グループkasy(金土豊、他)

グループkasyでは、オリジナル漫画と小説も作成しています。 メンバーは金土豊、北弓佳…

グループkasy(金土豊、他)

グループkasyでは、オリジナル漫画と小説も作成しています。 メンバーは金土豊、北弓佳、ケリュケイオン、迷亭の4名です。

マガジン

  • ユングの娘2 仮面(ペルソナ)の心理

    帝應大学の若き天才女性心理学者の主人公、氷山遊(ひやま ゆう)が、たたき上げの中年刑事、鳴海徹也(なるみ てつや)とともに、難事件を解決に導いていくというミステリー小説「ユングの娘 偽装の心理」の続編です。短編形式で書いていこうと考えています。 読んでいただけるとうれしいです。ご意見・ご感想もいただけると幸いです。

  • 呪会

    人を呪い殺すことができるという、会員制の闇サイト「呪会」の会員であった、 日向亜希子の回りで、次々と人が殺されていく・・・。 彼女は親友たちと共に、事件の真相を暴こうとするが、そこには人間の心の暗い 深淵が亜希子たちを引きずりこもうといていた―――。

  • 名無しの島

    フリーのルポライター、水落圭介はある出版社から、 ある島に取材に行ったきり、 行方不明になった記者を見つけてほしいという依頼を受ける。その記者は古い友人でもあった圭介は、 その依頼を受けることにした。 だが、その島で彼は恐るべき日本の暗部と想像を絶する恐怖に陥れられるのだった。 その恐怖の島の名は『名無しの島』と呼ばれていた―――。

  • 草笛双伍 捕り物控え一

    時は江戸。火付け盗賊改め方、鬼平こと長谷川平蔵のもと、2本の長大な十手を手に、元<風魔忍者>の岡っ引き、草笛双伍が活躍する、勧善懲悪痛快アクション時代小説です。

  • ユングの娘 偽装の心理

    帝應大学の若き天才女性心理学者の主人公、氷山遊(ひやま ゆう)が、たたき上げの中年刑事、 鳴海徹也(なるみ てつや)とともに、難事件を解決に導いていくというミステリー小説です。 東京都内のとあるマンションで、漫画家志望の青年の死体が見つかった。 だが、それが他殺なのか自殺なのか、判別できなかった。 一人の青年の死を背景に、様々な人々の「心理」が交錯し、 謎が深まっていく・・・。 そして真相を明らかにした時、驚くべき結末が待っていた―――。 「ユングの娘」はシリーズ化しようと思っています。よろしくお願いします。 ※ご意見、ご感想をいただけると、モチベーション上がります^^  よろしくお願いします。 金土豊ブログ>http://ameblo.jp/mysterynovels ツイッター>https://twitter.com/gazachamarnncu5

最近の記事

ZOMBB 37発目 次郎、絶体絶命

次郎と新垣優美は、有効射程距離に入った、 人間サイズの『やわらかゾンビ』から 片付けていった。巨人ゾンビの頭蓋骨は厚く、 近距離からでないと、破壊できないからだ。 しかし、近距離になると その巨体が邪魔になって頭を狙うのは困難だ。 木に登って攻撃する手もあるが、 たちまち捕まってしまう可能性が高い。 弾薬庫では、数十人の自衛隊員たちがいたからこそ、 巨人ゾンビの注意を拡散させて出来た作戦だった。 だが今は、次郎と新垣優美のたった二人しかいない。 半数近く

    • ユングの娘2 仮面(ペルソナ)の心理1

      怪物と闘う者は、その過程で 自分自身も怪物になることがないよう、 気をつけねばならない。 深淵をのぞきこむ時、その深淵も こちらを見つめているのだ。 ―――フリードリッヒ・ニーチェ プロローグ その人物はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの 「魔笛」を聴いていた。 それはお気に入りのオペラ曲だった。 決して高くは無い収入から、購入した高級コンポは 素晴らしい音を奏でていた。 できればヘッドフォン越しでは無く、別途取り付けた 40ミリウーファーか

