理由は「メーカーへの忖度」も
少しお騒がせをしています。申し訳ありません。
SNSにも書きましたが、基本、メディアのロケや取材、その他さまざまな依頼にて、嫌な思いをすることは極々稀です。恐らくコンプライアンスに煩くなっているのでしょう、とても腰の低い対応をされることが多いです。
故に「これだからテレビは」なんて言うつもりもなく、基本的には好意的なスタンスで、協力を惜しまず接しています。今回はSNSでも書きました情報番組「ラヴィット」のスタッフさんとどのようなやりとりがあったかを書きたいと思います。
遡ること3週間まえ---------------
「ラヴィット」は帯&朝のバラエティ番組。ボードゲームも積極的に取り上げており、傍から見ている限りでは得に悪い印象はありませんでした。基本的にはジェリカフェと組んでやっている印象で、ロケが実施される際はジェリカフェの店舗という印象です。(あくまで印象)
こんな風に「お抱え」があるのは良い事だと思います。店は宣伝になりますし、制作としても協力を仰ぎ易いでしょう。ウチにも良い関係を築けている制作さんもいます。
そんな中、3週間ほどまえにラヴィットからウチの店舗に連絡(電話)が入ります。もうその時点で「あれ?ジェリカフェは?」と疑問符が付いたのですが、店舗スタッフが電話で聞いた話によると「ムーチョ・DE・チョーショ」というボードゲームを貸して欲しいようでした。誤解のないように先に言っておくと、このゲームはウチの会社が販売しているゲームではありません。メディアに貸してそれが地上波に乗っても、それだけでウチになにか恩恵があるわけではありません。
ただ、ウチは希少なゲームを結構保有しているので、市場で手に入らないゲームを貸し出すことはままあります。もちろんお代はいただきません。(貸与権を侵害する恐れがあるため)「ムーチョ・DE・チョーショ」は、ちょっと特殊なゲームなため、「ジェリカフェでは保有していないのかな?」と考え、ウチに貸出依頼がきたことについては自分なりに納得しました。故に貸し出すことにし、その旨を伝えるべく折り返し電話すると、「今から取りに行くので貸して欲しい」という要件のみ伝えられました。
今までの経験で言うと、ゲームの貸し出しやロケなども「貸し出したゲームをどのように使うか?」企画や目的を説明してくれるのが通例でしたが、そういう説明は一切なく、あっけに取られているとそのまま通話終了。
「ん?これはちょっと変だぞ」という印象はありましたが、前述したように、基本、メディアには協力するスタンスなので、そのまま貸し出しをしました。
翌日----
事務所で仕事をしていると、店舗スタッフより「シリトリミット10を追加で貸して欲しいと電話がありました」と連絡を受けます。このゲームも、もちろん弊社のゲームではありません。
(んー?シリトリミット10なら、大抵のボードゲームカフェにあるでしょ?恐らくジェリカフェにも?むしろ普通に買えるでしょ?ウチは在庫ないけど、ジェリカフェの通販に在庫あるし……なんでウチが貸さないといけないんだろう?)などとPCの前で考えながら、急ぎの仕事をこなしつつ、1時間くらい返答を保留していたら、「いまラヴィットの方がいらしているんですが、どうしますか?」と言ってスタッフが事務所に駆け込んできました。
え?貸すともなんとも言ってないけど?
慌てて店舗へ行って話を聞くと、お遣いの方のようで「ジェリカフェに貸し出しを断られてこちらに来ている」とのこと。はぁ……。
とりあえず、お遣いの人に「ウチはラヴィットさんと仕事をしたことがないので、初回であればちゃんと説明が欲しい」「用途をまるで知らされていないので、ゲームを借りて何をするのかメールで良いので送って欲しい」と伝えて名刺を渡し、一応「シリトリミット10」も持たせて帰らせました。色々腑に落ちないものの、まだ協力姿勢はとりつつ、用途だけでもハッキリして欲しいとお願いしたのです。
お遣いの方は「責任者(最初に電話をしてきた人物)に伝える」と言って帰りましたが、それから2日経ってもメールが来ないので、責任者?に電話すると「今企画書を送ろうと思っていた」と蕎麦屋の出前回答があり、それから2時間後にメール着信。内容をかいつまんで言えば、「番組で使うか否かテストプレイ(シュミレーション)するために借りた」「番組で使う際は、メーカーに問合せ許諾を得て使う」といったことが書かれていました。
企画書も確認しましたが、貸し出す条件(クレジット表記、店舗の紹介の有無など)もなかったため、電話をして「内容確認しましたが、ウチが自社の商品でもないゲームを、御社に貸し出す理由が分からないので教えてください」と直球で聞いてみました。そう、貸し出す理由がないのです。いままでお付き合いがあるわけでもなく、ゲームを番組で使うかどうかもわからない。そもそも番組で使われたとて、ウチの商品でもなんでもないわけですから、宣伝になるわけでもない(メリットもない)のです。
先方の回答は繰り返し「ジェリカフェで借りられなかったから」というだけ。求めているのはそういう理由じゃないですし、「なぜジェリカフェが貸してくれなかったのか?」は考えなかったのかな?と思いました。別にイジワルで貸さなかったわけじゃないでしょう。理由はきっと同じです。「貸す理由がない」のです。
