2025新卒採用について予測してみた ~企業側はどう動けば良いか?~
こんにちは、お金が入るでかねいりです。
企業に訪問する中で、最近よく耳にするのが、人が採りづらくなってきたというお話です。特に新卒については、コロナが明けてからその傾向が強くなっていると言います。
今日は、これから本格化する2025年4月入社の採用活動(2025採用)の企業側の動き方について考えたことをお伝えできればと思います。
■新卒の就職活動の大まかな流れ
まず、現在の新卒の就職活動の流れについてのおさらいをしていきたいと思います。
3年生の夏ごろから活動がスタート。夏・秋とインターンシップがあります。ベンチャーや外資系の企業などは、秋・冬から説明会や選考を進め、内定を出すところもあります。年が明けて1月ごろからエントリーシートなどが始まり、説明会も始まります。2月以降、説明会や面接が続き、6~8月末までに内定を取り、就活を終わらせるという流れになっています。
政府の指針で大手企業は6月から選考解禁となっていますが、以前に比べると順守する企業は減っているように感じます。
■2024採用を振り返る① ~採用環境は?~
次に、2024年4月入社(2024採用)の状況について振り返ってみたいと思います。そこで、学生がどのように動いていたかという数字を観ることで、企業の動きを推察してみたいと思います。
まずはこの数字から観ていきましょう。求人総数(新卒採用を実施する企業の採用予定人数を合計したもの)です。
2024採用は『77万人』でした。ここ20年の中で最も多かったのが2009採用の『95万人』。リーマンショックが起こる直前の年の数字で、俗に言う「いざなみ景気」というゆるやかな好景気が続いた時期でした。コロナ禍の2022採用時は『68万人』ということで、そこからは約10万人増えていることになります。
では、就職活動する学生の数は、どのくらいなのでしょうか?
求人総数よりも少なければ、内定を取ることは難しいし、逆に多ければ内定を取りやすいと言えます。
2024採用では『45.1万人』でした。
すると、求人総数(77万人)÷学生数(45.1万人)=1.70となり、このことを有効求人倍率と言っています。言い換えると、選ばなければ、『1人の学生が1.7社の内定をもらえる採用環境』ということです。
この数字も先述の2009採用が最も高く『2.14』でした。コロナ禍では『1.50』。そこからは上昇しており、学生側からすると就職がしやくなっていると言えます。
ちなみに、この有効求人倍率、この30年で最も低かったのは、2000採用の『0.99』。いわゆる就職氷河期と呼ばれる時代で、1.0を切っていることからかなり厳しいことがわかります。
話を戻しまして、求人総数を企業の従業員数別に見てみると、
・従業員数300人未満の会社の求人数は、42.7万人
・従業員数300人~999人未満の会社の求人数は、14.6万人
・従業員数1000~4999人の会社の求人数は、14.7万人
・従業員数5000人以上の会社の求人数は、5.0万人
となっており、5000人以上の大企業から内定を勝ち取るのは、狭き門となっていることがわかります。言い換えれば、大手企業は買い手市場で、中堅・中小企業は売り手市場と言えます。
■2024採用を振り返る ~内定状況は?~
次に見ていきたいのが『内定率』です。全体のどのくらいの学生が、1社以上の内定を保持しているかという数字になります。ポイントは、どの時期に、どのくらいの内定が出ていたのかという部分です。
次の表をご覧ください。
こちらは、2021採用から2024採用の各月の内定率の推移を表したものになります。
例年、最終的な内定率は、9月末を見て頂ければわかる通り、『87%程度』となります。
まず注目して頂きたいのが、2024採用の6月末の数字。『79.5%』となっており、学生全体の8割が内定を持っている状態です。これは昨年と同様の数値であるのですが、コロナ前の2021採用の『65.1%』よりも高く、比較的高い数値と言えます。
そしてさらに注目は、2024採用の4月末の数字『52.0%』。これは、コロナ前の『35.2%』、昨年の『47.3%』よりも高く、かなり高い数値と言えます。また、2024採用の3月末も『30.0%』と例年に比べ高い数値となっています。
ここからわかるのは、企業側の内定の早期化です。以前は、5月~6月にかけてが山場となっていたのですが、2024採用では、3月~4月が始めの山場となり、そのあとに5月~6月にかけて第二の山場が来たという状態でした。
■2025採用はどうなるのか?企業側が考えるべきことは?
2024採用の動きやこれまでの傾向を考えると、2025採用はさらなる内定の早期化が想定されます。
具体的には、3月末・4月末の内定率がさらに高まり、それに伴い、2月末の内定率も上がると予測します。そして、6月以降は学生がほとんど残っていないという状態になると予想します。
採用は、マーケティングであり、生もの。タイミングを逃すと失敗してしまいます。企業側としては、どこの山場で採り切るのかという作戦がとても重要になります。
ひとつの考え方としては、3月末に焦点をあて、ここで採り切る。もし、ここで採り切れなければ、4月から5月にかけての山場で勝負をかける。という2段階アプローチは有効な方法だと考えます。
ここ数年の傾向や新卒採用を実施している企業の声を聞くと、2025採用は2024採用に比べ、さらに採用がしづらくなる可能性が高いです。しかし、中堅・中小企業でも、新卒採用は、準備や作戦次第で効果を上げることができる手段だと考えています。
今日のお話をヒントにして頂き、良い人材を採用して頂けると嬉しく思います。
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