見出し画像

成功すると経営者には落とし穴が待っている?~お金は魔物~

こんにちは、お金が入るでかねいりです。

先日、モンゴルで大成功をしている経営者の方のお話を聞く機会があり、今日はそのお話からどういった方が経営者として成功するのかということについて考えたことをお伝えできればと思います。

■モンゴルで大成功を収めた経営者

モンゴルの経営者Aさんは、日本の大学に留学した経験を持ち、その時からモンゴルに帰り、起業することを決めていました。日本では、松下幸之助さんや稲盛和夫さん、論語なども勉強をしていました。

そして、宣言通り、モンゴルで起業を果たします。カシミアの製造販売を手掛ける会社を立ち上げ、現在では世界有数の企業へ成長
さらにそれだけではなく、自動車ディーラーの事業や銀行事業も立ち上げ、どちらもモンゴルでNo.1に。ホテルなども観光事業も手掛け、最近では富士フィルムと提携してAI検診事業も始めています。
人口350万人ほどのモンゴルで、1万数千人を雇用するグループにまで発展しています。

誰がどう見ても成功されている経営者と言えます。

■経営者として成功するために必要なもの

昭和の名経営者と言われた松下幸之助さん。
松下幸之助さんは、「会社は社会の公器」と言い、「会社が社会の幸せに貢献していなければ存在価値がない」と言っています。

また、経営の神様と言われるピーター・ドラッカーは、「すべての会社に共通する会社の目的がある」と言っています。
それが、
①独自の貢献
②働く人を活かす

ということ。
①を言い換えると「自社の商品・サービスを通してお客様に喜んで頂き、社会に貢献すること」
②は「働く仲間が喜び、幸せにすること」

これらのことから、「経営がうまくいっている=経営者として成功している」というのは、上記のことが実現され、その度合いが大きくなっていることと言えそうですね。

小宮コンサルタンツの代表の小宮一慶氏は、ドラッカーの言う会社の共通する目的のことを「正しい目的」と言っています。
そして、経営者として成功するためには、正しい目的を持つことが重要であると言ってます。

■正しい目的を持つことは簡単ではない

しかしながら、この正しい目的を持ちつづけることは簡単なことではありません

それはなぜか?
まずは、自分が食べるために働くことが優先される。起業して、すぐにうまくいくとは限りません。目の前のことが優先されてしまいます。

でも、その中で成功する人は、相手のためやお客さんのためを優先する。
それが成功につながるということを知っている。そして成功をしていく

■成功したところに落とし穴がある

しかし、成功したところに、2つの落とし穴がある。

そのひとつが「GoodはGreatの敵」
これは、書籍「ビジョナリーカンパニー2」の冒頭に出てくる言葉で、「偉大な会社になるための一番の敵は、自社がGoodな状態になることだ」というもの。
もう少し具体的に言えば、うまくいき始めると「こんなもんでいいか」、「うまくいっているんだからこのままでいいんじゃないの」という状態になりがちで、その結果、現状維持にとどまってしまう、努力を忘れてしまうということなんです。

もうひとつの落とし穴は「お金は魔物」
これは、曹洞宗大本山永平寺の最高顧問を務められた藤本弘邦氏の言葉。
続きがあり、「お金はないと困るけど、ありすぎると人の人生を狂わせる」と言っています。
例えば、儲かった会社のお金でクルマを買ったり、ゴルフに行ったり、飲みに行ったりしてしまう
「経営者なんだから、こんなことしてもいいだろう」という考えもあるかと思いますが、そこで事例をご紹介したいと思います。

これは、小宮一慶氏の講演で聞いた話になります。
業績が低迷していた中小企業
そういった中、苦しい状況だったが、全社研修を小宮氏が依頼されました。
会社の状況を少しでも良くするために、社員の方一人一人に前に出て話をしてもらいました。
ある女性社員の方が「社長の高級車のために働いているかと思うとアホらしくて働けない」と言いました。

女性の意図はなんだったのか?
こっちは必死で働いているのにその必死で働いたお金で、社長が高級車を買って、その車を私用で使ってゴルフに行ったり、会社のお金で、夜飲みに行ったりしているのを見て、腹が立つの超えてあきれてやる気が出ないということ。

社長が公私混同していると、この女性のように社員は、がんばることがばかばかしくなって、仕事を適当にやるようになります。そして、自分たちだけのために仕事をするようになります。当然、会社はおかしくなります

■なぜ成功すると公私混同してしまうのか?

なぜ、成功すると経営者は公私混同してしまうのか?

小宮一慶氏は、こういっています。
「生き方・考え方の勉強をしていないから」と。

考え方について、JALを再建し、平成の名経営者と言われた稲盛和夫さんが「人生の成功の方程式」という話をされています。

・人生の成功の方程式 「能力×熱意×考え方」

稲盛さんは、「能力と熱意は0~100まであるけど、考え方はー100~+100まである」と言っていて、能力や熱意がいくら高くても、考え方が間違ってしまうと成功できないということを言っています。

小宮氏は、考え方のことを「人が何千年も正しいと言ってきたこと」と言っており、例えば仏教の根本は「利他」キリスト教の根本は「愛」儒教の根本は「仁」。これ、すべて「人へのやさしさ・おもいやり」のことを言っている。「自分のためにより相手のためにを優先させよう」ということ。これは何千年も前から言われているが、今も変わらないこと。

こういったことを勉強し続けないと、公私混同してしまうと小宮氏は言っています。

■大資産家となったモンゴルの経営者はお金に惑わされたのか?

ここで話を戻しまして、大成功されたモンゴルの経営者Aさんのお話

先述した通り、Aさんは、生き方・考え方の重要性を松下幸之助さんや稲盛和夫さんから学び、論語などの勉強にも取り組んでいました。

Aさんに次のような質問をした方がいました。
「お金は魔物と言われていると思いますが、お金に惑わされた際に、どう対応しているのでしょうか?」と。

そうしたところ、Aさんは「惑わされるほど、まだお金を持っていない」と。

その答えを聞き、なんとできた人なんだと感銘を受けました。
モンゴル有数の企業の経営者になられた方なので、もちろん大資産家。
お金は十分すぎるほどあるはず
です。それなのにもかかわらず、この発言。
これが成功する経営者なんだなと腑に落ちました。

さらにAさんは、「モンゴルをより良い国にするために私は存在しているし、私のグループはある」と言っていました。

正しい目的を持ち、そのために生き方・考え方の勉強をし続けることの重要性を実感する体験でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?