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兼子真一
2018年8月27日 13:07
春画の手足は一方通行ではない。一方が触れるとき、それは同時に触れられている。互いの関係が手足のつながりの中で脈打つように行き来する。登場人物たちの関係や感情の動きは春画の手足にもっとも表れる。手足や指先を見れば、そこに動き続ける「物語」を感じる事が出来るだろう。 上図:歌川国芳(1798~1861)「当世小紋帳」より|のけ反る女を引き寄せる男。この手足を中心に互いはバランスを取る。つながる
2018年8月23日 18:02
現代ではみんな靴を履く。しかし昔は違う。江戸以前は男も女もだいたい裸足に草鞋、草履、下駄などを履いていた。つまり、足を見せる。だから、足を魅せる。和服から露出する部位は顔と手と足。この三種の神器を駆使し、己をアピールする。足の持ち方一つ取っても、その所作には美意識が表れる。勿論、持たれる足にも。上図:喜多川歌麿(1753頃~1806)「絵本小町引」より|さすが歌麿。とにかく絵の完成度が高い
2018年8月22日 16:20
2015年、日本初の春画展が開催された。その中で、もっとも衝撃を受けた春画が「欠題春画絵巻六図(絵師不詳/江戸時代)」だ。よく見てみると、大胆に戯れる男女は絵の隅っこの方でモゾモゾとなにやら遊んでいる。なんと!こんなとこで・・・指先での戯れ。指先に宿る宇宙。絵師たちは手足に世界を重ね表現する。僕が春画の手足に魅了された理由だ。絵の中央で鑑賞する人たちの横で、隅っこの手足の戯れに絶句し感