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2023年の静岡SSUボニータは入場者数が増加したんじゃないか?と思ってグラフ化してみた。

2023年10月14日に行われた、WEリーグカップ決勝戦「サンフレッチェ広島レジーナ vs アルビレックス新潟レディース」。

新潟には2011年なでしこジャパンW杯優勝メンバーの川澄奈穂美選手が米国から移籍していたこともあって注目していたんですが、BSテレ東で生中継していたのでライブで観戦しました。YouTubeでもライブ配信されましたね。

スコアレスで延長戦へ。延長戦でも決着がつかず、PK戦で広島の優勝が決まりました。新潟にとって酷な結果となりましたが、両軍必死に守り切ったナイスゲームでした。

もう一つ注目したのは、両サポーターの応援の圧が凄いこと!

入場者数は6261人!

ボニータもWEリーグ参入を目標に掲げているので、いつかこのような大観衆の中でボニータを応援できる日がくるといいなあと思いながら観戦していました。




WEリーグに比べれば、なでしこリーグの入場者数は少ないのが実状です。

でも、なでしこリーグ1部初挑戦となった静岡SSUボニータは、後半戦では明らかに入場者数が増えていることを感じました。

ゆめりあサッカー場の座席は、シーズン序盤では余裕をもって座れましたが、最終節ではホーム側の座席は殆ど埋まっていました。

そこで、本当の所はどうなのか?
グラフ化して検証しました。

なでしこリーグの公式ホームページに掲載されている公式記録から数字を拾ってまとめた結果です。


1.ボニータホームゲームの入場者数

2023年のボニータのホームゲームは偶数節がホームゲームでした。
第12節と第16節はヤマハスタジアム、第14節はエコパスタジアムでの開催。それ以外はゆめりあサッカー場です。

やっぱり後半戦は入場者数増加していることが判ります。

もちろんアウェイチーム応援の入場者も含むので、全てがボニータの応援者ではないのですが、それでもシーズン序盤戦の200~300人程度から、終盤戦では倍増しています。


2.他クラブとの比較

他のクラブのホームゲーム入場者も気になりますよね。

数字を拾ってまとめてみました。
平均入場者数で比較すると以下となります。

ボニータは12チーム中5位!(1試合平均468人)
1部初挑戦としては大健闘ではないでしょうか。


3.なぜ入場者が増えたのか?

増加の分岐点は、ヤマハスタジアム開催です。

ヤマハスタジアムは、ゆめりあサッカー場よりキャパは大きくなりますが、増加理由はそれだけでしょうか?

効果があったのはこれだと思うんです。

ジュビロ磐田と静岡SSUボニータは、2022年10月にパートナーシップ契約を締結し、女子サッカーの認知度向上などを目指しています。

ボニータのヤマハスタジアムでの試合直前に行われたジュビロ磐田の試合。ボニータの選手達は、総出で入場ゲートのサポートをしてくれました。パートナーシップ活動の一環と思われます。

このとき、マッチデープログラムと共に、直近にヤマハスタジアムで開催されるボニータの試合のチラシも配ってPRしているんです。
しかも、チラシ持参の場合、入場無料!


しかし、いわゆる「無料券」を配ることについては賛否あると思います。

一時的には入場者数が増えますが、その後の試合でチケットを買って来場する観客が定着するのは難しいのではないか?

ただ、私は必ずしも悪いとは言えないと考えます。
むしろ今回は功を奏したナイスな作戦だったと支持します。

つまり、

「配り方」

が重要だと思いました。

ポイントは、新聞広告みたいに全方位的に配るのではなく、ヤマハスタジアムを訪れたジュビロサポーターに対象を絞ったという点。

つまり、日常的にヤマハスタジアムでサッカー観戦する人にチラシを渡ること。ここに意味があったと思います。

そのような人達に入場無料のチラシが渡れば、ボニータのヤマハスタジアムの試合にも気軽に来てくれる可能性は高いと思います。

要は、普段ヤマハスタジアムを来場するジュビロサポーターに、ボニータを知ってもらうきっかけを作るのです。

「休日だし、入場料と駐車場が無料でヤマハスタジアムでサッカー観られるならボニータの試合に一度行ってみるか。」

と思った人も、きっと少なく無かったのではないか?と思います。

ヤマハススタジアムでサッカー観戦することが好きな方々に、一度ボニータのサッカー観てもらうことにより、その後も応援してくれる可能性も高まるのではないか?

つまり、ボニータのファンとして定着する可能性が高くなると考えます。


実際、グラフを見てもらえばわかるように、ヤマハスタジアム開催試合は一気に入場者が増加しました。

一方で、その直後の試合の入場者数は減少しています。

しかし、減少後も序盤戦の水準200~300人を上回るペースで推移しているのが判ります。更に、最終節22節は再増加に転じてます。

序盤戦以上にボニータのサッカーに興味を持ってくれる人が増えたことは間違いないと思います。

更に、入場者が増えた要因はほかにもあると思います。

・地域活動への参加
・SNSでの選手によるPR動画
・選手勤務先の応援と協力

などなど。

ボニータの選手達の地道な活動、及び、職場など周囲の協力が実を結んだと考えます。


4.来季へ向けて

ここからは厳しい提言になりますが、ご容赦ください。

来年は今年以上に勝たないと、コアなファン以外はを繋ぎ止めるのは難しくなる可能性があります。

なでしこリーグ1部初挑戦のボニータにとって、レベルの上がった1部は勝ち切ることが難しく、厳しい一年だったと思います。

今季ホームゲームでは1勝しかできませんでした。

1部残留を決めて臨む来年は正念場です。

敗戦が続くと、どうしても入場者は減ります。
せっかくお金出してスタジアムに行っても、負け試合ばかりでは「もう次はYouTubeでいいかな」という心理が働くことが容易に想像できます。

来年は、今年以上にホームゲームで勝ち点3を奪える実力を付けないと、いくらジュビロ磐田の土壌があっても、入場者の獲得、特にライト層を獲得するのは難しくなると思います。


しかし、ボニータの伸びしろは十分にあると思います。

ボニータは大学生と社会人の混成チーム。若手とベテランが融合しているのでバランスは悪くありません。今季1部で戦った経験を活かし課題を克服し、来季飛躍するボニータの戦いが見られることを願っています。

来季はたくさんの入場者と一緒に勝利を喜びたいですね。

そして、その先にWEリーグで歓喜の瞬間を迎えるボニータの選手達を観てみたい。

そのために来季も応援を続けたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
静岡SSUボニータのファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。



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