まぶしさに浮かぶ思い出夏の日々~俳句3句
瓜漬けや浅いつかりの母の味
手の中で玉虫輝き毒深し
まぶしさに闇を感じる水着跡
旬杯「俳句」に参加します。
瓜漬けや浅いつかりの母の味
田舎ではウリができると瓜漬けを作っていた。まだ深くつかる前の浅漬けのときのウリが私は好きだった。
田舎では桃や柿の木もあったけど、まだ熟れる前の少しだけ甘みのある堅い桃や柿が私は好きだった。
町へ出ると、つかる前のウリや熟れる前の桃や柿は食べられない。全て昔の思い出となってしまった。
手の中で玉虫輝き毒深し
飛んできた玉虫をつかまえたことが何度かある。
綺麗な輝く色をしている玉虫だが、花の蜜を吸う昆虫と違って、鋭い歯で木の葉を食べる。
同じように綺麗な姿をしているハンミョウは肉食の昆虫。
綺麗な薔薇には棘がある。
美しい人にも他人には見せない棘がある。
まぶしさに闇を感じる水着跡
生命力あふれる娘の水着跡が男心をわくわくさせる。
けれどあの娘も闇を持っている。そんな姿が時としてちらっと見えることがある。
みんないろんな物を抱えながら生きている。そんな心の中に抱えている思いを吐き出したくて句が生まれることもある。
昔の有名な作者たちも、それぞれの抱える闇があり、それを句にしていたのだろうか。
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