大谷翔平から学ぶ『お金を稼ぐ人の考え方』
こんにちは、お金が入るでかねいりです。
12月15日に大谷翔平選手のロサンゼルス・ドジャースへの入団会見が行われました。
大きな話題となったのは7億ドル(1ドル145円換算で1050億円)という破格の契約金額。これまでのすべてのスポーツ界の選手の中でNo.1の契約金額となりました。言い換えれば、これまでのすべてのスポーツ選手の中で一番稼げる選手になったと言えます。それが日本人というのは、とても誇らしいことですね。
今日は、大谷選手がなぜ世界一稼げるスポーツ選手になったのかということについて考えたことをお伝えできればと思います。
■契約金額以上に驚かされたこと
今回の契約で、さらに驚かされたことがありました。
それが『後払い契約』です。
大型契約になった際に、後払いにする選手は多いものの、その割合がこれまで選手とは違っていました。通常は20~30%を後払いにするということはあるのですが、大谷選手は全体金額の97%を後払いに。これは前代未聞のことでした。1年換算すると、大谷選手が受け取る年俸は約200万ドル(約2.9億円)だけになる計算です。
大谷選手がバレロ代理人に対して、「僕の年俸を全部繰り越したら、チームは勝ちやすくなるの?」と問いかけたことが異例の契約に踏み切るきっかけになったとアメリカのスポーツ紙『Sports Illustrated』は伝えています。
ここからわかるのが大谷選手の「とにかく勝ちたい」という強烈な意思です。大リーグには、サラリーキャップ制度というものがあり、1年間に選手へ支払うことができる総額に制限がかけられている。大谷選手への年俸が抑えられることで、ドジャースはチーム強化のために投資できる金額を確保できることになります。
このことから、お金より勝利へのこだわりを強く持っている大谷選手の考え方が良くわかります。
■大リーグ初挑戦の際の契約内容にも驚かされた
ご存じの通り、大谷選手は高校卒業後に世界一の選手になるという目標のため、大リーグへの挑戦を目指していました。それに対して、日本ハムが当時の栗山監督を中心に、日本で活躍して大リーグを目指すという道を提案。日本球界から大リーグを目指す決断をしました。
21歳のときに、15勝、防御率2.24、勝率.750で最多勝利、最優秀防御率、最高勝率の投手三冠に。
22歳のときには、日本のプロ野球史上初の「10勝、100安打、20本塁打」を達成しました。
そして、23歳の時に大リーグ挑戦を決断。しかし、これには、反対の声も多くありました。その理由のひとつが、契約金の問題です。大リーグでは2016年に施行したルールにより、25歳未満の選手に使用できる金額は、契約金や年俸など込みで、年間500万ドル(当時の金額で約6.7億円)と決まっていました。さらに契約形態もマイナー契約(年俸6000万円以下)からスタートする規定となっていたため、大型契約が見込めなくなります。
さらに、ケガをしていたタイミングでもあったため、当時の栗山監督は大谷選手に「翔平、本当に大リーグ挑戦は今なのか?俺を説得してくれ!」と問いかけたと言います。
それに対して、大谷選手は、「今なんです、強い選手と対戦したいんです、そこで成長して世界一の選手になりたいんです、お金は関係ありません、今なんです、成功するとか失敗するとかは、僕には関係ない、やってみることの方が大事なんです」と答えたと言います(報道ステーションより)。
そして、2017年にアナハイム・エンゼルスと契約を結びます。その内容は、年俸10万ドル(当時の金額で約1130万円)以下のマイナー契約からのスタート。メジャーに昇格すれば、最低保証の年俸54万5000ドル(当時の金額で約6160万円)に切り替わる契約ですが、それでも日本での年俸2億7000万円の1/4以下。
25歳でのポスティング移籍なら、年俸を含めて総額100億円以上の巨額契約になっていたかもしれないのにもかかわらずです。実際、現在移籍交渉を行っている山本由伸選手(25歳)の契約金は、2億~3億ドル(約290億円~435億円)と言われています。
■大谷選手の一貫した考え方
大谷選手のエンゼルスとのこの契約について現地アメリカでは、「お金なんて気にしない、とにかく大リーグでプレーしたいと言うのはとても素晴らしいことだ」とお金ではなく夢を手にすることを優先した大谷選手の決断を称賛する声がありました。
大谷選手の考え方は、一貫して「世界一の選手になる。チームを世界一にする。」というもの。
決して、お金のために動いていません。
お金のために動いていないのにもかかわらず、世界で一番の契約金を勝ち取りました。
これ、とても矛盾しているように見えませんか?
経営コンサルタントの小宮一慶氏は、こんなことを言っています。
「お金を追うな、仕事を追え」
どういう意味かと言うと、
「良い仕事を追いかければ、お金は勝手についてくる」ということ。
良い仕事は、次の3つのことを言っています。
①お客さまが喜ぶこと
②働く仲間が喜ぶこと
③そのために工夫すること
そこに集中していれば、お金はあとからついてくると。
これは、まさに大谷選手の考え方。
「野球で世界一の選手になる。チームを世界一にする」
これが実現できれば、たくさんのファンができ、そのファンが喜びます。また、世界一の選手とプレーできるその仲間(チームメイト)も間違いなく喜びます。そして、大谷選手は「二刀流」という工夫を並々ならぬ努力で実践し、上記2つのことを実現しています。
現に、今回の大谷選手の移籍は、日本だけではなく、アメリカでも大きな話題となりました。チームメイトになったドジャースの選手からも「世界一のプレーヤーと一緒にプレーできることに興奮している」というコメントも報道されています。
大型契約はその結果。
働く目的がお金ではなく、良い仕事をすること。
それがお金を稼ぐための考え方。
「お金を追うな、仕事を追え」
自分自身もこの考え方を大事にして実践していますが、実感する部分があります(もちろん大谷選手とはスケールが全然違いますが・・・)。
これは、きれいごとかもしれません。でも「きれいごとを実践することが人生において大切だ」ということを大谷選手は教えてくれます。
また元気にグランドで躍動する大谷選手の姿を想像すると本当にワクワクしますね。来シーズン、楽しみですね。期待しましょう。