見出し画像

春画の手足は美しい・其の二 -かかとを持つ手、持たれる足-

現代ではみんな靴を履く。しかし昔は違う。江戸以前は男も女もだいたい裸足に草鞋、草履、下駄などを履いていた。つまり、足を見せる。だから、足を魅せる。和服から露出する部位は顔と手と足。この三種の神器を駆使し、己をアピールする。

足の持ち方一つ取っても、その所作には美意識が表れる。勿論、持たれる足にも。

上図:喜多川歌麿(1753頃~1806)「絵本小町引」より|さすが歌麿。とにかく絵の完成度が高い。かかとを持つ手の優しいこと。絵全体から指一本まで細部にまでこだわるその神経質っぷりは凄まじいの一言。

上図:鳥文斎栄之(1756~1829)「四季競艶図」より

上図:歌川豊春(1735~1814)「艶画拾貳図」より|手と足のコンビネーションが美しい。全体図を見ると落ち葉のように手足がひらひらと舞うように配置されている。


僕は、「関係」をテーマに「春画」における手足の表現を引用したシリーズ「the Couple」を制作しています。興味がおありの方は是非チェックしてみてください。 KANEKO SHINICHI www.shinichikaneko.com


作品の制作・展示の実現のために、サポートよろしくお願いいたします。