高橋輝行

KANDO株式会社代表取締役・プロジェクトトレーナー。「顧客の価値創造を通じて、組織を…

高橋輝行

KANDO株式会社代表取締役・プロジェクトトレーナー。「顧客の価値創造を通じて、組織を変えて人を伸ばす」を掲げ中小企業を中心に100社以上のプロジェクトを推進。価値創造の経験から組織変革、人材育成のコツを発信します。著書に「会議の強化書」他。www.kando-inc.com

最近の記事

価値創造請負人#3「アイデアが浮かばない社長」

年商30億円、従業員100名のシューズメーカーの三代目社長は悩んでいた。   創業者の祖父は子供靴の製造を始め、二代目の父は靴を作る技術を活かしナースシューズや厨房靴といった業務用シューズを開拓し、事業を伸ばしてきた。   三代目社長の彼は、大学卒業後、5年ほどの商社勤めを経て、10年前の27歳で当社に入社した。5年前に父から社長を引き継ぎ、従業員ともコミュニケーションが取れるようになってきた一昨年、コロナ禍の影響をもろに受け、売上は大幅に落ち込んだ。   祖父や父が頑張って

    • 顧客価値創造請負人#2「思い込みの強い社長」

       ある一人の社長が弊社事務所を訪れた。年のころは50歳前後のようだが、声に張りがあり自信に溢れている印象だった。実は、2週間ほど前に知人の税理士から電話があり、「顧問先の社長が新規事業を構想していて、熱く語ってくれるんだが少し発散しているような気がしていて、一度話を聞いてもらえないだろうか」と頼まれた。彼は税理士にしては新しいことへの好奇心が旺盛で、社長のよき聞き役になっているが危機察知能力は高い。彼の紹介で弊社のクライアントになった社長は多い。    話を元に戻そう。紹介さ

      • 顧客価値創造請負人(序)#1

        弊社は銀行からのクライアント紹介を受けることが多く、幸いなことに心あるバンカー(銀行員)、つまりクライアントの事業成長を純粋に願う人間と仕事をしている。彼らのようなバンカーから連絡をもらうと、いつも一肌脱ぎたい気持ちになる。   大川という友人のバンカーから「いい商品を持っているが、マーケティングで躓いて今一つパッとしない融資先の社長を君に紹介したい。一度会ってもらえないか?」と電話があった。私は、普段オンラインで仕事をしているが、彼からの依頼なら2つ返事で出向くようにしてい

        • 100以上の企業で新商品開発を推進して気づいたこと

          私が起業してから数年経った時、ある中小企業の経営者から質問を受けた。 「新しい商品を作れと指示しても、従業員が動かない。何をしてもいいと言っても、誰も提案しない。どうすれば、従業員が自発的に価値を創造するのだろうか」と。   以降、なぜか私の頭にはこの問いがずっと残っていた。 問いを残したまま、様々な経営者に会った。   ■    「うちの従業員はやる気がない」と言って新事業を諦めてしまった人 ■    逆に「従業員に任せてもダメだ」と割り切って一人で精力的に動く人 ■   

        価値創造請負人#3「アイデアが浮かばない社長」