【神戸三田ブレイバーズ】カジレーザー炸裂!梶木翔馬の進化
何かを変えなければ
明らかに去年より体の線が太く大きくなった。そして打球も鋭くなった。
神戸三田ブレイバーズで1番を打つ梶木翔馬。
昨年のオープン戦は打率6割に迫る勢いで打っていたが、シーズンが終わってみれば打率.194と苦しんだ。
「去年と同じではいけない、と橋本監督とも話をして、筋トレをして体重を増やすようにしていました。大きくなったという実感はあんまりないんですけど、いろんな人に教えてもらって試してみてやっているという感じです」
(円陣でまじめにナインに語りかける梶木)
その結果、ここまででチームトップの打率と打点をマークしている。
変えた意識とこだわり
「自分に厳しくしていきたいと思って今シーズンに臨んでいます」
今季、梶木が自身に課した目標はホームラン10本、打率3割5分。こだわりたいのは長打率だ。
「ミスショットをなくしてバットに体重を乗せて飛ばすイメージです」
ホームランはここまで1本にとどまっているが、二塁打10本、三塁打3本はリーグトップ。「あと少しで」という打球も増えてきている。
「リーグ選抜でNPBの練習を見ましたが一つ一つの行動、フォームの確認の仕方とかが全然違いますね。もっと意識を変えて取り組まないといけないなと思っています」
(選抜戦前の練習、「知らない人たちが多いんで」とやれることをやっていくという)
チャンスでの打席や長打を増やしたいという思惑は、大きくなった体格に比例するように結果が出始めている。
もう一つの武器
打つだけではなく、梶木の武器はもう一つある。2019年まで投手をしていたという「肩」だ。
もともと強肩だったが、今季はオープン戦からライトゴロを何度も記録。4月3日の開幕戦でも、ライトに抜けた当たりを素早く一塁に送球。アウトとなり、打ったバッターが天を仰いだほどだった。
それを知っているからか、梶木の前に落ちるヒットは、二塁ランナーが進塁できず釘付けになるというシーンも多く見えるようになった。打つだけではなく失点を防ぐ大きな武器になっている。
(三塁に向けて送球する梶木。相手ベンチから「ストップストップ!」の声が飛ぶことも多い)
「ライトゴロになるのはおおよそ右バッターが相手の時だと思うんですが、相手の打席の入り方やスイングを見て予測しながら前に出たりしています」
守備面でも昨年よりレベルアップしている。送球の正確さと強さはリーグでも指折りだ。
外から見て
「うちの父が熱心で、色々調べて『チャンスの時の長打率はリーグでトップやぞ!』とか教えてくれるんです」(8月5日現在)
(一球速報の類別状況。一二塁、二三塁でのバッティングスタッツの良さが際立つ)
だからこそチャンスでの確実性や長打を増やしたい、というところも明確な目標にできるのだろう。
「今は1番を打つことが多いのでなかなかチャンスで打席が回ってこないのですが、回ってきたときにしっかり仕留められるようにやっていきたいです」
ちなみに、「本当に体が大きくなったのか実感がない」ということだったので、去年の写真を見せたところ「あ、まだユニフォームに線がある……!」とようやく実感がわいたようだった。
(2020年の梶木)
(2021年の梶木。こう見ると背中から脚にかけてかなり大きくなったのがわかる)
自分で思うこと、外からわかる変化。残りシーズンでさらなる成長をはっきりと見せつけていきたい。
(取材日:8月5日 SAZZY)