2023 J2 第40節「ジュビロ磐田 vs 東京ヴェルディ」超主観的振り返り
2位:清水エスパルス 勝ち点70 得失点差42
3位:ジュビロ磐田 勝ち点68 得失点差24
4位:東京ヴェルディ 勝ち点68 得失点差23
直近の第39節終了時点の順位です。
磐田と東京Vは勝ち点は並び、得失点差わずか1。
2023年10月28日。J2リーグ第40節。 磐田と東京Vの直接対決。
この試合に勝ったチームが2位清水との自動昇格圏争いの一騎打ちになります。同時間帯に熊本と戦う清水が敗戦となれば、一気に2位浮上の可能性もある大一番。ヤマハスタジアムで観戦してきました。
ホームの地の利も活かして絶対に勝利を手中にしなければならない磐田。大一番とあって、キャパ約15,000人のヤマハスタジアム対し、13,269人という多くの入場者が訪れました。
ヤマハスタジアムの第1ゲート付近には、大一番に向けての横断幕が掲示されました。
しかし、残念ながら結果は1-1のドロー決着。
一方の清水は熊本に敗戦したため、勝てば2位奪還だったのですが、千載一遇のチャンスを逃してしまいました。
悔しい。本当に悔しいですが、振り返ります。
前回対戦振り返り
前回対戦は、5月3日第13節アウェイ味の素スタジアムでの戦い。
ゴールデンウイークということもあって、関東のジュビロサポーターを中心に多くのジュビロサポーターが集結。
後藤啓介のチャントもこの日が初披露となりましたが、負傷退場という辛い展開に。
古川陽介のドリブルでの仕掛け、松原后とバスケスバイロン選手の対決など見応えのある試合ではありましたが、互いに決め切ることができずスコアレスドローとなりました。
スターティングメンバー
ジュビロ磐田
スタメン・サブ共に、前節アウェイ徳島戦と同じでした。
このメンバーが現状でのベストメンバーなのでしょう。
徳島戦ではフィールドプレーヤーで唯一出場できなかった後藤啓介。その悔しい思いを今節にぶつけて欲しいです。
東京ヴェルディ(前回対戦との比較)
東京Vは夏季の移籍ウインドウで長谷川竜也選手、中原輝選手、染野唯月選手、甲田英將選手の4人を補強。その内、中原選手の染野選手の2人がスタメンに名を連ねました。
東京Vは、前節千葉との戦いで前半0-2から後半3得点して逆転勝利。しかもその3得点は長谷川選手、中原選手、染野選手という全て新加入選手によるものでした。
ただ、一方で、バスケス バイロン選手、マリオ エンゲルス選手、阪野 豊史選手、杉本 竜士選手、加藤 弘堅選手、橋本 陸斗選手の6人が他クラブへ移籍。前回対戦から大きくメンバーが替わりました。
他クラブへの移籍は多かったものの、しっかりと補強を行って昇格圏争いに食い込んでいます。前回対戦から確実にアップデートしている他クラブが本当に脅威に思います。
磐田は2回の補強を禁止されたのが改めて痛いと感じます。
ジャメ負傷。後藤啓介が緊急出場
前半6分、センターライン付近に転がって行ったこぼれ球に対し、ジャーメイン良と林尚輝選手が全速力で向かってボールの直前で交錯。ジャーメイン良は倒れ込んだまま起き上がれません。そのまま担架で運ばれ後藤啓介と急遽交代となりました。
磐田のワントップとして目覚しい成長を遂げていたジャーメイン良だっただけに、もし長期離脱となればチームにとって非常に痛い。大事で無いことを祈ってます。
一方の後藤啓介は、前節徳島戦に出場できず悔しい思いをしました。
思いがけない形で得た出場機会でしたが、是非結果を残して欲しいと思いました。
ドゥドゥのシュート
前半の決定機は42分。
鈴木雄斗、ドゥドゥ、山田大記と繋ぎ、ボックス外ギリギリの所でドゥドゥが受けて右脚を振り抜く!
