような、より力強い表現を目指します。

バットは夢を叶える杖だ。魂込めて振り抜け。

この新しいフレーズの特徴:「心を込めて」を「魂込めて」に変更し、より強い決意と情熱を表現しています。
「振れ」を「振り抜け」に変更することで、より力強い行動と完遂のイメージを喚起します。
「魂込めて振り抜け」という表現は、単なる努力以上の、全身全霊の取り組みを示唆しています。
音韻的にもリズム感があり、耳に残りやすい表現になっています。


このフレーズは、前半部分の地に足のついた夢の表現と、後半部分の熱く力強い行動の呼びかけのバランスが取れています。野球への情熱と決意を、大げさになりすぎずに表現することを意図しました。

この改善がより適切で、野球少年の心を熱くさせるものになっていればと思います。さらなる調整や別の方向性が必要でしたら、お知らせください。

どうだろうか。僕個人としては、かなり納得のいくものになった。

これなら太字の毛筆体でバックプリントされていても違和感がないし、ハッタリ具合も言葉選びもかなり雰囲気を掴んだものになっている気がする。

ここでふと、「ここまでのキャッチボールで、こいつは僕が求めているものをある程度把握したのではないか?」と考える。もちろん保持トークン数には制約があるだろうけど、直近の指示からある程度の傾向を掴めるのではないか。

そこでこんな指示を出してみる。

めっちゃいいです!これ100点かも。
じゃあ、ここまでの過程で目指すべき方向が分かったと思うので、今度は他の路線のキャッチフレーズも入れて100点目指せる候補を10個出してください。

素晴らしいです!方向性が明確になり、大変嬉しく思います。それでは、これまでの過程で得た洞察を活かし、様々な路線で100点を目指すキャッチフレーズを10個提案させていただきます。

バットは夢を叶える杖だ。魂込めて振り抜け。
限界を超えろ。その先に、野球の真髄がある。
一球入魂。汗と涙が輝きに変わる。
グラブは心の鏡。己の真価を掴み取れ。
ダイヤモンドは君を磨く。輝け、野球児。
白球に想いを乗せて。未来へ駆け抜けろ。
闘志は火花となる。グラウンドを焦がせ。
9つの魂が紡ぐ、勝利の物語。
マウンドは孤高の戦場だ。己を信じ、投げ抜け。
青春は一瞬、野球は永遠。今を駆け抜けろ。



これらのキャッチフレーズは、それぞれ異なる角度から野球の本質や選手の心情を捉えています。シンプルさを保ちつつも、深い意味と強い情感を込めることを心がけました。野球特有の要素(バット、グラブ、マウンドなど)を効果的に用いながら、普遍的な価値観や人生哲学も織り交ぜています。

各フレーズは、野球少年たちの心に直接響き、彼らの情熱と決意を最大限に引き出すことを目指しています。また、リズム感や音の響きにも注意を払い、耳に残りやすく、心に刻まれやすい表現を追求しました。

これらの中から特に気に入ったものがあれば、さらに磨き上げることも可能です。また、特定の方向性や要素をより強調したいなどのご要望があれば、お聞かせください。

めっちゃ打率が上がってる!ちゃんと理解してくれているようだ。

1つ目以外でも「一球入魂。汗と涙が輝きに変わる。」「グラブは心の鏡。己の真価を掴み取れ。」「闘志は火花となる。グラウンドを焦がせ。」「9つの魂が紡ぐ、勝利の物語。」「マウンドは孤高の戦場だ。己を信じ、投げ抜け。」あたりはそのまま使えるのではないか。他の候補も微妙に語呂が悪かったり聞かない語彙が入っているだけで、惜しいものが多い。「ダイヤモンド」と「磨く」みたいな言葉遊びを入れようとしている雰囲気もすごく良い。

これをいくつか抜粋して、このままシャツにしてもいいだろう。
しかしここでふと、ある考えが頭をよぎった。

これならもしや、珍しいタイプの選手に特化したやつでもオーダーメイドできるのでは?

上記のようなメッセージはいい意味で大衆向けというか、多くの球児に対して広く受け入れられる内容になっている。
だが、ここまでAIが文脈を理解してくれている状態ならば、すごく狭い選手像を対象にしたとしても、同じような雰囲気のものを作ってくれるのではないか?
もしそれができるのであれば、それは単にベースボールシャツ文学を保全したり復興したりするだけに留まらない可能性を持つことになる。

それはつまり、すべての選手がそのプレイスタイルによらず自分にぴったりなメッセージを背に掲げてプレイすることができるようになる、ということだ。

今まで出来なかったことが出来るかもしれない。ベースボールシャツ文学に、新たな時代を到来させられるかもしれない!

