チェーンとか個人経営とか

某チェーンが全店クローズになってしまいました。

意欲的に情報を集めている訳でもないし、件のジムにも行ったことがないので詳細は分かりませんが、あまりにも不誠実ですね。人を集めるだけ集めておいて、なんの予告もないまま突然閉店して、現在の時点ではパスや回数券の払い戻しの対応についても明確にされていないですし。

単に経営的な判断だけを優先した結果なのでしょうが、それで何人ものクライマーが迷惑を被っているのですから、せめて今後の対応はしっかりとして欲しいですね。

まぁ、クライミング自体がひたすら高尚で全てを継承していくべきとは思わないし、実際チェーン店だからできることもあるんでしょうけど、これまでクライミングを支えてきた個人経営のジムやクライミング自体のリスペクトがなければ、また同じようなことが起こるだろうし、もっと面倒なことが起こるだろうとも思うので、依然現状に対する危うさは感じています。

そりゃ個人経営のジムだってやばいところはあると思いますよ。僕自身嫌な思いをしたこともありますし。初心者の時分に訪れたジムでスタッフだか常連だかわからんジジイに怒鳴られたとかね。

あー、書いてて思い出したけど、わけもわからないまま罵詈雑言を投げかけられて、危うくクライミング自体が嫌になるところだったんだ。って言うか一緒にいた友達はそれでクライミングやめちゃったんだよなー。

しばらくしてからその理不尽さに腹が立って、次会ったら「ガンバ!ガンバ!」って言いながら尻から大きめのスローパーを突っ込んで奥歯ガタガタ言わせてやろうとか思っていたのにすっかり忘れてた。

記事にも書いたけど、スタッフに課題を通して嫌がらせをされたりとかもあったし。リーチクライマーを殺す課題だったかな?ジムが少なかった頃は殿様商売でそんなことも罷り通っていたんだとは思いますけど。まぁ今も昔も横柄なスタッフはどこにでもいますよ。

それでも黎明期から今日に至るまでクライミングを支えてきたのは個人経営のジムだし、それで人生が変わったことも事実なので、感謝していることの方が圧倒的に多いんですよね。

じゃあ具体的に個人経営のジムの良いところってどこなのさ?って言うお話になるんですけど、うーん、例えばですけどジムにいくといつもいるおじさんだったり、会うとお菓子をくれるおばさんだったりするんじゃないかないですかね。

あの人たち一線は退いているけれど経験豊かなクライマーだったりしますからね。

僕がリードをやってみたいと言った時も、どこかからロープを引っ張り出してきて八の字結びを教えてくれたり、クイックドローへのロープの掛け方も教えてくれたし、師匠とも繋いでくれたんだったかな?とにかくお世話になりましたね。

熟練クライマーに混ざっての合宿は楽しかったなぁ。岩場の開拓をしてきた人の話も聞けたし、意外とレジェンド世代とも距離が近いと言うか、狭い業界なんだなと思いつつ、そんな有意義な時間が過ごせたのは、そういう環境があって繋いでくれた人たちがいたからなんですよね。

じゃあこれから先、若者向きのオシャレなジムが増えたとして、このままだとそこにそういう人たちがいるビジョンが湧かないんですよ。

だからこれまで自然発生していたチュートリアルが発生せず、クライミングのいろはを学ばないまま登るって言うのはちょっと怖いなって。

そりゃ自分で学ぶことで身につくこともあるし、今はYouTubeでも何でもありますけど、リードなんかは特に自分や仲間の命、先人や他のクライマーの責任も背負って登ることになりますから、人から学ぶべきだと思いますよ。

それに何かあった時に「あの人ならどうするか」って具体的にイメージできるのは大きいんじゃないですか。別に事故とか絶体絶命の時じゃなくてもクライミングをしていて疑問にぶち当たった時に、自分が好きなクライマーたちならどうするかって大きな指標になりますよね。

チェーンだからそれができないとは言わないですけど、個人経営のジムとそこにいた人たちが繋いできたものってすごく大切だと思うんで、そういったところへのリスペクトは持ちつつ、時代に沿った進化をして言って欲しいなと思います。

とりあえず現状はチェーン展開している多くのジムに対して良いイメージは持ってません。個人経営のジムに対して思い入れがあるだけだろ、と言われたらそれはそうなのだと思います。

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