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悔しい思いをしてから成長できる- ジュビロ磐田 藤原健介-

残り時間は約10分。

2022年11月5日、J1リーグ最終節京都サンガF.C.戦。

ジュビロ磐田ベンチで一人の選手がビブスを脱ぎました。

背番号「38」の背中が表れる。
藤原健介がついにJ1のピッチに立った瞬間です。

替わりにベンチに下がったのは、レジェンド遠藤保仁

レジェンドと若き司令塔が両手でタッチしてへの交代する姿に、将来のジュビロ磐田を託す想いが見えたのは私だけでしょうか。

ジュビロ磐田の若手選手の中から毎月1人をピックアップし、知られざる想いを発信する「DREAMS」。11月は藤原健介が登場しました。

実は、藤原健介のJ1デビューのチャンスはその前にもありました。

9月17日、J1リーグ第30節 ホームセレッソ大阪戦。

この試合の直前にトップ選手5名にコロナ陽性者が発生したことがリリースされ、GKが交代選手で2人入るという緊急事態でした。

J1の試合で初めてベンチ入りした藤原健介。

しかしベンチのフィールドプレーヤーで藤原健介のみがピッチに入ることはできませんでした。

私もこの試合はヤマハスタジアムで観戦していたのですが、GKを除き藤原健介のみがピッチに入れなかったことは気になっていました。

「これは、そうとう悔しい思いしたんじゃなかろうか?」

ここからは憶測になってしまうんですが。

この試合、同期の古川陽介もベンチスタートだったんですが、古川は後半39分からピッチに入りました。

しかも、古川は得意のドリブルでセレッソ大阪の松田陸選手を交わし、松原后へ絶妙なクロスを上げ、あわや勝ち越しゴールかという惜しいシュートを演出するという活躍を見せました。

目の前で同期の古川陽介が活躍する姿を観ただけに、余計に歯がゆい思いをしたのではないか?

この試合もドローで終わるという残留争いの中では厳しい結果だったのですが、ベンチに残された藤原健介の姿もそれに輪をかけて気掛かりでした。

やはりDREAMSでも忘れられない試合としてこの試合を挙げていた藤原健介。

相当悔しい思いを吐露していました。

しかし、次の言葉に私の心配は杞憂であったことに気づきました。

悔しい想いをしてからが
成長できる一番の
ポイントだとおもうので、

藤原健介 DREAMSより

最終節、京都戦で出場した10分間。
決して長い時間ではありませんでした。

しかし、0-0のスコアレスの状況でもあり、得点を決めて爪痕を残すには絶好の舞台でもありました。

渋谷監督が藤原健介を最後にピッチに送り出したのは、来季J2で戦うジュビロでの藤原健介にかける期待や想いが込められていたのではないでしょうか。

そんな試合出場だったと思うのです。

結果、この10分間の出場を経た藤原健介は、

自分ならやれるな、と再認識しました。

と語っています。

この言葉が出ただけでも大きな成長を果たしたと思います。渋谷監督は今季で退団となってしまいましが、来季のジュビロへの置き土産のように感じました。

来季はJ2で再び積み上げ直しの年となるジュビロ。

ジュビロはファビアンゴンザレスの二重契約問題から補強ができません。一方でちらほらとジュビロの選手に対し他クラブからのオファーの新聞報道が出始めました。

他クラブが提示する条件によっては、複数人の選手が引き抜かれることも覚悟しなければなりません。

来季は藤原健介のような若手が活躍しなければ、ジュビロの将来はありません。

逆に、新選手が来ないのならば、若手が台頭する絶好の機会でもあるのです。

今年は本当に厳しく、悔しい思いの連続だったジュビロ磐田。

藤原健介の言葉を借りれば、ジュビロもチームとして悔しい思いをしてからが新たな成長のチャンスなのかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ジュビロ磐田、そして藤原健介のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。

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