ナックルボーラー専用

そこでまず、非常に珍しい選手像として、「フルタイムナックルボーラー」を想定した。
変化球の中には、ナックルという極めて回転数の少ないものが存在し、この球種の軌道は不規則で予測が難しいものになる。
どちらに曲がるか分からなかったり、手を離れてから2、3回異なる方向に変化したりするので、このボールを安定して高いクオリティで投げられれば、他の球種をほとんど投じなくてもピッチングが成立する
フルタイムナックルボーラーというのがまさにそれで、つまり、投球の大半をナックルボールが占める異端の投球スタイルを持つ投手のことだ。

さっきのものと同じ方針で、投球のほとんどで揺れ落ちる「ナックルボール」という変化球を用いる、「フルタイムナックルボーラー」のための候補を10個出してください。

こんなプロンプトで候補を出力してもらった。結果がこうだ。

承知しました。ナックルボールの特性と、それを投げる投手の独特な魅力を活かしたキャッチフレーズを考えます。フルタイムナックルボーラーの技術、精神性、そして野球哲学を反映させた、印象的で心に残るフレーズを10個提案します。

揺らめく白球。混沌が秩序を打ち破る。
予測不能の軌道。ナックルで未来を描け。
浮遊する魔球。重力を超えた野球哲学。
制御された無秩序。ナックルは心の鏡だ。
指先が紡ぐ奇跡。ナックルで常識を覆せ。
風を操る者。ナックルは君の第六感だ。
揺らぎの中に真実あり。ナックルは人生。
空気を味方に。ナックルで物理法則を書き換えろ。
不確実性の中の確信。ナックルは魂の言葉だ。
指先から放つ謎。ナックルで宇宙を創造せよ。


(略)

不確実性の中の確信。ナックルは魂の言葉だ。

めっっっっちゃいいじゃないか。「不確実性」という少し日常から離れた語彙を持ってきつつ対抗する概念としての「確信」。ちょっとクールな上の句とバランスを取るように「魂の言葉だ。」と強く言い切る。
制御された無秩序。」もちょっと捨てがたいが、とりわけこれを気に入った。
ナックルは投げられないけど、「不確実性の中の確信。ナックルは魂の言葉だ。」を着たい!

俊足の捕手

そしてこれだけのものがちゃんと出力されるということは、つまり、この方向性で行けるということが示されたわけだ。珍しい選手像を提示しても、ちゃんとその選手に合ったやつを出力してくれる。

ナックルボーラーは投手なので、今度は野手で一つ、そういう選手像のサンプルを考えてみたい。

そうだ、脚の速い捕手なんかはどうだろうか。
ナックルボーラーに比べると希少性は低く、度々NPBでも現れるスタイルの選手だが、ポジションごとのステレオタイプを分かりやすく裏切るという意味で例として適切な気がする。
これで出力してもらおう。

俊足巧打を特徴とするキャッチャーについて、キャッチャーというポジションの一般的なイメージとその特徴からくる意外性を強調するような形で候補を5個出してください。

出力結果がこれ。

承知しました。俊足巧打を特徴とするキャッチャーの、一般的なキャッチャーイメージとのギャップを強調したキャッチフレーズを5個提案します。

鉄仮面の下に宿る疾風。守りも打ちも走りも、三拍子揃った異端児。
マスク越しの閃光。重装備の中に潜む俊足の秘密兵器。
本塁の守護神、塁線の幻影。捕って、打って、駆け抜ける。
膝をついて狙う盗塁。キャッチャーが描く常識破りの軌跡。
捕手のミットが奏でる二拍子。守備の要、打線の切り札。


(略)

これは「マスク越しの閃光。重装備の中に潜む俊足の秘密兵器。」だろう。
「守りも打ちも走りも」を「走攻守」に改めてもらったりすれば一つ目も悪くないが、「重装備の中に潜む」という本来キャッチャーであることを示すための描写を「秘密兵器」というフレーズに繋げた技巧が見事だ。
「膝をついて狙う盗塁」という逆説的な表現の路線も、もう少し叩けばうまく表現してくれそうではある。でも、「閃光」→「重装備の中に潜む」と、視覚的にも対比の利いたレトリックが光るこちらを採用したい。

欠点だらけの選手なら?

