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夜のおはなし/子午流注と体内時計

子午流注(しごるちゅう)」という言葉をご存知ですか?

1日24時間を12等分し(十二支に割り当て)
体内リズム(内臓が活発になる時間帯)にあてはめた考えで、
時計もない時代(紀元前とかのレベル!)に書かれた
中国最古の医学書「黄帝内経」に出てきます。

たとえば朝5時〜7時(卯の刻)
ここは「大腸経」
つまり大腸が活発になる時間帯であり、
この時間に排便する習慣をつけると良いと考えます。

すべての時間帯を解説すると長くなるので、
今回は「夜」についてすこしお話します。

カウンセリングをしていると、
夜に不自然な(からだにとって良くない)
過ごし方をしているひとがほとんどです。
自分自身も東京にいるときは21時まで働いて、
22時に帰宅する…なんて生活をしていました。

自然界のほとんどが太陽とともに活動し、
陽が沈むと休むようになっています。
人間も自然の一部なので、
自然に反した暮らし方をすると当然
からだは悲鳴(症状)を出してきます。

とくに頭痛、皮膚トラブル、自律神経…
こういった症状が気になるひとは
どんな薬よりもとにかく夜休むことが大切です。


✦できれば23時までに眠る✦
中国のことわざに
「寧舎一頓飯,不舎子時眠」
というものがあります。
一度の食事よりも
子の刻に眠ることが大切という意味です。

子の刻とは23時〜1時の時間帯。
ここは「陰陽の転換点」であり、
体内でも同様に陰陽バランスが入れ替わります。
この時間帯に起きて動いていると
からだのバランスが乱れると漢方では考えます。


✦真夜中に目が覚めてしまうのはなぜ?✦
よく「寝つきは良いけど夜中(1時とか2時頃)目が覚める」
という方がいます。
夜中1時〜3時とは丑の刻で「肝経」、
つまり自律神経やホルモンバランスを整える時間帯になります。

緊張やストレスが蓄積しているひとや、
「血虚(からだに血が足りていない)」体質のひとは
「肝」が落ち着かず、この時間帯に必ず起きてしまいます。

丑の刻は本当に大切な時間帯で、
この時間帯に全身の血を入れ替え、作り直しています。
いわば、からだのリカバリータイム

この時間帯に起きていると
血の入れ替えがうまくいかず、
▪️皮膚のトラブル(血の汚れがたまる)
▪️思考力やメンタルの低下(血は精神や思考に影響する)
▪️女性の場合は月経トラブルや不妊につながります。

体質的に夜中起きてしまうひとは
漢方薬などで治療していければと思いますが、
夜更かしなどでだらだら起きているひとは
生活習慣を変えていくことが大切です。

いちばん難しいのは、お仕事をしているひと。
「仕事が夜遅くまでで、この時間眠るのは難しい」
こういった方はたくさんいます。

なかなか仕事を変えるのは難しいと思います。
せめて休日だけでもいいので、
早く寝ることを意識してもらえればと思います。

とっても余計なお世話ではありますが、
「本当にからだを犠牲にしてまでする仕事なのか?」と
見直すこともひとつです。

仕事柄、
大きな病気(末期の癌や難病など)になってはじめて
今までの生活を後悔するひとも見てきました。

健康なときは無理しがちですが、
病気になってからでは遅い場合もあります。

「未病を治す」という漢方の考えはここにあり、
「健康なうちから病気にならないよう整えておく」
これは本当に大切で、
自分の意識と、毎日の積み重ねでしかありません。


これから季節の変わり目は
とくに体調も崩しやすくなるので、
夏に夜更かし気味だったひとはすこしずつ、
夜の過ごし方を見直していただければと思います。

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