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名無しの島

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フリーのルポライター、水落圭介はある出版社から、 ある島に取材に行ったきり、 行方不明になった記者を見つけてほしいという依頼を受ける。その記者は古い友人でもあった圭介は、 その依…
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#ホラー

名無しの島 第1章 発端

名無しの島 第1章 発端

東京都千代田区一番町の通りに面する、8階建ての雑居ビルの

3階と4階のフロアにある出版社、草案社。

築40年を越える古びた雑居ビルだが、

出版社や編集プロダクションの集まる

千代田区では、ごくありふれた建物だ。

その草案社が出版している、月刊ミスト編集部に水落圭介は呼ばれた。

水落圭介は現在30歳で、フリーのルポライターを5年やっている。

都内の私立大学文学部を卒業した後、

ある大

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