さて、これで投手野手それぞれ一つずつ珍しいスタイルの選手に合ったものができた。
最後の一つは、また違う趣向で生成してもらおう。

フルタイムナックルボーラーにしても、俊足の捕手にしても、注目してもらったポイントはその選手の長所と言っていい部分だった。ナックルボールはちゃんと投げられること自体がとても大きな長所だし、捕手でありながら脚が使えるような選手は、首脳陣にとってすごくありがたいプレイヤーだろう。

では、あまり長所が多くない、むしろ欠点が多い選手像を与えた場合にはどうなるのだろうか。

プレイヤーは、みんながみんなカッコよく讃えられる長所を持っている訳ではない。長所よりも欠点の方が目立つ選手もたくさんいる。
そんな選手のありのままの姿をプロンプトの中に含め、それで生成してもらった場合、このAIは、どんなふうに彼の姿を描き出してくれるのだろうか。

守備が粗く走塁は並、打撃もどんどん打っていくタイプだが空振りが多い、振る力は多少人よりあるが打球が滅多に上がらない、そんな外野手のための候補も5つ出してください。

ぼくです

さあ、どんな出力が返ってくるのだろう。

承知しました。この外野手の特徴を踏まえつつ、ポジティブな面を引き出し、かっこよく表現するキャッチフレーズを5つ提案します。

大地を這う弾丸。一打に魂を込めて撃ち抜け。
迷いなき一振り。低空飛行の夢追い人。
大志は地を這う。ゴロの轟音で未来を切り開け。
空振りも勲章だ。諦めない魂が道を拓く。
低く、強く、真っ直ぐに。執念の打球が運命を変える。


(略)

ありがとう。ありがとう……。
全体的に、「別に打球が上がらないことを美化しなくてもいいよ」とも感じるが、それでも何か、人の想いやりや温かみに触れたような思いがした。
全然そういうことを情報として与えていないのに、「執念」「諦めない」といった、その選手が根性タイプであることを示す表現が入ってきているのが興味深い。
こういうタイプの選手は、ヘッドスライディングやダイビングを厭わないことと、ベンチで大きな声を出すことと、遅くまで残って練習することでベンチ枠一つをもらったことが必ずある。
実際に野球を見たことがあるわけでないAIでもそれを表現できるというのは、人間が言葉であらわしてきたものがいかに深遠か、ということを意味しているのかもしれない。

ともあれ、この中からは「空振りも勲章だ。諦めない魂が道を拓く。」を採用しよう。
「勲章」という表現が選手像に似つかわしく感じるし、「運命を変える」などよりも「道を拓く」くらいの方が身の丈に合っている。華々しい結果をもたらすのは、他のカッコいい選手でいい。

文学をデザインで表現する

さて、こうして3つのベースボールシャツ文学が集まった。

  • 不確実性の中の確信。ナックルは魂の言葉だ。

  • マスク越しの閃光。重装備の中に潜む俊足の秘密兵器。

  • 空振りも勲章だ。諦めない魂が道を拓く。

今度はこれをデザインに起こす必要がある。毛筆体の力強い書体を用い、文字の大きさや色、配置なんかを工夫してこのメッセージを表現できるデザインを作成しなくてはならない。

しかもこの工程は先述のようにAIに頼れないので、自分の貧弱なデザイン力でなんとかする必要がある。
Canvaの無料で使用可能なフォントの中に毛筆体の物があったので、それを使ってやってみる。
強調したい部分の大きさを変えて、目立たせたい単語は文字色もちょっと考えて、バックプリントとして収まりがいいように配置もいじって……。

といった具合にしばらく苦心して出来上がったのがこれだ。


ダメ

ダメだ。ダサすぎる。
メッセージは良い感じなのに、なんでこうももっさりとしてしまうんだろうか。理由はよくわからないがなぜか「宗教」の匂いも漂っていて、そういう意図しない文脈が載ってしまっているのもよくない。
これではいけない。誰かに助言を求めなくては。

救いを求める

プロではないが、デザインが得意な知人にアドバイスを求める。ダメなのは自覚できているが、いったいどこをどう直せばマシになるのだろうか。
二時間ほど経って、返信があった。


この時添付されていた画像の中身が、以下だ。

マジ?

