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ダルビッシュ選手の今をつくった「一流の考え方」

 こんにちは、お金が入るでかねいりです。

米公式サイト『MLB.com』がサイ・ヤング賞(その年に最も活躍した投手に贈られる賞)の受賞経験はないものの今季以降にチャンスがある投手について特集記事を発表しました。そこには、シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手の名前が挙げられていました。

■インタビュー番組で「自分の転機はどこだったのか?」の回答が衝撃的

 今や、大リーグを代表する投手になったダルビッシュ選手。そんなダルビッシュ選手が今回の新型コロナウイルス騒動を受け、ツイッターで、

「人は自分がいつか死ぬとは思っているが、その日が本当に来るとは信じ切れていないのではないか。1年後があると思っていてはいけないと思う。特に今は。」

とコメント。このツイッターを見て、数年前に見たダルビッシュ選手のインタビュー番組のことを思い出しました。

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 東北高校時代から超高校級右腕として注目を集めていたダルビッシュ選手は、プロ1年目の2005年から14試合で5勝5敗、防御率3.53と能力の片鱗を見せていました。
 続く2006年には、才能を一気に開花させ、先発ローテーションの一員として、チームのリーグ優勝と日本一に大きく貢献。
2009年のワールドベースボールクラシック(WBC)決勝では胴上げ投手にもなりました。その後、大リーグでも活躍はご承知の通り。

 そうした中、「自身の転機はどこだったのか?」という質問に対して、ダルビッシュ選手は、「明確にあります」と即答しました。

それは、高卒2年目、20歳の時のこと。2006年6月のヤクルト戦。相手打線に打ち込まれ、5回途中6失点でノックアウトを喫した時のことでした。
 その夜のこと。ダルビッシュ選手は、「このままだと1軍と2軍を行ったり来たりするレベルの選手で終わってしまうかもしれない」、「高校生の時の延長線上でこれまでやってきたが、このままでは通用しない」という強い危機感を持ったと言います。

この後のダルビッシュ選手の考え方と行動に私は驚きました。ちなみに皆さんだったら、この状況からどういったことを考え、行動しますか?


ダルビッシュ選手は、こう考えました。
まず、自分の40歳の状況を想像してみたのです。どんな状況かというと、野球選手として鳴かず飛ばずで引退し、職に就くも40歳でリストラ。無職になった絶望的な自分を想像したのです。

さらに続きます。
そこに神様が現れて「1回だけチャンスを与える、20歳に戻してあげよう」と言われ、いま自分はここにいる。そう考えたのです。

「自分は、40歳になって人生を失敗したところから、神様のおかげでもう一度人生をやり直せる状況になった」そう自分自身を思い込むように持っていったのです。

そこからのダルビッシュ選手は、メディアなどで良く目にする光景となりましたが、
・練習の取り組み方
・栄養に関する勉強と実践
・技術に関する探究
・体の仕組み・構造の理解
などなどありとあらゆる知識と情報を実践に変え、現在のダルビッシュ選手へと変化を遂げたのです。

ダルビッシュ選手は言います。
「あの転機とこの考え方がなければ、今の自分はいない」と。

この転機の話に、私はとても驚きました。
ひとつは、ダルビッシュ選手ほどの能力を持ってしても活躍できるかどうかわからないほどプロの世界は厳しいという事。
もうひとつは、活躍できるかどうかの差は、能力もあるが、「考え方」の部分が大きな要素を占めるという事。

・後悔しないように生きる。
・1日1日を無駄にしない。その日を精一杯生きる。
・自分の考えを持つ。自分の考えを発言する。批判に動じない。
・自分の人生は自分でコントロールする。
そういったダルビッシュ選手の特徴は、この転機における考え方がベースになっていたのではないかと感じました。

■成功の方程式がある

 この話から思ったことがありました。それは「この思考・考え方は、ダルビッシュ選手だからできたことなのだろうか?」ということでした。

「世界一の投手になる」という夢を持ち、たくさんの逆境を乗り越えてきたダルビッシュ選手だからこそできるようになったと考えられます。一方で、ダルビッシュ選手にしかできない考え方なのかというと、そうではないと考えます。能力的なことでは、ダルビッシュ選手になることは難しいかもしれないが、考え方ということで言えば、ダルビッシュ選手と同じ考え方を持つことはできる可能性があります。

「目の前に起こった事実を、どう捉えるのか?」
特に自分自身が追い込まれた時、苦境の時に。どう考えるかで、人生は大きく変わります。この点がダルビッシュ選手の優れている点です。

 2010年に経営破綻した日本航空(JAL)を再建した稲盛和夫さんが「成功するための方程式がある」と言っています。それは、「能力×熱意×考え方」だと。
 さらにこう言います。「能力と熱意は、0から+100まである。考え方は、-100から+100まである」と。つまりどういうことかと言うと、いくら「能力」や「熱意」があっても、「考え方」が間違ってしまうと、人生において成功することはできないということなんです。

ひるがえって、ダルビッシュ選手の考え方は、どんな考え方だったのか。
それは「変えられるものに集中する」ということです。
・相手を変えるのではなく、自分を変える。
・過去を変えるのではなく、今や未来を変える。

 5000社を超える企業を指導し、多くの倒産寸前の企業を立て直したとされる経営コンサルタントの第一人者として有名な一倉定さんは、「電子柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、すべて社長の責任だと思え」という言葉を残しています。
 言い換えるとそれは「世の中で起こっていることは、自分が引き起こしている」という認識を持つこと。「景気が悪いから」、「人手不足だから」といったような言い訳をしているようでは、経営者は務まらないということを言っているのです。

スポーツ選手であれ、経営者であれ、成功する人は、成功するための考え方を知っているのだということを教えてくれます。

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