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仕事における大変なことやつらいことは人生にとって必要なものなのか?

こんにちは、お金が入るでかねいりです。

企業へ訪問させて頂き、若手社員の育成の状況について聞かせて頂くと、なかなかうまくいっていないというお話を聞くことがあります。もう少し突っ込んで話を聞いてみると「大変なこと、つらいことを避ける、もしくはその耐性が低いように感じる」ということでした。

今日は、少し大げさなテーマですが、「仕事における大変なことやつらいことは人生にとって必要なものなのか?」ということについて考えたことをお伝えできればと思います。

■考えることになったきっかけ~退職代行サービス~

このことを考えるきっかけとなったのは「退職代行サービスに新卒が殺到」というニュースでした。

退職代行サービスとは、退職の意向を本人に代わって会社へ一方的に伝えるサービスです。本人は会社と一切、話をすることなく、その後の退職手続きも退職代行会社が行います。

退職を会社に伝えるということには、精神的な負担がかかります。しかし、このサービスを使えば、自分が辞めたいと思ったら、自身への精神的な負担や痛みがなく、簡単に辞めることができてしまうサービスとも言えます。

おそらく、仕事で大変なことやつらいことがあり、辞めたいと考え、退職代行サービスを使うという流れだと思うのですが、この流れは完全に「大変なこと・つらいことをできる限り少なくしたい」という考えの表れではないかと感じたのです。

■若手社員に聞いてみた

確かに大変なことやつらいことは人生において少ないほうが良いと私も思います。そこで、取引先企業の若手社員を集めた研修の中で、次のようなことを聞いてみました

「仕事における大変なことやつらいことは、自分の人生に価値を与えるのか?」

そうすると、次のような答えが返ってきました。
・自身の成長につながる
・相手の気持ちがわかるようになる
・誰かの役に立つために必要なこと

できれば大変なことやつらいことは少ないほうが良いという意見もありましたが、おおむね前向きに捉える意見が多くあり、少しほっとしました。

■仕事における大変なことやつらいことの価値とは?

経営コンサルタントとして、これまで多くの方にお会いしてきましたが、仕事において成果を出せる人、まわりから評価をされる人の共通点として感じるのが、「相手の立場になって考えて行動できる人」というものがあります。もう少し具体的には言えば、相手の潜在的なニーズを先読みして行動ができる人です。

では、こうした人たちは、なぜこのような行動ができるようになったのでしょうか?

これは、私の仮説ですが、大変なことやつらいことをたくさん経験してきたからではないかと考えます。

例えば、仕事で大きな失敗をしてしまったAさんがいたとします。Aさんはこの経験を通して成長し、課長へ昇格。そして部下ができる。ある日、その部下が大きな失敗をします。そこで、Aさんは若き日に自分がした大きな失敗の経験を思い出します。その経験があったことで、Aさんは、部下に対して、叱責をするのではなく、自分にもそういった失敗をした経験があったことを部下に伝え、部下の気持ちを和らげ、その上でどうするかを一緒に考えるということができました。失敗というつらい経験がったからこそ、部下の成長を促すことができました

例えば、あるメーカーで働くBさん。製品を製造している中で、大きなミスをしてしまいました。そのことで後工程の人たちに大きな迷惑をかけることになってしまいました。Bさんは、このミスがきっかけで、後工程の人たちのことを考えながら仕事を進めるようになり、そのおかげで生産性があがり、後工程の方からも助かっているという声をもらえるようになりました

大変はことやつらいことを経験すると、「そんな気持ちにはもうなりたくない」という感情が生まれます。そして、「この気持ちは他の人にも味わってもらいたくない」という想いが生まれます

この引き出しが多い人が、相手の立場になって考えられる人なのではないかと思うのです。

さらに言えば、うれしいこと・楽しかったことも同じことが言えます。「またこの気持ちを味わいたい」という感情が生まれ、そして「この気持ちを他の人にも味わってもらいたい」という想いが生まれる。

大変だった経験、嬉しかった経験があると、同じような状況になった時に自分の経験がフラッシュバックする。そして「そんな気持ちになってほしくない」「そんな気持ちを味わってほしい」という想いが、相手の立場になって考えるきっかけになる

ということなのではないかと考えました。

■人生における目的と目標の重要性

そうした中で、積極的に大変なことやつらいことが、自分の身に起こってほしいかというと、やはり身構えてしまいます

一方で、自分が自ら目標設定をした中で、大変なことやつらいことに出会うということであれば、心の準備もできているので、乗り越えていけるのではないかと考えます。

そうした意味でも、「何のために仕事をするのか?」や「何のために生きるのか?」といった目的「何を目標と設定して歩んでいくのか?」という目標の設定が、大変なことやつらいを乗り越えていくための大前提となると言えそうです。

若手社員の育成における、目的や目標の位置づけを再確認する機会になりました。

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