ゴール右下隅を狙いましたが、マテウス選手のファインセーブでゴールならず。ボックス外からのシュートはドゥドゥの真骨頂。枠を捉えていただけに惜しいシュートでしたね。
均衡破られる
49分、磐田のコーナーキック。リカルドグラッサが後ろに蹴りだしましたがやや空振りになり、ボールは中原輝選手に。一気にドリブルで運ばれてしまいます。
カウンターに対して磐田の選手達も全速力で追いかけますが間に合いません。
一旦左サイドの齋藤功佑選手にパス、そして折り返しのクロスを上げて中原輝選手がシュート。これには三浦龍輝がナイスセーブで弾いたんですが、林 尚輝選手がこぼれ球に詰めていてシュート。
後半開始早々に均衡が破られてしまい、東京Vが先制してしまいました。
カウンターで失点を食らった磐田。東京Vは失点数30(第39節時点)でJ2リーグトップ。堅守を誇るチームなだけに先制されるのは絶対に避けたかっただけに痛い展開となりました。
山田大記が円陣を組んだ理由
非常にショッキングな展開となった磐田。
ここで、極めて異例とも言うべきなのですが、磐田の選手達は、失点直後にピッチ上で円陣を組みました。
どんな会話がなされたのか?
試合終了後に円陣を主導した山田大記がコメントしています。
また、河治良幸さん取材による「サッカー批評」では、山田大記が以下のようにも語ったと記載があります。
円陣で戦う方向性の一致を図ったのです。
山田大記の言葉に、鹿児島キャンプ初日を思い出しました。
今季からキャプテンに就任した山田大記は、J2降格、補強禁止など、例年になく厳しいシーズンになることに対し、「一丸」という言葉で、このように語っています。
東京V戦は敗戦は許されない大一番。
しかし先に失点してしまった磐田。
戦意が下がりかねない状況でした。
しかし、追いつき、追い越すために、戦う方向性を全員で一致させることが何より重要。この円陣は、山田大記が当初から言っていた「一丸」という言葉に通じると思いました。
重要な局面で冷静なマネジメントを見せた山田大記。
改めてキャプテンがピッチにいることの重要性を知りました。
上原力也の反撃ゴール!
その後も東京Vのカウンター攻撃にあいますが凌ぐ磐田。
68分、松原后がシュートするもGKマテウス選手に阻まれます。ドゥドゥがボールを拾い、フリーの上原力也にすかさずパス。狙いすました上原力也はゴール左側にボールを突き刺して同点!
試合終了後、上原力也は失点後の円陣と得点シーンを以下のように振り返っています。
前述の山田大記が円陣で語った、
という言葉。
上原力也のコメントから、チーム全員で共有できていたことから生まれた同点弾であったことが判ります。
今年の磐田はケガ人が多く、選手補強もできない厳しいシーズンでした。
しかし、昨年J1で散々悔しい思いを味わったメンバーの殆どが磐田に残留したことで、頭の中も含めて「一丸」となって戦うという力を身につけました。長期的視点に立てばこの力は大きいと思います。
今年のメンバーは、今後の磐田の礎になるに違いありません。
次節へ向けて
その後も磐田は猛攻を仕掛けましたが、やはり東京Vは守備が堅く、残念ながら逆転することはできませんでした。
1-1のドロー決着。
磐田、東京Vともに思い描いていた結果ではありませんでした。
想定外の交代だったとは言え、ほぼフル出場した後藤啓介。試合終了のホイッスルと共に地面に座り込みました。
試合終了後、後藤啓介は得点できなかった試合を振り返っています。
出場できなかった徳島戦は勝利し、ほぼフル出場した東京V戦では勝てなかった。
この事実に対し「力不足」とした後藤啓介。
しかしこの経験はきっと彼を成長させるはず。
この試合には、同世代の藤原健介、古川陽介も出場。
2021年のJ2優勝の頃からベテラン偏重と言われがちだったジュビロ磐田。しかし、今年は昇格争いの大一番で、磐田の未来を担うであろう若手が出場し経験を積んでいます。
一方で山田大記のような経験を積んだ選手が、ここ一番で素晴らしいマネジメントを発揮する。
ドロー決着となった結果は、悔しい結果であることは間違いありませんが、プラスとなる面も十分にあったと思います。
他力ではありますがJ1自動昇格の可能性が残っていますので、全力で戦って勝利を勝ち取ることを期待しています。
次節は、11月4日第41節、ホームヤマハスタジアムに水戸ホーリーホックを迎え撃ちます。
遂にホーム最終戦です。
絶対に勝って終わりましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。
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