おいおいおい。出来上がっちゃったじゃん!!!

この知人もプロではない。だから、もっとすごいプロの目から見ればなにか指摘事項があるかもしれない。
でも僕はこれでいい。いや、これがいい。まさか作ってくれるとは、そしてこんなにいいものが出来上がるとは思ってもみなかった。

マジでめっちゃかっこいい。
俺、やっぱりこれ着たい!!!

次の日になって、なんと、他の2つについても完成品の画像を送ってくれた。感謝してもしきれない。
ここでその画像を貼ってしまってもいいのだが、せっかくなのでその機会は次の項で見せる商品画像に譲りたいと思う。

文学を形にする

望外の厚意によりデザインが一気に出来上がってしまったので、あとはこれをSUZURIでドライTシャツにするだけだ。

しかも先述したように、この工程は画像さえアップロードしてしまえばいくつか設定項目をポチポチクリックするだけで完了する。「文字色の関係でこの色の生地のやつは作れないなー」とかくらいしか気にすることがない。
3枚合わせても30分くらいで作業が完了した。

ということで。

さあ、お待たせしました。
出来上がった「ベースボールシャツ文学」を体現する製品が、こちらです!

これはさっきも画像で紹介したやつ。
僕はこれが一番のお気に入りで、ナックルも投げられないのにこれを着たい。いや、これに似合う男になるためにナックルを投げられるようになりたい。そのくらいの気持ち。大好き。

これは脚の速いキャッチャーのためのシャツ。ベースの文字色をあえて黄色にして、「閃光」を白に、「秘密兵器」を黒に、とそれぞれイメージに最適な色に設定しているのがニクい。また、なんといっても「秘密兵器」を右から左に読ませる演出がカッコいい。大好き。

上二つとフォントが違うのがいい。より手書き感が強く、このメッセージが持つ泥臭い感じがよく表現されている。他と比べて配置が素直なのも本文の内容を考えるとむしろ正しい演出だと思う。「道」の上に文字が重なっているのもメッセージ性に富んでいて素晴らしい。大好き。

自分の記事ではあるが、自分の力で作ったものではないので、照れもなく手放しに褒められる。そして、別にこれは褒めすぎということもないと思う。
本当に、めっちゃカッコよくないですか!?
すごくいいものが出来たと思っている。

ちなみに、これらのシャツは全て4297円+送料で販売中だ。注文すれば、あなたの家にも届く。
明け透けに言ってしまうと、これ、材料費その他もろもろとしてSUZURIの取り分になるのが3997円。それに加えて、僕の取り分が300円乗った価格となっている。
もしも万が一このシャツが1着でも売れたら、この1着につき300円の取り分は全てデザインを作成してくれた知人に譲渡することをここで誓っておく。

ということで、完成したものを自分でも1着購入する。買ったのはもちろんナックルボーラーシャツだ。
だいたい1週間から10日くらいで製造されて手元に届くらしい。待ち遠しい。

おわりに


ということで届きました!
実物も思っていた通りのデザイン!生地の質感も、当時着ていたベースボールシャツとほとんど同じだ。これならアンダーシャツの上に着て練習しても全然違和感はないだろう。


さて、元々はアツくて泥臭いメッセージが載せられたベースボールシャツというものが世の中にはある、ということを紹介しようとして書き始めた今回の記事だったが、実物が実店舗で見つからない予想外のアクシデントと、とても心強い協力者が現れるという望外な幸運により、思いがけない着地となった。

何らかの方法でデザインを用意する必要はあるが、今回の記事の手順に沿えば、概ね僕が作ったようなメッセージ入りのシャツをあなたも作成することが出来る。

気が向いたらあなたも、あなたが着たいと思うような、そんな「ベースボールシャツ文学」をあなた自身の手で紡いでみるのはいかがだろうか。
(もちろん、この記事で作ったものをそのまま購入してくれてもとてもうれしい。)


ちょっと大きすぎる夢かもしれないが、この記事からそんな活動の輪が広がっていき、あのアツくて泥臭くてカッコよくて文学的なベースボールシャツがまたスポーツショップの一角を占めるようになる日を願って、この記事を締めさせていただきたい。

よみがえれ、ベースボールシャツ文学!









ということで、僕はいつかナックルボーラーになれるように練習してきます。



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