「そもそも、借りたいならメーカーに直接連絡すればよいのではないですか?」と言ったら、「まだ番組で使うか決まっていないので連絡するのがはばかれる」と言われました。ここでやっと相手の考えが少しわかってきた気がします。
要は、メーカーに不義理をしたくないんですね。「番組で使います」或いは「使うかも」と言ってメーカーからゲームを借りて、結果「やっぱり使いませんでした」と言いたくない。恐らくですが、メーカーに機嫌損ねられたら後々ゲームが使えなくなるかもしれないので、メーカーの太鼓は持っておきたいのでしょう。
一方で、我々ボードゲームカフェは貸したゲームが使われようが使われまいが関係ありません。だって、自社製品じゃないんですから。「借りましたが、番組で紹介しませんでした」となっても、「関係ない」ので、義理も不義理もないだろう?というわけです。
メーカーへの配慮は最優先なので、メーカーに貸してくださいと言えない。かといって購入もしたくない……その結果、ラヴィットのスタッフが辿り着いた答えは「関係のない第三者に借りる」というアイディアだったようです。
「あなたたちには特になんのメリットもないけれど、メーカー様のご機嫌を損なわないために、我々にゲームを貸してくれたまえ」ってことです。
当方を図書館かなにかと勘違いしているのでしょうか?正直、気分が悪くなりました。とりあえず「これ以上は関わらないようにしよう」と考え、貸したゲームの返却を求めたうえで、
「購入できるゲームは購入してください。あと、とても失礼なことをしていると自覚してください。」
「もし”たかだか2000円ちょっとのゲームで大袈裟な”と思っているとしたら、その通り、たかだか2000円ちょっとのゲームです。買ってください。」
と伝えました。
店舗に限りませんが、貸し出しなど「お願い」するのであれば、相手にどのようなメリットがあるか?「考えるだけ」でも良いのでして欲しいと思います。たとえ何もメリットが無いとしても「今回は何も提供できないのですが、それでも良ければ」くらい言ってくれれば「ああ、この人はこちらのことも考えてはくれているんだな」と思えるので協力もできるものです。(実際に、特に見返りなくとも協力している案件はあります)
でも、たかだか小箱のゲーム1個貸す行為にこちらもそこまで煩く言いたくないですし、恩着せてやろうなんてことも思っていないので、だからこその「買ってください」なわけです。ウチの商品でもなんでもないなら、ウチが噛む必要まったくないので。ウチ関係なく、どこかで買って、それを使えばよいのです。
ゲームはちゃんと返却されましたが、オンエアでなんとも使用感のあるゲームの写真が使われていたので「もしや?」と思って確認したところ、結局、買うことはせずある別の店舗から借りたようです。こちらの想いが全然伝わっていないオチにビックリしました。
と、ここまでが3週間前のお話。
直近の話は、SNSに書いたとおりです。
「耳が痛い」と思われたか?「うるさい店舗だな」と思われたか?
いずれにせよ、もう2度とラヴィットさんがウチに連絡してくることは無いと思っていました。故に連絡があっただけでも驚いたのですが、3週間まえと全く同じ内容で、ゲームは更に入手難易度が下がっているという……。もちろん、弊社で販売しているゲームではありません。
驚きを超えて呆れてしまいました。
電話があった日、私は喉を傷めていたため、電話を受けたスタッフにそのまま対応してもらいました。「前回も申し上げましたが、全然買えるゲームなので買ってください」と伝えてもらうように。相手のステータスについて詳しくは聞かなかったのですが、もしかしたら今回連絡してきた方は、前回とは別の曜日のチームの方だったのかもしれません。
しれませんが!
別のチームだとすれば、少なくとも2チームが「あなたたちには特になんのメリットもないけれど、メーカー様のご機嫌を損なわないために、我々にゲームを貸してくれたまえ」という価値観で動いているということになってしまいます。
単純に、前回の事がチーム内で共有されていなかったのだとしても、前述の価値観が結局「なにがわるいのか?」という意識のまま残ってしまっているのでは?とも思えてしまいます。どちらにせよ、繰り返してしまうのは、あまりよい結果とは思えませんよね……。
何度も言いますが、基本、当方は協力したいスタンスです。メディアでたくさんの方にボードゲームの魅力が伝われば、ユーザーも増えて市場も拡大します。市場が大きくなれば、今までできなかったことも出来るようになるでしょう。直接的な恩恵はないとしても、かなり間接的ではありますが、恩恵が全くゼロというわけでもないかもしれません。
ただ、だからといって「間接的に恩恵受けているだろ」と言われるのは違うと思っています。間接的な恩恵を受け入れるかどうかは、相手側(今回であればこちら側)の判断です。
これも前述しましたが、だからと言って別に大きな直接的恩恵が欲しいというわけでもありませんので、買えるゲームは買ってやってください。ボードゲームカフェを噛ませる必要はありません。
もし、少しでも協力に対して感謝の気持ちがあるなら、「貸してくれ」ではなく、カフェを利用して店内でテストプレイするなりしていただくなどもあると思います。そういう番組スタッフの方も過去に全然おられます。
私どもも協力は惜しみませんが、何卒、気持ちよく協力させていただけると嬉しいです。
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