      • 呪会 最終章

        亜希子と米倉里美、そして松葉杖をした宮島祐介の姿が新幹線の プラットフォームにあった。 亜希子は大きなボストンバッグを、両手に持っている。 空は明るく、雲ひとつ無い青空だ。 風も暖かく、もうすぐ春が近いことを告げているようだ。 「アッキー、ほんとに行っちゃうんだね」 里美は悲しげに言うと、亜希子を抱きしめた。 「うん、岐阜に住む叔父さん夫婦が、  私を引き取ってくれるって。  それに大学進学も応援してくれるって」 「アッキーだったら、ハーバードだって行ける

        • 呪会 第21章

          「ただいま」 亜希子が祐介のお見舞いから 自宅に帰った時には、もう夕暮れだった。 リビングルームを覗いてみたが 灯りはついておらず、人の気配も無い。 やはりまだ由美は仕事から帰っていないようだ。 亜希子は自室にスクールバッグを置くと キッチンに向かう。 テーブルには、由美の自筆で置手紙があった。 その内容は、仕事で遅くなると思うので 冷蔵庫の中に、チャーハンと餃子の 作り置きがあるので、 レンジで暖めて食べてくれとのこと。 まあ、いつものことだ。

        ZOMBB 37発目 次郎、絶体絶命

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        • ユングの娘2 仮面(ペルソナ)の心理
          1本
        • 呪会
          22本
        • 名無しの島
          38本
        • 草笛双伍 捕り物控え一
          28本
        • ZOMBB
          58本
        • ユングの娘 偽装の心理
          24本

        記事

          呪会 第20章

          警察署殺人科の取調室の一室。 それは畳3畳ほどしかなく、 窓はどこにもない。四方を薄汚れたコンクリートの 壁に囲まれ、天井も2メートルほどの 高さしかなかった。 その狭い部屋の中心に使い込まれた事務机と、 パイプ椅子が2脚あるだけだ。 一方には加原真湖、 対峙した一方には風間が座っている。 「キミが呪会というサイトの管理者だな?」 「そうだけど、それが罪になるの?」 加原は挑むように、 右のレンズにヒビの入った眼鏡の中央を 人差し指で押し上げた。

          呪会 第19章

          今学期最後のホームルームも終わり、 教室の生徒たちは帰り支度を始めていた。 といっても、そのほとんどが塾へ向かうのだが。 明日から冬休みだが、進学校の生徒たちには関係ないことだった。 閑散としつつある教室に日向亜希子、米倉里美、加原真湖、 そして宮島祐介の姿があった。 「ねえ、アッキー。  コンサート来週なんだけどどうする?」 里美が遠慮がちに訊いてきた。 「コンサート?」 亜希子は、きょとんとして訊き返した。 「忘れちゃったの?  シュツルムビストー

          呪会 第18章

          「おかえりなさい」 帰宅すると、キッチンから由美の快活な声が跳ね返ってきた。 亜希子は無言で自分の部屋に向かう。 扉を開けると、スクールバッグを放り投げ、 ベッドに大の字になって寝転んだ。 「今日の晩御飯はシーフードパスタと  鴨肉のソテーにアスパラガスとアボガドの  サラダよ」 扉の向こうから由美の声が響いてくる。 以前だったら、そんな母親の言葉に 元気良く返事をしていたはずだ。 だが、父親の法要を終えたとはいえ、 あのいつもと変わらない態度はどうだ

          呪会 第17章

          「風間さん、プロバイダーから  呪会の管理者が誰なのか報告がありました」 岸谷は1枚のプリントを、風間のデスクに置いた。 「この人物が管理者?間違いないんだな?」 風間は岸谷を、鋭い視線で見上げた。 捜査一課に詰めていた他の捜査員も、 そのプリントを覗き込みメモをとっている。 「この人物は、  村田先輩の甥っ子さんが通ってる・・・」 風間は正直絶句していた。 こんな偶然があるのだろうか? だが、これは同時に貴重な情報であり、証拠でもあった。 「よし、こ

          呪会 第16章

          山村希一の葬儀は、しめやかに執り行われた。 斎場には喪服姿の人々が集まっている。 その中に、喪主の絵里子の姿があった。 心的ショックが強かったのは言うまでも無い。 その姿は憔悴しきっていた。 そばにいる年配の女性に支えられて、 絵里子は立っているのが、やっとだった。 泣きはらしたのか、まぶたは赤くはれ上がっている。 そんな中に当然、亜希子の姿もあった。 しかし、彼女は無表情で、泣き顔ひとつ見せてはいなかった。 決して気丈だからではない。 自分の父親が殺害

          呪会 第15章

          「お前の友達だったんだな。ガイ者・・・」 喫茶アシンメトリーの店内に、客は少なかった。 マスターの村田はカウンターに座っているのは甥の祐介だ。 サイフォンから注いだコーヒーを、無地の白いカップで彼の前に置いた。 祐介は無言で、ブラックのまま口に運ぶ。 コーヒーを一口すすると、祐介はつぶやくように言った。 「叔父さん、この事件の情報、警察から何か  情報が流れてきてんだろ?教えてくれないか?」 「そんなこと、オレは何も聞いてないよ」 食器を洗いながら、村田は答

          呪会 第14章

          それは突然の訃報だった。 全校生徒が集められた体育館は 普段とは違う、異様な緊張感に包まれていた。 生徒たちはそのわけを知っていた。 一部の生徒たちは、すでに朝のニュースで 報じられたその事件を知り、それはさざ波のように多数の生徒の間に 広まっていったからだ 演壇上の校長は青ざめてはいたが、 その表情は無地の陶器のように青白く固かった。 校長から見て左側に、その他の全教師たちが並ぶ。 まだざわめいている一部の生徒たちがいたが、 生活顧問の強面の男性教師が

          呪会 第13章

          来島祥子と加原真湖は同じ学習塾に通っていた。 この日も講義を終え、同じバスに乗っていた。 午後10時を過ぎているため、バスの車内には人影はまばらだ。 祥子と真湖は隣り合わせに後部の座席に座っていた。 真湖とは小学校6年生の時に、 祥子の学校に転校してきて以来、ずっと友達だ。 それからは、何もするにもいつも一緒にだった。 中学校も高校も、そして塾も・・・・・。 祥子は社外に流れる夜の明かりを ぼんやり見ていたが、隣に座る真湖は参考書を 熱心に読みふけっている

          呪会 第12章

          放課後の教室には、生徒の数はまばらにしかいないかった。 ほとんどが学習塾か部活だ。 西に傾いた陽光が差し込む窓際に、亜希子、祐介、里美の姿があった。 真湖と祥子は学習塾とのことでここにはいない。 「それで進展はあったの?」 窓際の椅子に座った里美が、自分の机の上にあぐらをかいている 祐介に訊いた。もちろん、呪会のことだ。 「おいおい、オレが呪会の会員になってから まだ2日しか経ってないんだぜ。そう簡単にいくかよ」 そう言って傍らにある、 祐介の愛用している

          呪会 第11章

          亜希子はバス停に降りると、自宅マンションに向かった。 歩いて5分ほどのいつもの帰り道なのに、今日は遠く感じた。 ここ数日間でいろんなことがありすぎた。 呪会のこと、菅野好恵の事件、そして里美や祐介たちが、 亜希子のために呪会のことを暴こうと行動を開始したこと・・・。 何かが動き始めている。亜希子はそう感じていた。 それは亜希子の不安や怖れを洗い流してくれるものなのか、 それともさらなる恐怖の道へと誘うものなのか。 沈みかかっている夕陽を見上げると、 雲がほん

          呪会 第10章

          雲ひとつない、つきぬけるような秋空の下、 校舎の屋上ではいくつかの生徒たちのグループが 昼食をとっている。 その中にフェンスによりかかっている宮島祐介と、 彼を取り囲むように立っている亜希子、里美、 真湖、祥子の姿があった。 「そうか・・・そんなメールが来てたのか」 亜希子は呪会から届いたメールを祐介に見せたのだ。 (To 亜希子さま  おめでとうございます。  菅野好恵は削除されました。  今度はあなたの番です。 呪会より) それを見て、祐介は考え込

          呪会 第9章

          缶コーラを一口飲むと、 亜希子はいくぶん落ち着きを取り戻した。 それでもまだ、涙のせいで瞼がはれている。 「でもさ、アッキー。なんで例の列車事故と  呪会が関係してるって思ったの?」 そう尋ねたのは祥子だった。 だが、その問いに答えたのは里美だった。 「だって、その菅野好恵って女が  『呪い殺すリスト』に登録されてて・・・」 そう言ってから、そっと亜希子を気遣うように、 声をひそめた。 亜希子は大丈夫だよというように、 里美に向ってかすかに微笑んだ。